アートとエンターテインメントが交差する最先端を知る――「第9回 文化庁メディア芸術祭賞贈呈式」(1/2 ページ)
CG-ARTS協会と文化庁は、「第9回 文化庁メディア芸術祭」が2月24日〜3月5日の日程で東京都写真美術館で開催するのに先駆けて、受賞作品に対し「第9回 文化庁メディア芸術祭賞贈呈式」を行った。
CG-ARTS協会と文化庁は、世界44カ国と地域から1797作品の応募のあった中から、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガと約180作品を選考し展示する「第9回 文化庁メディア芸術祭」を2月24日から3月5日までの期間中、東京都写真美術館において開催する。本日、開催に先立ち展示される作品の中から、文化庁メディア芸術祭実行委員会によって組織された各部門の審査員によって、特に優秀と認めた作品に対して賞を贈る贈呈式が行われた。
「文化庁メディア芸術祭」は新しい表現方法を開拓し、創造性溢れる作品を製作したアーティストを検証し、その創作活動を幅広く紹介するのが目的で毎年開催されている。文化庁メディア芸術祭賞はプロ、アマ、実製作、商業目的での製作を問わずに対象にし、高い芸術性と創造性を基準に“アート部門”“エンターテインメント部門”“アニメーション部門”“マンガ部門の4部門で優れた作品を紹介している。
今年度は応募のあった過去最多となる1797作品の中から各部門とも大賞1作品、優秀賞4作品、斬新な企画や新しい試みを認めた奨励賞1作品が選出された。また、メディア芸術界に多大な貢献のあった方へ功労賞も贈られている。すでに作品は昨年の12月に発表されており、ご存知の方も多いと思うが、改めて下に記載する。受賞作品は24点、推薦作品158点が決定。受賞者は24歳から80歳まで、特に若手作家の台頭が目立つ内容となっている。
アート部門
デジタル技術を用いて作られた静止画、映像、インスタレーション、インタラクティブアート、ウェブなどを対象にした部門。大賞の栄冠に輝いたAlvaro CASSINELLI氏は、スクリーンに触れたり圧したりすると、それに応じて画像が大きく揺らぎ変容する「Khronos Projector」を製作し評価された。
大賞 | 「Khronos Projector」 | Alvaro CASSINELLI |
優秀賞 | 「Six String Sonics, The」 | 久野ギル |
「Spyglass」 | 村上史明 | |
「Gate vision」 | 小林和彦 | |
「アニマ」 | 発智和宏 | |
奨励賞 | 「Conspiration」 | 橋本悠希/小島稔/三谷知晴/宮島悟/永谷直久/山本暁夫/大瀧順一朗/稲見昌彦 |
エンターテインメント部門
デジタル技術を用いて作られたゲーム、遊具、ウェブ、キャラクター、VFXを用いたエンターテインメント作品を対象にしている。大賞に選ばれた「Flipbook!」は作品と呼べるのかと審査員の中でも物議を呼んだが、結局メディアの未来を予感させるものとして受賞となった。優秀賞に「ニンテンドッグス」が入賞しているが、ゲーム全般をみると今後もっと新鮮な感動を期待したいとエンターテインメント部門主査の中島信也氏が総評で述べたように、今後の独自性を求められているようだった。
なお、エンターテインメント部門では、審査委員会推薦作品として、コナミのPS2用ソフト「METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE」や任天堂のGC用ソフト「大玉」、同じくDS用ソフトの「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」&「やわらかあたま塾」、スクウェア・エニックスのPS2用ソフト「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」、スパイクのPS2用ソフト「喧嘩番長」、SCEのPS2用ソフト「ぼくらのかぞく」、「ワンダと巨像」、アイレムソフトウェアエンジニアリングのPS2用ソフト「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット」、そして任天堂のゲーム機「ゲームボーイミクロ」が紹介・展示されている。
大賞 | 「Flipbook!」 | Juan Carlos Ospina GONZALEZ |
優秀賞 | 「ニンテンドッグス」 | nintendogs 開発チーム代表 水木潔 |
「HIFANA “WAMONO”」 | +CRUZ (W+K東京LAB) | |
「三井不動産 芝浦アイランド3LDK イメージ映像」 | 井口 弘一/尹 剛志 | |
「ボーダフォンデザインファイル」 | 佐野 勝彦(HAKUHODO i-studio)/梅津岳城 | |
奨励賞 | 「Incompatible BLOCK」 | 藤木淳 |
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