ガレキが山のように賑わう――「ワンフェス2005[夏]」開催
8月21日、東京有明にあるビッグサイトにおいて「ワンダーフェスティバル2005[夏]」が開催。たった1日だけの世界一のガレキの祭典はどうだったのでしょうか?
「枯れ木も山の賑わい」=枯れた木でも山に趣を添えるくらいの役には立つもの――となるのだが、ガレキのフェスティバルではまったく意味合いが異なる。タイトルにもした「ガレキが山の賑わい」とは、ガレージキットの祭典「ワンフェス」において、ガレージキットが山のように積み並び賑わう様を言う。
「ワンダーフェスティバル2005[夏]」(以下、ワンフェス)は日本最大のガレージキットコンベンションで、ガレージキットばかりでなく食玩モノを含めたフィギュアや中古トイ売買の祭典として発展、毎年冬と夏の2回(一度お休みしたことあり)開催されている。海洋堂などのメーカーや玩具メーカーのほか、多くの個人制作者がガレージキットやフィギュアを出品、販売している。
今年の2月23日に開催された「ワンダーフェスティバル2005[冬]」では、過去最高のディーラー数と入場者数を記録しており、今年も約1400のディーラーの参加。入場者も、前日からの徹夜組が多く出現し、勢いは前回同様の盛り上がりを開幕前から見せていた。
前回から企業系ブースを別ブロックにすることで、混雑を緩和させる方針は今回も引き続き取られており、オフィシャルグッズなど前回売り上げが芳しくなかったのが嘘のように、飛ぶように売れていた。
どうしても大量生産ができないガレージキットの世界では、人気のある原型師ものは開幕すぐに売り切れてしまう。そのため、午前中には完売の札が次々と立てられていくことになる。ここ10年はアニメや漫画の造形モノのほか、映画やゲーム関連、オリジナル作品とその種類は多岐にわたっている。
こだわろうとすると時間のかかるガレキだからだろうか、現在人気のある作品はもちろんだが、過去のアニメや漫画の名作も息長く製作され販売されている。参加するディーラーや購入者の年齢幅も比較的幅が広く、中にはディーラーとして参加して数十年というツワモノまでいるくらいだ。
一方、常に人の流れが絶えない一般ディーラーブロックでは、午後になってゆっくり作品を吟味する人々が目立ちはじめる。こちらのブロックでも企業系がいくつかブース展開をしており、一般の参加者にまじってガレキやその製作機器などを売っている。
美少女系フィギュアはもちろんのこと、昔ながらのロボットや怪獣&怪人、ミリタリーなど、さまざまな趣向を極めた参加ディーラーと、それら貴重な限定品を求める人々でごったがえす会場の外では、いつもの風景ではあるがコスプレーヤーの方々が真夏日にも関わらず、様々な衣裳や着ぐるみで花を添えている。
今回の傾向としては、いわゆる着ぐるみ系が人気のようで、徒党を組んで出現。参加者に聞くと「たまたまじゃないですか?」とのことだが、本日も東京は夏真っ盛りでさぞ着ぐるみはきつかろう。コスプレーヤーは基本的に外に設けられているフリーゾーンで待機している。屋根などないため、頭から足の先まで着ぐるみで覆われている彼らは、暑さが大敵となるのだが、着ぐるみだけに無表情で愛想を振りまいてくれる。
もちろん、露出の高いアニメやゲームキャラに扮した女性や、がっつり世界に入り込んだ男性、おまけにガチャピンやムックなんて着ぐるみまで闊歩する(あと、レイザーラモンのハードゲイの方までいた……)
全般的には、やはり午前中の盛り上がりを除けば、昼を過ぎるとどこも時間をかけて見学することができた。どのガレキもそれぞれのこだわりを感じられ、さらにその造型師と会話でき、どんな人間なのか知ることもできる。ワンフェスは、同じくお台場でやっていたお台場冒険王よりも熱く、そしてたった1日の夏の祭典なだけにはかなく幕を閉じた。
ちなみに次回、「ワンダーフェスティバル2006[冬]」は、今回と同会場で2006年2月26日(日)に行われる予定だ。
なお、今年で20周年を迎えるワンフェスは、2006年3月18日〜19日に横浜プリンスホテルにおいて、完全定員制宿泊型の「ワンダーフェスティバル 20th バースデーパーティー」(WF20=ワンフェス・トゥエンティー)と称するガレージキット&ガレージキットカルチャーコンベンションを開催する。
通常のワンフェスとは完全な別イベントとしており、ガレージキット即売会ばかりではなく、「WF20基調講演」と題した講演会や、ゲストを迎えてのトークショウやミーティングを行う。現在発表されているゲスト陣は、漫画家の藤島康介氏や新谷かおる氏、和田慎二氏のほか、ワンフェスのオフィシャルイラストを描く水玉螢之丞氏をはじめとしたイラストレーターや原型師など、多数の著名人が出演する予定となっている。詳細はWF20公式サイトを参照のこと。
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