魔法びんの製造で知られる「サーモス」が、アパレル小物を展開するサブブランド「&ONDO(アンドオンド)」から初の春夏アイテムとして日傘などを3月に発売しました。魔法びんのパイオニアが投入する遮熱にこだわった日傘。なぜ日傘を開発したのかを聞きました。

サーモスの日傘
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サーモスのアパレル小物ブランドから「日傘」

 真空断熱技術を通じて「温かさ」「冷たさ」といった“温度の心地よさ”を提供する製品を手掛けてきたサーモス。2024年にアパレル小物ブランド「&ONDO」を立ち上げ、ルームソックス、ネックウォーマー、ハラマキなどの「あったかアイテム」の販売を開始しました。

&ONDO

 そして今回は、「温度を、味方に。」をコンセプトとして日傘などの春夏向け商品を発売しました。SNSでも「気になる」「使ってみたい」と関心が寄せられています。

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遮熱性能の「SG-C601F」、携帯性重視の「SG-C602F」

 サーモスが開発した日傘は高遮熱タイプの「COOL遮熱 日傘(SG-C601F)」(オープン価格、公式オンラインショップでは8800円)と、軽量タイプの「COOL遮熱 日傘(SG-C602F)」(オープン価格、公式オンラインショップでは5500円)の2種です。それぞれ遮熱に加え、遮光・UVカット・近赤外線カットといった暑さや日差しを遮る機能と、雨傘としても使える点が共通しています。

高遮熱タイプ
軽量タイプ

 高遮熱タイプの日傘(SG-C601F)は、独自開発の機能性ラミネートフィルムを重ねた2層構造の生地を使用し、ホワイト、ライトベージュ、ライトブルーの全カラーで遮熱率60%以上を実現しているといいます。

 軽量タイプの日傘(SG-C602F)は、全てのカラー(シルバー、メタリックグレー、ロゼゴールド)で遮熱率40%以上。高密度で軽い生地に、遮熱・遮光・UVカット・近赤外線カットに優れたパールコーティングやラミネートフィルムを重ねた2.5層構造を採用し、軽さ(約210グラム)と高い機能性を実現したとしています。

 いずれも「遮熱」に力を入れて開発された「COOL遮熱 日傘」。その背景やこだわりなどについてサーモスに聞きました。

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「暑さを遮って欲しい」サーモスの日傘ならではのニーズ

 魔法びんのパイオニアがなぜ日傘を作ったのか。その背景には、真空断熱技術を活用した製品で「温かさ、冷たさ」といった温度による心地よさを提供してきた同社が、飲食シーンだけではなく、生活の中でさらなる「心地よさ」を提供していくという「&ONDO」立ち上げの思いがあります。

 「&ONDO」ではこれまで“温度によるセルフケア”をコンセプトに、秋冬製品において「冷え」に着目したアイテムを展開してきました。今回初となる春夏向け製品の展開にあたっては、年々厳しさを増す暑さの中でも、より「心地よい温度」で過ごせる製品を展開したと説明しています。

 「中でも日傘は、サングラスや帽子のように体の一部を守るのではなく、太陽の熱や光を遮ることで身体全体に暑さを和らげる空間をつくります。温度に向き合ってきた当社だからこそ、日傘という新たなかたちで快適性を提案しました」(サーモス)

 特に「遮熱」に注力したのは、さまざまな調査の結果、サーモスから日傘が出るなら「暑さを遮ってほしい」というニーズがあることがわかったからだそうです。

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「どこで生産するか」からスタート、「全色 遮熱率60%以上」に向けて試行錯誤

 春夏アイテムの製作は「&ONDO」では初の試み。「大きな障害となったのは『どこで生産するか』という点です。傘を生産した経験はなかったので、OEM(外部メーカーへの製造委託)も視野に、さまざまなサプライヤー(仕入れ先)様とコンタクトを取り商談を行いました」とサーモス。「最終的には自分たちでどうにかして作ろうと決め、生産工場を探し始めました」

 開発に当たっては、色による性能差は出さず「どの色を選んでも遮熱率60%以上」という高い目標を掲げたと同社は語ります。実現のために数多くの生地を試作したものの、なかなか理想とする数値には到達しなかったといいます。それでも高い遮熱率を実現するため試行錯誤を重ねて「全色遮熱率60%以上」を達成。

 商品ページより

 「モニター調査を行ったところ、被験者のみなさまから多くの驚きの声をいただけ、商品化に向け非常に大きな自信となりました」(サーモス)

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「まるで魔法びん」を実現する独自開発の素材

 全色60%以上の遮熱率の鍵となったのは、こだわって独自開発された生地。高密度に織り上げた2重織り生地に、遮熱・遮光・UVカット・近赤外線カット性能を持つラミネートフィルムを貼り合わせた2層構造を採用しています。

 また、環境配慮型はっ水加工により雨傘として使えるほか、幅広面ファスナー仕様で収納時にまとめやすく、収納袋の紛失を防止するための収納袋と日傘本体をドッキングできるパーツがついているなど利便性も考慮されています。

 ちなみに「SG-C601F」について、サーモスは「まるで魔法びんのように、涼しさを保つ高遮熱日傘」とうたっています。魔法びん製造で知見が活用されているわけではありませんが、「『魔法びん=保冷=涼しい』と思っていただけるように、日差しを遮熱する独自開発生地にこだわりました」と、意気込みを込めた言葉のようです。

発売後の反響

 「COOL遮熱 日傘」が3月に発売されてからおよそ1カ月。サーモスは反響について「売れ行き・評判ともに上々の滑り出し」としており、本格的に日傘の需要が高まるシーズンへの期待の高まりを感じていると話しています。

 「高遮熱タイプの日傘(SG-C601F)には、来る猛暑における遮熱効果を期待するお声や独自開発生地に対するおほめのお声をいただいております。軽量モデル(SG-C602F)には、軽量性や携帯性、上品なカラー展開にご好評をいただいております」(サーモス)

 ECサイトのレビューでは、遮熱性などが評価を受ける一方、生地が厚手のためボリュームが出てしまっている、畳みやすさに不満があるという声も見られます。

「弊社の製品は遮熱性を最大限に高めることを最優先に設計いたしました。日光の熱や光、UVを効果的に遮るためには、一定の生地の厚みが必要不可欠となります。生地の厚さに対する不満のお声をいただく一方で、重厚感・高級感があるという評価も多くいただいております」(サーモス)

 遮熱性を実現するためには生地の厚さは不可欠ですが、一方で「軽量でコンパクトな製品へのニーズが増えていることも認識しております」と同社。多様なニーズに応えるために軽量モデルの「SG-C602F」も発売しています。今後は市場動向や購入者の声を参考に、機能性を取捨選択しながら最適なラインアップを構成していきたいとしています。

「引き続き遮熱性へ注力」

 これからの「COOL遮熱 日傘」については、「引き続き遮熱性へ注力した商品開発を継続しつつも、急速に伸張する日傘市場における多種多様なニーズを適切にくみ取り、カラーバリエーションやバージョンアップはもちろんのこと、独自の商品開発を行っていければと考えております」と展望を語りました。

 近年の猛暑で必需品となっている日傘。今後の「COOL遮熱 日傘」のさらなる進化が期待されます。