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4月22日、映画『ミステリー・アリーナ』完成披露試写会が都内で実施されました。同作はミステリー作家・深水黎一郎さんの同名小説を実写映画化した作品。原作小説は2016年に発表され、「本格ミステリ・ベスト10」第1位(2016年度)、「週刊文春ミステリーベスト10」第4位(週刊文春2015年12月10日号・国内部門)、「このミステリーがすごい!」第6位(2016年版国内編・宝島社)など、数々のランキングを席巻した人気作です。
そんな原作を今回、『TRICK』『SPEC』『イニシエーション・ラブ』などを手がけた堤幸彦監督が映画化。出演は唐沢寿明さん、芦田愛菜さん、三浦透子さん、トリンドル玲奈さん、奥野壮さん、野間口徹さん、玉山鉄二さん、浅野ゆう子さんなど、そうそうたる顔ぶれ。神康幸プロデューサーが「映像化不可能」とも評した原作は、いったいどのような映画に仕上がったのか……。試写会では上映に先立って出演者と監督・原作者によるトークショーが行われ、撮影の裏話などが披露されました。
| イベント | 映画『ミステリー・アリーナ』完成披露試写会 |
| 映画公開日 | 5月22日(金)全国公開 |
| 配給 | 松竹 |
「“正気か?”と思いました(笑)」 難航を極めた映像化
「犯人当てたら100億」「解けなきゃ、消えろ」――。天才司会者・樺山桃太郎(演:唐沢寿明)が演出する推理クイズ番組「ミステリー・アリーナ」では、樺山がしかける難攻不落の推理問題に正解者が現れず、賞金はキャリーオーバーを繰り返して100億円にまで膨れ上がっていた。その中で迎えた今回の問題は、嵐の中で孤立した洋館を舞台に巻き起こる殺人事件。推理力に自信を持つ、ひと癖もふた癖もある“クセもの”解答者6人が、それぞれの思惑を胸に樺山のしかける推理ショーへ挑む――。
映画『ミステリー・アリーナ』の映像化企画が始動したのは、2021年の夏。ところが、その製作は難航を極めたといいます。深水さんが「すべての文章に意味がある」「純度100%のミステリー小説」(小説のあとがきより)として書き上げた原作は、言葉で表現しているトリックがたくさんあるため、それを映像でどう表現するのか? 448ページもの文章量を誇る物語を、約2時間の尺にどう収めるのか? こうした映像化のために超えるべきハードルがたくさんありました。深水さん自身、最初に映像化の話を耳にした時は「“正気か?”と思いました(笑)」「途中でお蔵になるんじゃないかと心配もしていた」と感じたそうです。
そんな映像化企画の最初の打ち合わせで、深水さんは第一声、堤監督に「好きなようにやってください」と伝えたといいます。
「この作品は“多重解決”の話なんですね。要するに、答えがいくつもある。だったら、小説の『ミステリー・アリーナ』と映画の『ミステリー・アリーナ』で、違ってていいんじゃないか、むしろ同じじゃおかしいんじゃないか。そんな感じで、好きなようにやっていただければと思いました」(深水さん)
実際、映画では解答者が6人に絞られるなど(原作では14人)、原作と違う点が見られます。その結果できあがった作品を観た深水さんは、「文章でしか表現できないトリックを、見事に映画という形に落とし込んでいただき、本当に感謝しています」と、その仕上がりに驚いたそうです。
一方、“好きにやっていいですよ”といわれた堤監督は、「緊張しましたね。『さぁ、君はどこまでこの本を読んでいるのかな?』と、いわれているような感じで(笑)」と、少なからずプレッシャーを感じていた様子。製作にあたっては「マルチな解釈ができる、その“マルチ”の部分を使わさせていただいて、全力で最後までやり切ったという感じでございます」と、深水さんも語った多重解決の特性を生かし、作品を作り上げたと語りました。
「これ、アフロでいいんじゃない?」 唐沢さん発案で“アフロ”樺山が誕生
そんな映画『ミステリー・アリーナ』で、真っ先に目を引くのが、唐沢さん演じる樺山のビジュアルです。なんとも見事なアフロヘアー!
