フルリノベーションを終えて生まれ変わった築55年の日本家屋。工事を担当したベテラン大工が、その内外を紹介していくルームツアー動画がYouTubeに投稿されました。動画の再生数は記事執筆時点で41万回を超えており、5100件以上の高評価を獲得しています。

【ルームツアー】ついに完成。築55年の家を大工目線で全て解説します【大工の築55年リフォーム – 完結】
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自身が手掛けた物件を解説

 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「大工の正やん」(@CarpenterShoyan)の「正やん」さん。2級建築士と1級技能士の資格を持つ大工歴52年目のベテランであり、新築からリフォームまでさまざまな現場を紹介しています。以前は、殺風景な部屋を割烹料理店風のキッチンスタジオに大変身させる様子や、造り付けの仏壇を作っていく様子などが話題となりました。

 今回の舞台は、これまでフルリノベーションに取り組んできた築55年・70坪の日本家屋。無事に全ての工事が終わったこの物件を大工目線で解説していきます。

改装工事を手掛けた物件を大工さん自身が解説!
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玄関周辺は“洋”の雰囲気に

 まずは家の入口から紹介。改装前の玄関は4枚の大きなガラス戸で構成されており、外壁は上が白壁で下は鎧張りという造りでした。ガラス戸を全て外し、玄関用の扉は片引き戸へ変更。デザインが少し洋風となったことに合わせて、玄関周辺の外壁も“洋”の雰囲気がある白いサイディングに変えました。

 一方、それ以外の場所は長い杉板を縦向きにたくさん張り付けて外壁を覆いました。切り欠いた端部をつなぎ合わせる相じゃくり継ぎで張ったため、各板の境目はツルリとしています。時間経過に伴いどうしても落とせない汚れが付いてきたら、その都度最も色の濃い場所に合わせて壁全体を塗り替えていくと汚れが目立たなくなるそうです。

家の雰囲気に合うよう杉板をビッシリと張り付けた

 今回のリフォームで、縁側にあったガラス戸も全て撤去し、その代わりに小さい窓を設置。サッシやガラス戸を減らしつつ壁面には断熱材を仕込んだため、改装前よりもはるかに高い断熱性能を持つ外壁となりました。

いよいよ家の中へ

 片手で楽に開閉できる扉を開けて、いよいよ家の中へ。玄関内部の寸法やデザインは基本的に改装前と同じで、土間と床の間には小縁もあります。最大の違いは両サイドにシューズボックスを設けたこと。特に左手側の収納棚は天井に届くほど高く、たくさんの物を入れられます。

寸法などは前と一緒

 この玄関から入ると、改装前は正面にあるストリップ階段が丸見えでした。そこで目隠しとして壁を設けつつ、段を2つ追加。1段あたりの高さを抑えることで踏面を広くして、昇り降りしやすい階段に作り変えました。

 階段の前を通過した先にあった応接室は、寝室用の部屋とするべく全面的に改装。シンプルな内装になった分、空間的なゆとりが生まれたため、くつろぎやすい部屋となっています。

 4枚の襖で仕切られていた座敷二間は、襖を撤去した代わりに壁を設けて書斎と座敷の2部屋に分割。書斎にあった押し入れはメーカー製のクローゼットに変え、大きなガラス戸があった場所は窓付きの壁になりました。その壁に接しているのは長さ3メートルものデスク。非常に長いため、さまざまな物が置けそうです。

 この書斎で正やんさんが「ちょっと残念やったんやね」と思っているのは、かつて鴨居があった部分。真上に2階の部屋の荒壁がある関係上どうしても完全撤去というわけにはいかず、いささか不自然な出っ張りとして残ってしまいました。しかし、この出っ張りが残ったことを逆に利用。壁の上側に設けた収納棚を、良い感じに見えにくくする目隠しとしました。

出っ張りを目隠しに

 隣接する座敷の方は、壁を塗り替えて畳を更新。書斎との間に設けた壁を除くと、座敷そのものの造りは大きく変えませんでした。一方で縁側の方は大胆に手を加えており、木の大戸は全て撤去。代わりにサッシとガラス戸を設けました。長きにわたって縁側を支えてきたため建材の一部は微妙にゆがんでいますが、これもリフォームの味。壁材で覆い隠さず、造作の一部として残しました。

この向こう側に書斎がある
縁側は大きく変わった
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広さを感じる空間

 建材の色合いの重要性や、柱などの構造材が見える真壁と見えない大壁の違いなど、家を建てる上で大事なことを解説しながらキッチンがある部屋へ移動。ここは4つの部屋を統合して作った段差のない続き間であり、約19坪と同物件で最も広い空間です。

これは広い!

 広々とした空間をしっかり支えるため、ケヤキの太い柱があった位置に丈夫な新しい柱を導入。長い力木も天井に仕込みました。床に張ったナラは、湿気を吸うと膨らむ性質がある木材。スペーサーで隙間を設けながら丁寧に張り付けたことが功を奏し、現在は計算通り板材同士がピッタリとくっついています。

 テレビ台と神棚、ピアノの譜面立ても今回のフルリノベーションのために用意した造り付けのもの。部屋の一角には畳敷きのスペースを設けましたが、あえて敷居などは設けずキッチンとの境もルーバーにすることで「広さ」を感じやすい造りにしてあります。

ピアノが置けるスペース
部屋の一角は畳敷き

 家事室には収納棚やルンバ用の空間を隅に設けつつ、アイランドキッチンを設置。その横にはパントリーに使える半独立したスペースがあります。また、勝手口とキッチンの間には壁を設けたので、炊事場が外から丸見えとなってしまうことはもうありません。

 また、自身が工事した物件にプレゼントとして贈っているまな板も紹介。刃物が傷みにくいヒノキ材を使っており、少し反った形状をしているためへこんでいる側を下にすればガタつきません。これはうれしい!

ヒノキのまな板もプレゼント

 トイレも新しくなり、脱衣所はまるで銭湯のような雰囲気。全体的にはガラスの面積が大きく減り、1階と2階の天井にはグラスウールを施工したため断熱性能は抜群です。逆に今回のような大規模の解体でないと天井や壁に断熱材を仕込めないため「こういうときに入れんとダメってことね」と、正やんさんは注意を呼びかけています。

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「見事に変身しましたね」「まさに豪邸」と反響

 プロならではの目線で改装後の物件を解説していく様子には、「見事に変身しましたね」「まさに豪邸」「純和風が最新の和モダンに……すごい!」「全てが美しくて無駄がない」「木がふんだんに使ってあって、窓が小さくても明るく見えるのがステキだなぁ、と思います」「施主の方も、これだけすばらしい仕上がりになってさぞかし喜ばれていることでしょう」「素人目線でも本当に気持ちイイですね」などの感想が寄せられています。

 正やんさんは、大工に関する豆知識や仕事風景をYouTubeチャンネル「大工の正やん」、X(Twitter/@carpentershoyan)、Instagram(@carpentershoyan)で発信しています。また、初の著書『現場の流儀』(クロスメディア・パブリッシング)が販売中です。

その他の動画まとめ

画像提供:YouTubeチャンネル「大工の正やん」(@CarpenterShoyan)

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