ピポサルとともに「ちょさくけん」を考えた夏休みの1日
8月23日、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の主催で、「第13回 親と子の著作権教室 〜ゲームづくりから楽しく学ぼう!〜」が開催された。SCEの協力で「サルゲッチュ3」の開発者も登場し、ゲームづくりの課程や著作権について学んだ1日だった。
「第13回 親と子の著作権教室 〜ゲームづくりから楽しく学ぼう!〜」(以下、著作権教室)が開催されたのは、東京・青山にあるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)本社。参加したのは小学4〜6年生と保護者の計16組だ。
当日は、「サルゲッチュ3」の開発者が登場しての「ゲームができるまで」講座と「ちょさくけんってなんだろう!?」という、著作権に関するレクチャーが主なプログラムだ。
「ゲームができるまで」では、サルゲッチュ3のプロデューサーである、太田直仁さんが登場。ゲームの企画を立てるところから、仕様を決定してグラフィックデザインやプログラムを作っていく課程が紹介された。
次に行われたのは、3グループに分かれてのクリエイターとの懇談会。先ほどの太田さんのほか、デザイナーの米倉俊之さん、小桧山志乃さん、プログラマーの高橋啓治郎さん、土蔵利威さんが、各グループを順番に持ち回りで、子供たちとゲームについて語り合う。太田さんとは「どのようなゲームをしているの?」という話で盛り上がり、デザイナーの米倉さんや小桧山さんは実際にノートPC上でのピポサルのモデリングなどを子供たちに見せていた。
中でも盛り上がったのがやはり、プログラマーの高橋さん、土蔵さんとの懇談。土蔵さんもノートPCを持ち込み、リアルタイムでプログラムをエンコード。最初はピポサルの数を増やして見せていたのが、子供たちからは「逆さにしろ」とか「色を変えろ」といったリクエストも。当初この手の質問は想定されていなかったようだが、そこは“腕の見せ所”といった感じで、子供たちのリクエストに瞬時に応えていた。
そして最後には本題の「ちょさくけんってなんだろう!?」に。ACCS調査部のマネージャーである三橋信司さんが小学生に扮して、ピポサルの描いた絵を勝手に変えて自分のものとして夏休みの宿題を提出してしまう、というシーンを作って、子供たちへの解説を行った。
子供たちは、これは確かに悪いことだと言うことは分かっているようだが、どこがどう悪いのか、具体的に分からない様子。そこで今度は三橋さんが「著作権博士」となって再登場。「(C)」マークや氏名表示権、公表権、同一性保持権、複製権といったことが紹介されていた。
海外旅行などに行くと目にしてしまう海賊版は、なんとなしにおもしろがって購入しがちだが、「ゲームを作った人のことを考えてみよう」という三橋博士の問いかけにもあったように、親と子が一緒になって今後も考えていかなければならない問題に違いないだろう。
なお、著作権教室は来年の夏も開かれる予定だ。自由研究の題材としてでもよいので、夏休みの1日、著作権について親子で考えてみてはいかがだろうか。
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