樺山は、原作では「最初は単に軽薄な司会者で、それがだんだん本性を現していく」(深水さん)キャラクターとして登場。一方、映画では最初からフルスロットルで飛ばしている毒舌・煽り満載のクレイジーな司会者とのこと。原作とはかなり違うキャラクターになっていますが、深水さんは「観させていただいて、これしかないなと思いました」「樺山桃太郎の役をできるのは、今となっては唐沢さんしかいないなと思っています」と、演じた唐沢さんを賞賛。唐沢さんは「別に僕以外でもできると思いますよ(苦笑)」と照れくさそうにしていました。
堤監督も「唐沢さんの最初の衣装あわせまで、だいぶ悩んでいました」と、樺山のキャラクター像に苦労していたエピソードを披露。それがクリアになったのは、唐沢さんの一言だったといいます。
「(最初の衣装合わせで)グレーのスーツを1回着たとき、唐沢さんが『これ、アフロでいいんじゃない?』って」(堤監督)
なんと樺山のアフロヘアーは唐沢さんの発案で、「それですべてが見えた」と堤監督。唐沢さんはアフロを提案した理由を「僕が原作を読んだイメージでは、ホントにひどい男なんで、トコトンひどくないと面白くなくなっちゃうんです。だからやるならトコトンやろうって」とコメント。そして「アフロが暑すぎて頭がちっちゃくなっちゃいました(笑)」と会場の笑いを誘っていました。
そんな唐沢さんは、役にどっぷり入りこんでいたからか、現場でも終始ハイテンションだったそうです。樺山と対峙するシーンが多かった一子を演じた芦田さんは、「家で考えていた以上にダークジョークたっぷりな樺山さんが現場にいらっしゃって、圧倒される毎日でした。同時に、待ち時間に役に没頭されている姿なども拝見して、自由な役に見えて、実は綿密な調整の上に成り立っている役だったんじゃないかな、というふうに感じました」と、唐沢さんを見つめながら恥ずかしそうにコメント。司会者から「そうなんですか?」と話を振られた唐沢さんは、言葉に困ったような笑顔を浮かべると、恥ずかしそうに「……なにが?(苦笑)」と精いっぱい絞り出していました。
堤監督の“昭和ギャグ”に苦労していた唐沢さん
そんな今作の撮影は、とても和やかな雰囲気で進んでいたようです。ミステリー作家人生を賭けて「ミステリー・アリーナ」に挑戦する作家・あのミスを演じた浅野さんは、「唐沢さんは本当に器用な、引き出しをたくさん持っていらっしゃる方」と評し、そして「この度はさらに進化した唐沢さんを見せていただきました」と力説。いったいどんなエピソードを飛び出すのか? 会場が見守る中、浅野さんが言葉を続けます。
「監督がちょいちょい『……えっ』っていう昭和のギャグを唐沢さんに投げるんですよ。それを芦田さんに『知ってる?』って聞いて。(芦田さんが)『ちょっとわからないです……』って、ギャグばっかりなんですよ。唐沢さんもかろうじて年齢的に分かるかな? くらいのギャグをポンポン投げるのを、(唐沢さんは)速攻キャッチして、ご自分のものにして、それをパーンとお出しになる。この器用さ、引き出しの多さっていうのを、今回あらためて近くで拝見させていただいて、私はひな壇に座っている観客のような気分でした」(浅野さん)
堤監督のギャグには唐沢さんも苦労していたようで、「たまにわからないこと言うんですよ。でもわからなくてもいいんで言ってくださいって」と苦笑い。そして「僕もこれ(映画)1回見てるんですけど、もう1回観直したいなって思うのが、使われてるのかどうなのか確認したいんですよね」と気にしており、会場も笑いに包まれていました。映画を観るときは、このあたりに注目しても面白いかもしれませんね。
「……もう一回いいですか?(苦笑)」 思わず“ネタバレ”してしまった唐沢さん
今回のトークショーでは、登壇したキャストそれぞれが思う作品の見どころや撮影のエピソードを披露してくれました。
芦田さん(役:一子):樺山さんと怜華さん(演:トリンドル玲奈)のダンスシーンがあるんですけど、脚本には書かれてなくて、現場に行って初めてそれがあることを知って。作品の世界に誘われるようなシーンでもあるので、楽しみにしていただければなと思います。
三浦さん(役:サンゴ):芦田さんの頭脳戦はもちろん、頭脳戦じゃない戦いっぷり。そこが注目してほしいところですね。カッコいいです!
