こだわりすぎ 「大人の超合金 新幹線0系」を見て来た

激動の昭和史を駆け抜けた夢の超特急が、「大人の超合金」シリーズで再現された。実物の新幹線0系を目の前にしたことで、そのこだわりは加速している。

» 2011年08月08日 16時15分 公開
[ITmedia]
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史上もっとも精巧に作られた新幹線0系モデル

 新幹線0系電車――1964年の東海道新幹線開業時から2008年までの44年間、その丸みを帯びた先頭形状と、青と白で塗り分けた外観で人々に愛された初代新幹線車両の名称である。東京〜大阪間を最高時速210キロ、3時間10分で結び(開通当初は4時間)、高度経済成長期の幕開けにふさわしい高速鉄道の誕生は、世の中に大きなインパクトと感動を与えた。

手に持つとその大きさが分かる

 バンダイの「大人の超合金」シリーズに、「大人の超合金 新幹線0系」が加わる。発売は2012年2月24日、価格は7万8750円。おもちゃショーで参考出展されていたが商品化することになり、8月19日から21日の期間、東京ビッグサイトで開催される「国際鉄道模型コンベンション」で一般にお披露目される。それに先駆けて行われた発表会会場に、“夢の超特急”の雄姿を見に行った。

 「大人の超合金」シリーズは、35年以上の歴史を持つ「超合金」の技術を結集し、実在する造形物をリアルに再現した、こだわりの大人向けホビーアイテムのブランドだ。初めて月に到達した宇宙船「アポロ11号&サターンV型ロケット」(2010年3月発売・1/144スケール)や「スペースシャトル エンデバー号」(2010年12月発売・1/144スケール)、そして「小惑星探査機はやぶさ」(2011年6月・1/24スケール)が商品化されている。

 日本の高度経済成長期を支え、“夢の超特急”として今もなお多くの人々の心に刻まれている「新幹線0系」がそれに続く第4弾となった。徹底した実車取材により、細部まで完全再現し、1/45スケールの精巧なモデルで商品化された。

「大人の超合金 新幹線0系」
発売日:2012年2月24日
価格:7万8750円
本体サイズ:全長約559ミリ×全幅約75ミリ×全高約88ミリ
電池:単4電池×2本(別売り)
材質:ダイキャスト、ABS、PVC、SUS、紙ほか
セット内容:車両1両(21形式1号)、ディスプレイスタンド(レールタイプ)、ミニフィギュア20体、特別冊子
うっかり後部標識灯が点いた状態での出発式式典のシーンになってしまいました……(すみません)


 「大人の超合金」シリーズは、なにも宇宙に関するものを再現するシリーズではないと、バンダイ コレクターズ事業部の土田一郎氏。“世に感動を与えたものを再現する”ことがシリーズのコンセプトであり、新幹線は当時の人々へ与えたインパクトの大きさから第3弾として企画されていた。昨年の「はやぶさ」帰還に関する偉業と商品化への声に後押しされて発売が入れ違いになったそうだ。

 ただ、細部へのこだわりは実物が現存していたことで、ぐっと増していると土田氏。今までの「アポロ11号&サターンV型ロケット」「スペースシャトル エンデバー号」「小惑星探査機はやぶさ」がどれも現存していなかったり機密扱いであったりと、実物を目の前にできなかったのに対し、東海道新幹線と山陽新幹線で運用されていた新幹線0系は実際に取材ができる形で展示されていたのが大きかった。

 今回のモデルになった新幹線0系 21型式1号車両は、開業時に東京〜大阪間を走った車両。東海道新幹線区間での運転が終了すると、2000年代に入り大半が廃車となり、続いて山陽新幹線区間での終了、そして2008年12月14日の新大阪〜博多間の「0系さよなら運転」を最後に、全車が廃車され車種として廃止された。当時のまま大阪交通科学博物館に保存されていると聞き、開発陣が実際に取材し、外観のディテールや車両内の設備や運転室、そして普段見ることができない床下機器も忠実に再現することができた。

運転室の運転台から、後方デッキの洗面所やトイレ、冷水器まで再現。車体側面は金属を使用しているので重量感がある。車体各所に記載された文字や表記も再現

雪害、耐寒対策の前頭スカートがかっこいい。車両後方の貫通扉は開閉可能

エアコンの通風口や無線アンテナも再現。すべてのドアが開閉する。客室内のカバー付き蛍光灯を点灯すると雰囲気もアップする

実物を見て再現された床下機器。DT200形台車や主抵抗器、ブレーキ制御装置も見受けられる。最後尾にはトイレからの汚水を貯蓄する汚物処理装置も

 商品は屋根の取り外しが可能で、車両内の様子も楽しめる仕様となっている。定員75名の転換式座席は方向転換可能で、スイッチひとつで標識灯や客室内のカバー付き蛍光灯の点灯もできる。付属のフィギュア20体でさまざまなシーンも再現できる。特筆ものは運転室で、マスターコントローラーをはじめ各種のメーターから表示灯まで完全に再現されている。開業日上り1番列車の運転士に商品を見せたところ、ボタンひとつに及ぶまで完全に再現されていると太鼓判を得た。

定員75名の転換式座席は全席方向転換が可能。前方右側の椅子が標識灯切り替えのスイッチになっている芸の細かさ。ちなみに完全再現とはいかず、椅子横のテーブルの稼働と灰皿の開閉は断念したとか。いや、再現しようとしただけすごい

標識灯は前灯と後部標識灯の切り替えが可能

付属するフィギュア。左から家族連れ、カップル、サラリーマン、学生

左から社内販売員、運転手、ホームのサラリーマンとOL、そして出発式式典セット

装着可能

 ディスプレイスタンドは、ミラーを多用し、飾った状態でも車体の反対側や床下機器を眺めることができる。もちろん取り外しも簡単だ。初回生産分限定特典には、車両頭部にある光前頭の交換パーツ4種が付属する。

 なお、バンダイは商品を全国の鉄道・交通にまつわる科学館や博物館30館への寄贈を検討している。日本の鉄道史に大きな転換となった“機械遺産”として未来へ伝える助けになればとの考えだ。


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