ニュース
» 2006年04月04日 19時15分 公開

燃えろ30代――「哀 戦士Z×R」

来日したローリング・ストーンズのコンサートにおけるオープニングアクトとして、リッチー・コッツエン氏が登場した。先日、「機動戦士ガンダム」シリーズのカバーアルバム「哀 戦士Z×R」を発表した彼のコンサート模様をお伝えしよう。

[Alexander服部,ITmedia]

 4月2日。

 小雨が混じった横殴りの風にあおられながら巨大なイベント会場、「さいたまスーパーアリーナ」にやってきた。本日は世界中で知らない人はいないほどの超有名ロックバンド、ローリング・ストーンズのコンサートだ。ロックと呼ばれる音楽の黎明期より存在するビッグバンドと我々ゲームファンをつなぐ線は皆無に思われるがそうでもない。

 昨年末によく見かけたXbox 360のCMで使われている軽快にして、どこか聞き覚えのある曲は何を隠そう彼らの楽曲「Jumping Jack Frash」だ。それ以外にも、Windows 95のCMをはじめ、さまざまな場所で曲が使われているので、ロック愛好家や音楽に一過言ある人間ではなくても何かしらのつながりがあることになる。

画像

 しかし、今回の取材の本命は彼らではない。彼らのオープニングアクトをつとめるリッチー・コッツェン氏が目当てなのだ。彼は元Mr.Bigのギタリストとしてロック小僧の間で有名なのだが、先日大きな話題を日本中に振りまいている。それは彼の新しいアルバムが日本先行で発売されたからだ。そのタイトルは「哀 戦士Z×R

画像 コッツエン氏のライナーノート

 このタイトルを聞いてすぐに曲や映像が浮かんだ人は間違いなく30歳以上の年齢ではないだろうか。今は亡き井上大輔氏が歌ったことで有名な曲で、機動戦士ガンダムの劇場映画2作目「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」のタイトルでもある。

 30過ぎてガンダムもないだろうと、若い世代に追い打ちをかけられている我々の世代かもしれないが、30過ぎても愛してしまうほどのパワーが、コッツェン氏ほどのアーティストを突き動かしたと言っても過言ではない。発売されたアルバムのライナーノーツでも語っているが、世界的なギタリストの彼は、その立場を完全に忘れてしまっているかの如くガンダムという作品を愛している。このアルバムには彼の愛情と、音楽家としての本気が詰まっている。

閑話休題

あいにくの天候だったものの、ローリングストーンズのパワーというものは強烈だ。国籍や人種すら混在している入り口周辺。そして、何よりも50代が多いと思われがちな年齢層の想定を完全に裏切っていた。なんとその裾野は10代後半にまでいたる。結構な数の若者がチケットを握りしめていた。ロックの伝説を目撃したいという意味合いもあるのかもしれないが、ここまでファン層が広いことはさすがの一言しかない。


画像

 そんな中、ステージにコッツェン氏が登場。なんと横に並び立っているのは超絶ベーシストのビリー・シーン氏ではないか。彼ほど有名なベーシストはほとんどいない。そして、その強烈すぎるまでの速弾きは現在のロックシーンにおいて強い影響を持っている。

 その二人がステージに姿を現し、観客が固唾をのんで見守っていると演奏が始まる。その一曲目はなんと「哀戦士」!!

 この豪華すぎるオープニングアクトの記念すべき最初の一曲は世界中のガンダムファンの心を猛烈に揺さぶるであろう、哀戦士から始まったのだ。

画像

 年齢層の広すぎる観客の中にも我々の同士はもちろんいただろうが、どちらかというと少ない。ローリングストーンズの最盛期を知る人々は40代以上であり、ロック小僧達は20代前半。これらの観客の反応はどうなのか気になるところ。