トリンドルさん(役:モンテレオーネ怜華):ダンスがあるのを知らなくて、どうしようかと思って(笑)。これは監督と唐沢さんのもとに行って、どういう感じが聞かないと撮影に向かえないと思って、新幹線に乗って。そしたら唐沢さんに「余裕だよ」「なんで来たの?」っていわれて、初対面だったんで「うわっ、こわっ!」って思って(笑)。そうしたら、ダンスの練習の当日から(唐沢さんが)カンペキすぎて、ビックリしました。
奥野さん(役:仏滅):各々のキャラクターに解答権が回って、解答席で一人ずつお芝居するシーンがあるんですけど、長台詞だったり、あと僕この中でたぶん一番芸歴が浅くて、大先輩がたに囲まれながら一人で中央に立ってお芝居するのに、すごく緊張してました。噛んだりしたら「……すいません」って(苦笑)
野間口さん(役:エジソン):脚本を読んで「このくらいのキャラクターの温度感かな?」って思って現場に入ったら、全員想像した体温の3~4度くらい上の体温だったので、「合わせなきゃ……!」ってソワソワしました(笑)
玉山さん(役:レジェンド):今回のレジェンドが変わったぶっ飛んだ役なので、僕なりに解釈したんですけど、自己肯定感が強すぎて、ちょっとイラっとするタイプっているじゃないですか? そういうタイプでいこうと思って。そういう人って、登場の時とかどういうポーズを取るんだろうと思って、ファッション誌とかいろんな雑誌を三日三晩かけて見て、「このポーズだ!」と思ったポーズをやってるんで、ぜひ観てください! 必ず“イラっと”すると思います!
浅野さん(役:あのミス):どこもかしこも見どころが満載すぎるので、お好きな方に気持ちを投影してご覧になるもよし、全体の流れを楽しんでいただくのもよし。まず一番の注目は、唐沢さんのダンスですかね(笑)
堤監督:ちょっと面白いロケ地が出てきます。それは僕が子どもの頃、秘密基地を作ってた場所です。ぜひ注目してほしいですね。
そして最後にコメントを求められた唐沢さんは、「物語が始まると、『犯人は誰だろう?』って無意識に考えはじめてしまうと思います」。と話をスタート。ところが、そのあと一つネタバレをしてしまい、周りから「いま言っちゃダメですよ」「さっき内緒って言ったでしょ」「ダメなやつ」とツッコミが。思わず言葉を切った唐沢さんは、しばし黙ったあと、「……もう一回いいですか?」と苦笑い。会場が笑いに包まれる中、仕切り直しました。
「台本上はスタジオで解答者がしゃべって、次のシーンが入って、またスタジオに戻るって書かれてるんですけど、堤監督は間を飛ばしてワンカットで一人ひとりを撮ったんです。それで、トップバッターが決めると、次の俳優さんの目つきが変わるんですよ。『自分はそれ以上でやってやろう』って。それを僕はMC席からずっと見てて、『俳優って、やっぱり面白い職業だな』って思いました。作品を良くする、自分の役をもっと高みに行かせようとする熱量が上がってくるっていうんですかね。それを冷静にMC席から見られたことがすごくよかったと思うし、見てる方にも絶対に伝わると思うので、期待してください」(唐沢さん)
そして、トークショーの最後にメッセージを求められた堤監督と唐沢さん。堤監督は「フランス語のセリフが1カ所でてきます。先生(深水さん)にお考えいただいたセリフでございます。ご注目いただきたいと思います」と見どころを紹介。唐沢さんは「すごく面白くできあがっていますので、ぜひ楽しんでご覧になってください。僕の役に関しては、本当に皆さん大嫌いになると思います。ですが、そういう人間がいないと、周りの役者が輝かないということで(笑)。期待して観てください」とコメントを送りました。
映画『ミステリー・アリーナ』は、5月22日(金)から全国で公開されます。
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