ロックマンシリーズは、主人公とプレイヤーの成長の物語――ロックマンスペシャルステージ:東京ゲームショウ2008 カプコンブース
大盛況なカプコンブースの特設ステージで、ロックマンスペシャルステージが行われた。登壇したのは「ロックマン9」エグゼクティブプロデューサーの稲船敬二氏、流星のロックマンシリーズプロデューサーであるホリケンこと堀之内健氏、そしてロックマン本人! 2人のクリエイターからロックマンにまつわる熱く面白い話を聞くことができた。
カプコンブースでは10月10日14時よりロックマンスペシャルステージが始まった。このイベントは大きく分けて2部構成になっていた。まずは「ロックマン9」の話が聞けた前編をお伝えしよう。
稲船氏の口から飛び出した、ビックリ企画
最初に壇上に上がったのは、ファンにはおなじみ、「ロックマン9」エグゼクティブプロデューサーの稲船敬二氏だ。
稲船氏は、20年以上ロックマンというタイトルをつけてきて、それが継続していて、それにファンがついてきてくれている、と切り出した。そんなファンのみんなに向けてWiiウェアで「ロックマン9」の配信が始まったこと、また、配信後、好調に販売していることを報告し、ファミコンというコンセプトの中で、理解をされないかもしれないという不安があったが、ファンの皆様が理解してくれた、と喜びを伝えた。
開発にはすごく苦労があった、と語る稲船氏。「作る側にもファミコン(のようなグラフィック)を作るのが初めてのスタッフがいた。色数制限がないにも関わらず、色数制限しろとか、キャラ数制限しろと言うもんだから、訳の分からないこと言ってるなと思われてたかも。いざ色数を制限してみたら、僕から『もっと色増やしたら』と言われて『色使ったらいかんのんちゃうんのん!』という感じでした(笑)」と、おもしろエピソードを語ってくれた。
ネット販売にはパッケージのソフトとは違う楽しみがある、と稲船氏は話す。「販売だけじゃなくネットを活用したい。ネットの特性を生かしたことをやりたい。ロックマンが注目された背景には、ニコニコ動画でロックマンの曲を使ったものがヒットしたり、『エアーマンが倒せない』という歌ができたというのもある。そういったファンの活動に対してどう取り組んでいったらいいのか。ユーザーの気持ちを大切にするのが大事だろうと考えた。もっともっとニコニコさんにロックマンの面白さを伝えてほしい。もっともっとロックマン関連の動画を出してもらっていい。というわけで、画像、音声、動画のサンプルをどうぞ持ってっちゃってください、ということになりました」というビックリ発言が飛び出した。
これは「オフィシャル素材配信企画」と題して10月10日午後3時から公式サイトで開始しているようだ。
稲船氏は続ける。「カプコンは広い心を持っているぞ、と。それでみんなに楽しんでもらってロックマンの楽しさをアピールしていただけたらうれしいし、お互いメリットがあるんじゃないかと思うんです。ゲームを楽しむということもエンタテインメントだけど、動画を楽しむということ、ゲーム以外のところでロックマンを楽しんでもらうのもエンタテインメントだと思う。どんな形でもロックマンを使っていただければ僕らはハッピーなんです。ぜひぜひ公式の素材を楽しんでほしい」と、配信企画の主旨を伝えた。
流星のロックマン1を作るつもりで取り組んだ「流星のロックマン3」
「ロックマン9」にまつわる前編が終わり、稲船氏が壇上に残ったまま、流星のロックマンシリーズプロデューサーであるホリケンこと堀之内健氏と、ロックマン本人が登壇した。
ここで稲船氏から堀之内氏にバトンタッチ。最後に稲船氏は「ロックマンシリーズは、小学生から大人まで、幅広い層に受け入れられています。もっともっとおもしろいロックマンを提供していけたら、と思ってますので、これからももっともっとロックマンを応援してくれたらうれしい。流星のロックマン最新作はいい作品に仕上がってます。堀之内の話をぜひ聞いていって、楽しんでください」とコメントし、ステージを降りた。
そして、「流星のロックマン3」のプロモーションムービーが流れる。
司会者から堀之内氏への質問。「今回の3は今までの1、2とイメージや世界観が様々な点で違うようですが、いかがですか」と尋ねられ、堀之内氏は、旧作よりもプロモーションムービーがスタイリッシュでかっこいいものになっていることにふれた。
「流星のロックマン1のつもりで作っているんです。流星のロックマンのよさって何だろうって考えて、ストーリーやバトルももちろんそうなんですが、一番表現したかったのは、メインターゲットである男の子の心のド真ん中にビシッとくるかっこよさだろう、と。それは、リアリティに裏打ちされたサイバーな近未来的かっこよさなんです。男の子がかっこいいと思うところはそういうところなんですよ。1や2では、宇宙人というテーマやなんでもありな感じで、ファンタジーになっていたところがある。そこを一から見つめ直して世界観を再構築しました。科学技術とリアリティを考えたデザイン、世界観をひとつひとつ見直しました」と、堀之内氏は語る。
最後に堀之内氏からのメッセージ。「流星に限らずロックマンシリーズについては、開発スタッフはひとつひとつ思いがある。ロックマンシリーズは、主人公とプレイヤーの成長の物語だと思ってます。1本1本やる中で、みんなの思い出の中でどう成長していくのか……毎年毎年ロックマンをプレイしていってほしいです」と締めくくった。
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