 しかしながら、そんな心配は杞憂に終わる。コッツェンの哀戦士はすでにガンダムの楽曲ではない域に達している。原曲を知るものは誰もが“哀戦士”と認識するかもしれないが、この曲は完全に「本物のロックサウンド」で演奏され、魂が込められているのだ。ロック愛好家が多い会場での反応が悪いわけがない。ほとんどの観客は知らない曲だが、その勢いに飲まれ、身を乗り出し耳を傾けていた。

 その後、彼らの曲が3曲ほど進み、コッツェン氏がガンダムのアルバムを出し、そのガンダムが生まれた日本で演奏することを感謝すると、盛大な拍手が生まれた。その拍手を受けてオープニングアクト最後の曲が流れる。そのタイトルは「Z・刻をこえて」だ。

画像

 印象的な楽曲がそろっている機動戦士Zガンダムの中でも随一の人気を誇るナンバーを、コッツェン氏がカバーしているのだ。ご存じの方ならわかるかもしれないが、原曲からしてアップテンポ。コッツェンと彼のギターが歌い出したときの観客の反応は熱狂に変わっていったことは、足を運んでいない方々にも想像つくのではないだろうか。個人的にはアルバム「哀 戦士」の中から「機動戦士ガンダム0083」シリーズの楽曲から唯一のカバーとなっている「The Winner」を演奏してもらいたかった。ギターソロが格好良い最高のアレンジなのだが、それは次回以降の楽しみにしておきたい。

 何よりも喜ばしいのはガンダムの楽曲がどうと言うことではなく、完全にロックンロールという形の違うものに、我々の愛する世界観が融合・変化していることだ。その証明は本日の観客の反応が物語っている。ガンダムに興味が無かろうとロックに興味があればこのアルバムは間違いなく楽しめる。大げさな言い方かもしれないが、ガンダムという単語と世界はすでに我々が独占できるようなものではなく、さまざまなところに分派し変化している。どうせ30歳を過ぎても赤い彗星を追いかけてしまうのであれば、すべて体感したいと思わないか?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2201/24/news081.jpg 「めっちゃ痩せててびっくり」「尊敬しかない」 ガンバレルーヤ、1カ月半で“22キロ減”の別人ショットに反響
  2. /nl/articles/2201/25/news024.jpg 「抱っこされる時のおててが可愛すぎる」 猫ちゃんが両前足をおなかの上でそろえる姿にもだえる人続出
  3. /nl/articles/2201/25/news097.jpg 「かつみ・さゆり」さゆり、美肌極まる“ナチュラルメイク”姿に反響 「本当に奇跡の50代」「めっちゃ綺麗!!」
  4. /nl/articles/2201/25/news036.jpg 【漫画】妻から夫へ「私が100回言っても聞かないのに他人が言うと一発」 夫婦の会話の攻防に「いいね100万回押したい」
  5. /nl/articles/2201/25/news093.jpg 工藤静香、愛犬バブルが腕の中で天国へ 病魔と闘い抜いた家族との別れに「辛過ぎますが愛している証」
  6. /nl/articles/2112/21/news078.jpg 和田アキ子、“美人で有名”なめいっ子と偶然再会 芸能人並の顔立ちにファン沸く「きれい」「かわいい」
  7. /nl/articles/2201/25/news110.jpg トンガに物資を運ぶ自衛隊員の“ステキなアイデア”にジーンとくる…… 「お疲れ様です」「泣けてきました」と称賛の声
  8. /nl/articles/2201/25/news177.jpg 犬の散歩中に野生のコヨーテに遭遇! 米俳優、とっさの行為が「愛犬家の鑑」「スーパーヒーロー」と称賛
  9. /nl/articles/2201/24/news035.jpg 「みんなのパピー時代見せて」 愛犬のかわいい写真を投稿→ぶっこまれたオチが「この破壊力w」と爆笑を巻きおこす
  10. /nl/articles/2201/25/news145.jpg 競泳・池江璃花子、ヘアカットでばっさりショートに 抗がん剤治療後のくるくるヘアにも「可愛い」の声

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」