ねとらぼ
2025/12/11 19:15(公開)

「旅行なら快適」「住むとプレッシャーに」 “静かな電車内”は日本ならでは? 海外SNSでさまざまな反響集まる

 日本の電車(列車)といえば、「静かで秩序正しい」というイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際、通勤ラッシュの車内でも会話がほとんど聞こえず、スマホの操作音や足音がかすかに響くだけ──そんな空気が当たり前のように存在しています。

 この静けさは、多くの海外旅行者にとって驚きであり、同時に“日本らしさ”として受け入れられています。しかし、長く日本に滞在する外国人のあいだでは、別の感覚が芽生えている様子もうかがえます。

 それが、静寂に対するプレッシャーです。

 RedditやFacebookなどのSNSでは、日本の電車内で感じる独特の空気について、さまざまな声が投稿され、話題になっています。以下では、そんな電車の静寂文化を海外の視点から紐解いていきます。

画像:PIXTA
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日本の電車マナーはどこから生まれた?

 海外では、日本の電車では「迷惑をかけないこと」が最も重視されると紹介されるケースが多いです。たとえば、旅サイト『Pelago』の日本国内の電車マナーガイドでは、「会話は控えめに」「通話は避ける」「音漏れにも注意」といった留意点が紹介されています。

 こうしたマナーは、都市部に人口が集中する中、限られた空間で少しでも快適に過ごすための無言の合意として育まれてきたのでしょう。特にラッシュアワーは、乗客の大半が通勤客ということもあり、自然と静けさが保たれやすい環境でもあると考えられます。

 一方、海外では電車内で会話することが自然な文化の国も多く、日本との違いは外国人にとって印象的な体験になるようです。

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旅行中は気にならない。でも住むと……

 静かな電車内について海外SNSの投稿を見てみると、興味深い意見が多く共有されています。

 それは、「旅行者のときは快適だが、住んでみるとプレッシャーを感じる」という声です短期滞在中は、日本の静けさを心地よい秩序として捉えやすいものの、日常的に利用する立場になると、逆にその静けさを維持しなければ、という意識が高まっていくようです。

「イヤホンから音漏れしていないだろうか」
「咳がうるさく聞こえないか」
「荷物がつかえて迷惑に見えないか」

 こうした配慮が頭の片隅にある状態が、プレッシャーにつながることもあるようです。

画像:PIXTA

 SNSを見ると「日本の電車は、ほぼ満員なのに驚くほど静か」という驚きの声がある一方で、「静かすぎて、逆に気を遣ってしまう」という在住者のコメントも見られます。また、「日本に来たばかりの頃は快適だったが、慣れるにつれて、静寂への意識が強まった」という投稿も寄せられていました。

 これらは、海外の人々が感じる“日本の電車の静寂”に対するリアルな声なのでしょう。旅行者としての驚きと、住むことで生まれるプレッシャー。その両面を知ると、日本の電車文化の奥深さがより浮かび上がってくるのではないでしょうか。

 海外旅行者や在住者は、この空気に戸惑いを感じる一方、多くの人は時間とともに日本のマナーを理解し、自分なりの心地よい距離感を見つけているようです。

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