災害のオンパレードとWii操作のオンパレードで描かれる、極めてハリウッド的なアクション巨編:「ディザスター デイ オブ クライシス」レビュー(3/3 ページ)
災害の中をくぐり抜けつつ、特殊部隊を追い詰めていく、超絶サバイバルアクション。これでもか、というほどに、アクション映画のツボをおさえた演出が盛り込まれ、どんなにピンチでもなかなか死なない男・レイの活躍を見届け……いや、やりとげることができる!
己と武器を強化する楽しみ 称号を集める楽しみ
さまざまなアクションによるアクションアドベンチャー部分も楽しいが、本作で最も熱いのは特殊部隊STORMの隊員たちと戦う、戦闘パートだと言っていいだろう。
戦闘パートはフィールド内を移動中に突然始まり、「タイムクライシス」のような強制移動型のガンシューティングをプレイすることができる。障害物を撃って敵を爆発に巻き込むクレバーショットや、敵の頭を狙い撃つヘッドショットなどもあり、なかなか本格的だ。
レイは元海兵隊員というのもあって、銃火器の扱いはお手の物だ。最初は弾数無制限のハンドガンしか持っていないが、物語が進行するとショットガンやアサルトライフルなどを手に入れることができる。さらに物語が進行すると、ステージ前のインターミッション画面で、武器の購入や強化、身体強化をすることが可能になる。この購入と育成の要素も非常にゲーム的で面白い。
武器を購入・強化するためのBPや身体強化に必要なSPはプレイによって手に入れることができる。BPやSPをためて少しずつ武器や身体を強化していくと、その恩恵を確かに感じられる。BPやSPをためるために既にクリアしたステージをやり直す、というプレイが可能なので、欲しい武器を手に入れるまで同じステージを繰り返すのもありだ。
また、これらのステータスは、2周目プレイに引き継ぐことができるので、1周目で手に入れられなかった武器を2周目で手に入れたり、強力な武器で最初から敵を圧倒したり、さらには、2周目以降だからこそ遊べる最高難易度のモードに挑戦するなど、やり込み要素はかなり充実している。
やり込みといえば、各ステージで条件を満たすことでさまざまな称号を得られるのも、コレクター心をくすぐる要素だ。称号は全部で100あり、それぞれ獲得条件が決められている。例えば、1ステージのオブジェクト破壊数が○個以上だと“凶暴な人”だとか、1ステージで○回以上隠れると“チキン野郎”、カーアクションの平均時速が○km/hだと“安全運転”などなど。狙って出そうとする必要はないが、条件が発動して手に入れてみると、他の称号も気になってしまう。全称号をコンプリートするためにやり込んでみるのも面白いかと思う。
“アクション”が好きなら、こいつは要チェックですよ
人並みはずれた身体能力で大災害を切り抜けつつ、国家の敵を追い詰めていく……。そんなアクション映画の主人公になりきって、感情移入たっぷりに物語を楽しむ。そのためにWiiリモコンとヌンチャクが徹底的に活用され、一大巨編をゲームとしてもドラマとしても堪能できる。筆者が持つ本作の印象は、そんな感じだ。
1日の間にいろんなことが起きる、テロリスト的な活動をしている集団が大統領を脅迫する(架空の大統領もちゃんと登場する)、主人公がどんな苦境に陥っても、とにかく死なない(ゲームオーバーになってもリトライするっていう意味での“死なない”だけど…)、というあたりから、個人的にも大好きな海外ドラマ「24」を想起したりもした。おそらく、そのあたりの影響もあるであろうが、とにかくアクション大作映画、パニック映画への愛とオマージュ、そしてWiiのゲームとしていろんな操作を取り入れてのいいとこ取り&ごった煮感、そういった過剰なサービス精神が、本作からはギラギラと感じられてならない。
これは、アクションゲーム好きでアクション映画好きな御仁には、かなりたまらないタイトルだと思う。クリアまでの時間は、長大なRPGなどとくらべるまでもなく、短い部類に入ると思うが、それでも10数時間、レイとともに駆け巡ったデイオブクライシスは、なかなか忘れられない体験になった。2周目もやっているのだが、色々とお楽しみ要素がありつつ、ハードなモードに苦戦しつつ、楽しんでいるところだ。「ディザスター デイ オブ クライシス」は、“アクション”という言葉にピンと来るすべてのWiiユーザーにオススメしたい、骨太でてんこ盛りなゲームなのである。
「ディザスター デイ オブ クライシス」 | |
対応機種 | Wii |
ジャンル | サバイバルアクション |
発売日 | 2008年9月25日 |
価格(税込) | 6800円 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.