任天堂代表取締役社長・岩田聡氏 基調講演では何が語られたのか東京ゲームショウ2005――「TGSフォーラム2005」基調講演(2/2 ページ)

» 2005年09月16日 23時59分 公開
[小林仁,ITmedia]
前のページへ 1|2       

「直感的に理解できる操作感覚」を実現したゲームリモコン 柔軟な拡張性を持たせることであらゆるゲーム体験を再現

 ゲームリモコンは、上部に配された“ダイレクトポインティングデバイス”と呼ばれるセンサーにより直接的に画面の方向を指し示すことができるほか、画面との距離、ひねりなども検出できるデバイスとなっている。岩田氏は「ゲーム初心者の皆さんには直感的でわかりやすい、そしてゲーム熟練者の皆さんには新鮮で驚きが感じられる操作方法を実現したいと思っている。またビデオでは新しいプレイスタイルに向いたジャンルばかりお見せしたが、拡張コネクタを使うことでさまざまな拡張ができる」と話を続け、ゲームリモコンと同様に本体に同梱される「フリースタイルコントローラ」もあわせて公開された。 なお、Revolutionの特長のひとつ“バーチャルコンソールのゲーム(過去の任天堂ゲーム)”を遊ぶ時は、この拡張コネクタに従来のゲーム機を遊ぶための「クラシックコントローラ対応アダプタ」が用意されるとのことだ。

コントローラの形状は人差し指がかかるところにくぼみが設けられており持ちやすい印象。主操作となるコントローラ部分には十字ボタンの大きめのAボタン、Bボタンが配置され、中央には左からSTART、HOME、SELECTボタン、下にはb、cと刻印された2つのボタンと1〜4プレイヤーに対応したインジケーターが確認できる
拡張コネクタに接続する「フリースタイルコントローラ」には、アナログスティックとZ1、Z2ボタンが配置されている。つなげるとヌンチャクのような構えとなり、両手の位置関係が自由なコントローラとして使うことができる
フリースタイルコントローラを使ったゲームスタイルの一例。ゲームリモコン側を懐中電灯に見立てることで暗闇を照らしながら探索したり(「ルイージマンション」?)、FPSでは武器に見立てることもできる。説明するなかで岩田氏は「このフリースタイルコントローラで我々は新しいFPSのスタンダードを確立させたいと思っているし、「マリオ64」が3Dゲームの基本操作を定義したように、このコントローラで「ゼルダ」のようなゲームの操作がどう変わるか、またどんなアクションゲームが提案されるのか、私自身楽しみにしている」と期待を寄せた

 また会場では、任天堂社外からのクリエイターからとして、スクウェア・エニックスの河津秋敏氏、コナミの小島秀夫氏、あーマープロジェクトの堀井雄二氏からのビデオメッセージも上映された。

スクウェア・エニックス 河津秋敏氏「まず、片手で持てるというのは大胆なアイデアだと思った。予想していた以上に手首の動きやねじったときなどの身体感覚、ちょっとした動きが画面に反応する。作り手である我々のほうが、何を作っていくのか試されている感覚。そういう印象のほうが強いのかなと思っています」
コナミ 小島秀夫氏「やられたという感じ。まったく想像していなかった。非常になじみのあるもので新しかったという点で驚いた。コントローラを両手で固定してTVに向かって遊ぶということがファミコンから20年間変わらなかったけど、これが一気に変わる。リモコンというのは日常化しているものだし、驚きはあったけど手に持ってみて馴染むんですよね。これや!という感じを受けました」
アーマープロジェクト 堀井祐二氏「最初はびっくりした。確かにありそうだけど、なかったなという感じだよね。子どもがTVのリモコンをなんとなく触ってみて覚えていく、という感覚で触れると思う。任天堂さんはDSから始まって、最近さわるというゲームが多いけど、その発展形がレボリューションのコントローラなのかなと思った」

ゲーム開発者にも新たなチャンスが生まれる「Revolution」

 最後に、岩田氏は恒例ながらゲーム開発者に対し熱いエールを贈った。「新しい提案によって作られるゲームには、別の意味もあると思っている。次世代機は開発が大規模化し、要求される開発予算がどんどん大きくなっており、自分たちの規模では開発できないと疎外感を感じている開発者の方々は世界中にいるだろう。しかし、我々の新しいインタフェースであれば規模が小さい開発チームの方々にもアイデア勝負で画期的な商品を開発するチャンスはある。われわれ娯楽商品の作り手は、常に良い仕事、人を驚かせるたすための新しい試み、イノベーションが必要だ。我々の提案が人を驚かせることができなければ、人々はゲームに飽きる。ファミコンから20年経ち、ゲーム業界は技術革新によってユーザーに新しく魅力的な驚きを与え続けることができた。そしていま、任天堂はゲーム人口拡大の取り組みを通し、今後は今までとは異なる新しいインタフェース、大きなイノベーションが必要だと確信している。もちろんアイデアだけに頼るのではなく、初心者から熟練者まで満足してもらえるようなダイナミックレンジの広いゲームの提案も必要だ。世界に広がったゲーム産業を発展させるべく、今後も皆さんと力を合わせていきたいと思う」――ゲーム業界全体の発展を考える任天堂の真摯なビジョン、またゲームを愛する開発者としての立場を忘れない岩田氏の姿勢に対して会場からは多くの拍手が贈られ、基調講演は終了となった。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」