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ROBOT倉澤氏が「鬼武者」秘話を披露!CG映像祭
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2004年10月30日 |
本日(10月30日),六本木のアカデミーホールにて「第3回 東京国際CG映像祭」が開催された。
「東京国際CG映像祭」は,日本におけるCG映像の祭典を目指して行われているもの。国内で活躍するCG制作者,CGプロデューサーの生の声が聴けるイベントとして人気を呼んでいる。
1日目となる本日行われた講演は,「メイキングオブ『鬼武者3』CGシネマティクスとその系譜」「メイキングオブ『ファイナルファンタジーVII アドベンドチルドレン』」。どちらも立ち見が出るほどの人が集まった。
■CGプロデューサーに求められるものとは?ROBOT 倉澤氏
「メイキングオブ『鬼武者3』CGシネマティクスとその系譜」では,「鬼武者」シリーズのCGを一貫してプロデュースしてきたROBOTの倉澤氏が登壇。「鬼武者」「鬼武者2」「鬼武者3」各CG映像の制作の流れやスタッフの構成について,また各ムービーで苦労した点などが語られた。
「鬼武者2のムービー作るとき,(松田優作さんの)資料が特に少なくて大変だった。人馬一体のモーションキャプチャを撮ろうと決めたときも,上手くいくという根拠はなにもなかった」と話す倉澤氏。中でも特に苦労したのは,シリーズ最後の「鬼武者3」。講演でも多くの時間が割かれた。
歴代シリーズの最後を飾る,ということでスタッフも最初とは比べものにならないほど膨れあがった「3」CG制作には,“挑戦”がかなり盛り込まれた。その顕著な例は,ワールドクラスのエンターテインメントに挑戦するため,ドニー・イェン氏,山崎監督など,映画のスタッフ・撮影の方法を取り入れたこと,ミニチュアを制作したことの2点だ。
まず倉澤氏は,ドニー氏の映画撮影現場を直接取材するなどして撮影方法の相違点を調査。倉澤氏はその結果を踏まえ,現場にカメラを入れることによって“映画監督”が仕事をしやすくするなどの工夫をしたという。
さらに「3」のCG制作では,初めて「ライブアクション・ビデオコンテ」を作成。これは撮影したビデオを使って絵コンテをムービー化したもので,これによって「CG制作者がイメージを掴みやすくなった」と倉澤氏は振り返る。会場ではその映像も披露され,ファンからの関心を呼んでいた。
撮影と並行して進めていたミニチュアは,テレビの5〜6倍となる高解像度撮影と引きも可能な2Dカメラワークを備えるHDテレシネで撮影し,背景の質感を再現するのに使用した。だがこの時点で,CGのみで制作していた部分との質の違いが問題となった。ミニチュア撮影で実現した“質感”とが,CGとあまりに異なってしまったと言う。
納期が迫る中,倉澤氏が編み出した解決方法は「富士山で撮影すること」。荒涼とした場所の俯瞰を取るために富士山を空撮,さらに後半部分の左馬介とガルガントとの対決シーンに使う“地面”のために「閉山直前の富士山に登って,地面を撮影した。あれは危なかった……(笑)」と裏話を披露してくれたぞ。
倉澤氏は,「CG制作者に求められているもの」について「目的と手段の明確化すること,映像制作に関する一般的な知識を得ること,コミュニケーションを十分に取る能力があることが大事」と話す。「自分ができることとできないことはチャレンジしてみないと分かりまない。皆さんぜひがんばってください」とメッセージを送り,講演を締めた。
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