戦う乙女は美しい?──メカ+美少女の王道を貫く戦術シミュレーション:「ガジェット トライアル」レビュー(2/2 ページ)
見た目を裏切る本格的な戦闘パート
戦闘システムにはアクティブターン制度を導入。これは各ユニットが「ATポイント」を持っており、これが0になると行動選択の順番が回ってくるというもの。ユニットによって0になる速度はそれぞれ異なるし、攻撃を受けるとポイントは逆に増加してしまうため、どんどん順番が後回しになり不利な状況に追い込まれる。なお、各ユニットの行動順はマップ下部に表示されるので、ある程度先を読んだ攻撃・回避行動は可能だ。
実際に攻撃を開始してみると分かるが、このゲーム、先制攻撃がとにかく圧倒的に有利となるシステムだ。ユニット同士の間には“三すくみ”のルールは適用されているので、歩兵が戦車ユニットを一撃で葬るといった無茶なバランスはないものの、同じ性能のユニット同士なら、先制攻撃したもの勝ち。仮に一撃で沈められなくてもHPを削っておけば、相手のターンになる前に、戦車相手に輸送ヘリや歩兵で勝つことすら可能である。
互角の実力である戦車同士の戦い。先に攻撃を食らうと、反撃時の攻撃力は100%MAXにはならない。ちゃんとダメージ計算された数値しか出ないため、先制攻撃が圧倒的有利というわけだ。この当たりは戦略シミュレーションに慣れたプレイヤーなら、説明不要の常識かもしれないが
「偵察車」対「歩兵」の場合、一撃で瀕死に追い込むのは結構難しい。特に画面上部のDEF値に注目。マップ上のエリアにはそれぞれ防御力が設定されており、被ダメージに影響する。攻撃をしかける際は常に立ち位置を考えることも必要なのだ工場や空港を歩兵で押さえれば、新ユニットを生産して新たに戦場に送り込むことも可能。特に飛行ユニットはHPとは別にEG(エネルギー)ポイントがあり、適度に空港へ戻って回復しなければ墜落してしまうので、歩兵による建築物占拠はどのマップでも最重要課題となる。占拠前に歩兵が倒されればすぐに次の歩兵を輸送車に乗っけて送り込むなど、拠点を巡る戦いは結構熱いのだ。なお、勝利条件はマップ上の全拠点を占拠してしまうか、敵の工場が新たなユニットを生み出すまえに、全滅させてしまうことの2点となっている。
生産で大事なのは、ただ行動範囲が広い、単に攻撃力が強いユニットを安易に生み出すのではなく、今この局面で一番必要とされているユニットを的確に作り出すこと。これを失敗するとタイプ・ブラックにじわじわと追い詰められてしまう戦闘終了後には各ユニットごとに獲得経験値が計算され、その結果で得たポイントにより新たなアイテムを「スーツショップ」購入できるようになる。スーツには防御力アップ、待ち時間減少といったメリットと、生産コストアップ、反撃率ダウンなどのデメリットがセットでついている。ご利用は計画的に。
あくまで体感ではあるが、敵のAIはフルオート戦闘で勝てるほどお間抜けではない、ほどほどの賢さと言えよう。ストラテジーゲームのコアなファンから見れば少々ぬるめに感じるかもしれないが、初心者やあまり気負わずにプレイしたい人にしてみれば、一瞬の油断、一度の操作ミスが作戦の全面的な失敗を招く……ということもなく、ほどよく楽しめるバランスに仕上がっている。逆に美少女ゲームだからと思ってあなどると、手痛い目にあうことは間違いない。
プレイ中に1点気になったのは、小さなアイコンで示されるユニットは大変判別しづらく、特に頻繁にマップ上を移動させる偵察車を、戦車と間違えて敵に突入させてしまうことが、操作になれた後半でもしばしば起きてしまった。不注意といえばそれまでなのだが、2頭身キャラのユニットたちが見づらいのは事実。この辺はもう少し改善してほしいところだ。
声優陣によるフルボイス、不思議少女からツンデレまで揃えたタイプ別キャラクター、軍服や制服、果てはチャイナドレスまで用意した着せ替え要素、何よりメカと美少女たちという、定番にして最強の組み合わせを備えた本作だが、その中身は予想以上に本格的な戦略シミュレーションゲームに仕上がっている。ぬるめの美少女ゲームとなめてかかってはいけない、戦う乙女はやっぱり強いのだ!
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