ガレキが山のように賑わう――「ワンフェス2005[夏]」開催

8月21日、東京有明にあるビッグサイトにおいて「ワンダーフェスティバル2005[夏]」が開催。たった1日だけの世界一のガレキの祭典はどうだったのでしょうか?

» 2005年08月22日 02時52分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 「枯れ木も山の賑わい」=枯れた木でも山に趣を添えるくらいの役には立つもの――となるのだが、ガレキのフェスティバルではまったく意味合いが異なる。タイトルにもした「ガレキが山の賑わい」とは、ガレージキットの祭典「ワンフェス」において、ガレージキットが山のように積み並び賑わう様を言う。

 「ワンダーフェスティバル2005[夏]」(以下、ワンフェス)は日本最大のガレージキットコンベンションで、ガレージキットばかりでなく食玩モノを含めたフィギュアや中古トイ売買の祭典として発展、毎年冬と夏の2回(一度お休みしたことあり)開催されている。海洋堂などのメーカーや玩具メーカーのほか、多くの個人制作者がガレージキットやフィギュアを出品、販売している。

 今年の2月23日に開催された「ワンダーフェスティバル2005[冬]」では、過去最高のディーラー数と入場者数を記録しており、今年も約1400のディーラーの参加。入場者も、前日からの徹夜組が多く出現し、勢いは前回同様の盛り上がりを開幕前から見せていた。

一般のディーラーブースが約1400。会場となったビッグサイトのホールを3つブチ抜きで壮観

 前回から企業系ブースを別ブロックにすることで、混雑を緩和させる方針は今回も引き続き取られており、オフィシャルグッズなど前回売り上げが芳しくなかったのが嘘のように、飛ぶように売れていた。

 どうしても大量生産ができないガレージキットの世界では、人気のある原型師ものは開幕すぐに売り切れてしまう。そのため、午前中には完売の札が次々と立てられていくことになる。ここ10年はアニメや漫画の造形モノのほか、映画やゲーム関連、オリジナル作品とその種類は多岐にわたっている。

 こだわろうとすると時間のかかるガレキだからだろうか、現在人気のある作品はもちろんだが、過去のアニメや漫画の名作も息長く製作され販売されている。参加するディーラーや購入者の年齢幅も比較的幅が広く、中にはディーラーとして参加して数十年というツワモノまでいるくらいだ。

企業系ブロックでは会場奥に陣取ったMax FactoryやGOODSMILE、ALTERの3社合同の展示&イベントスペースが目立っている。多くの人々がその造型をカメラや写メールを撮影していた
コナミブースは「スペクター」を中心に展開。コナミフィギュアコレクションの「メカ娘 Vol.2」などが人気のよう
コナミはほかにも「ランブルローズ」や「魔法先生ネギま!」なども展示
企業系ブロックで発見したアルケミストの「びんちょうタン」たち。コンセプトは夏祭り

 一方、常に人の流れが絶えない一般ディーラーブロックでは、午後になってゆっくり作品を吟味する人々が目立ちはじめる。こちらのブロックでも企業系がいくつかブース展開をしており、一般の参加者にまじってガレキやその製作機器などを売っている。

「ローレライ」や「亡国のイージス」などのガレキが売っていたブースで、原作者の福井晴敏氏がサイン会を開くというサプライズも

 美少女系フィギュアはもちろんのこと、昔ながらのロボットや怪獣&怪人、ミリタリーなど、さまざまな趣向を極めた参加ディーラーと、それら貴重な限定品を求める人々でごったがえす会場の外では、いつもの風景ではあるがコスプレーヤーの方々が真夏日にも関わらず、様々な衣裳や着ぐるみで花を添えている。

 今回の傾向としては、いわゆる着ぐるみ系が人気のようで、徒党を組んで出現。参加者に聞くと「たまたまじゃないですか?」とのことだが、本日も東京は夏真っ盛りでさぞ着ぐるみはきつかろう。コスプレーヤーは基本的に外に設けられているフリーゾーンで待機している。屋根などないため、頭から足の先まで着ぐるみで覆われている彼らは、暑さが大敵となるのだが、着ぐるみだけに無表情で愛想を振りまいてくれる。

 もちろん、露出の高いアニメやゲームキャラに扮した女性や、がっつり世界に入り込んだ男性、おまけにガチャピンやムックなんて着ぐるみまで闊歩する(あと、レイザーラモンのハードゲイの方までいた……)

炎天下にも関わらず笑顔な「サクラ大戦」巴里華劇団・花組のエリカ・フォンティーヌ

 全般的には、やはり午前中の盛り上がりを除けば、昼を過ぎるとどこも時間をかけて見学することができた。どのガレキもそれぞれのこだわりを感じられ、さらにその造型師と会話でき、どんな人間なのか知ることもできる。ワンフェスは、同じくお台場でやっていたお台場冒険王よりも熱く、そしてたった1日の夏の祭典なだけにはかなく幕を閉じた。

 ちなみに次回、「ワンダーフェスティバル2006[冬]」は、今回と同会場で2006年2月26日(日)に行われる予定だ。


 なお、今年で20周年を迎えるワンフェスは、2006年3月18日〜19日に横浜プリンスホテルにおいて、完全定員制宿泊型の「ワンダーフェスティバル 20th バースデーパーティー」(WF20=ワンフェス・トゥエンティー)と称するガレージキット&ガレージキットカルチャーコンベンションを開催する。

 通常のワンフェスとは完全な別イベントとしており、ガレージキット即売会ばかりではなく、「WF20基調講演」と題した講演会や、ゲストを迎えてのトークショウやミーティングを行う。現在発表されているゲスト陣は、漫画家の藤島康介氏や新谷かおる氏、和田慎二氏のほか、ワンフェスのオフィシャルイラストを描く水玉螢之丞氏をはじめとしたイラストレーターや原型師など、多数の著名人が出演する予定となっている。詳細はWF20公式サイトを参照のこと。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  2. /nl/articles/2411/16/news013.jpg 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
  3. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/17/news066.jpg 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
  5. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  6. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  7. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
  8. /nl/articles/2411/17/news038.jpg 58歳でトレーニングを始めたおばあちゃん→10年後…… まさかまさかの現在に「オーマイガー!!!」「これはAIですか?」【海外】
  9. /nl/articles/2411/17/news039.jpg 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  10. /nl/articles/2411/17/news004.jpg 「水曜どうでしょう」“伝説のシーン”そっくりな光景にネット騒然 「ダメだ笑っちゃう」「なまら怖い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた