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第16回:ゲームは見た目がすべて!? ひと目でプレイヤーを虜にするデモ画面の工夫なぜ、人はゲームにハマルのか?(1/6 ページ)

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の16回目は、演出面に注目。いわゆるコーヒーブレーク、最近見なくなりました?

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 人はなぜゲームにハマルるのかを、プレイ動画や画面写真を見ながら楽しくかつまじめに考える当コラム。今回は、これまでとはちょっと視点を変えてプレイヤーが誰も遊んでいない状態のときの演出、いわゆるデモ画面をテーマにしてお送りしたいと思います。

 デモ画面あるいはトレーラー映像は、ユーザーが今まで見たことのないゲームの内容を知るためには欠かすことができない存在です。例えばゲームセンターでは、我々ユーザーはまずデモ画面をざっと見てから「遊び方も何となく分かったし、これは面白そうだ!」などと関心あるいは確信を持ってから初めてプレイしよう(お金を払おう)とアクションを起こすことにつながります。

 と、ここでひとつの疑問がわいてきます。今までまったく遊んだことのないゲームに対して、なぜ私たちは店員や周りにいる人にも相談せずにデモ画面を見ただけで興味がわき、ついつい財布のヒモを緩めてしまったのでしょうか? そのカラクリを調べてみると、やはりそこには面白いヒミツが隠されているのです。

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」バックナンバー


アーケードゲームはデモ画面の出来栄えが命!

 冒頭でも触れましたが、アーケードゲームはお客さんに筐体や画面をひと目見ただけで、「絵がとてもカッコイイ!」「面白そう!」などと興味を引くことができるかどうかが生命線と言っても過言ではありません。もし仮に、誰もプレイしていないときは画面内にタイトルロゴだけが表示されるゲームがあったとしたらどうでしょうか? 答えは言わずもがな、その画面を見たお客さんに対していったいどんなゲーム内容なのかがまるで伝わらず、すぐにお金を払って遊ぼうという気にはならないですよね。

 家庭用ゲームにおいても、お店の棚に並んだパッケージやポスターを見ただけではその内容がなかなかピンとこないもの。そこで、店頭に売り物とは別にデモ用の実機やトレーラー映像を流すモニターを設置することによって、ユーザーはゲームの特徴を明確に理解できるようになります。つまり、ゲームの本編とは別にわざわざデモ画面を用意するのは、新規のユーザーに対してその内容を宣伝する役目があるからというのが大きな理由のひとつなのです。

 では、ここからは実際に過去のヒット作がどんなデモ画面を用意してユーザーに自らの存在をアピールしていたのかを見ていくことにしましょう。

 まずは過去の当コラムでも何度も取り上げている、1978年にタイトーが発売して空前の大ヒットとなったシューティングゲームの「スペースインベーダー」から。本作では敵のインベーダー各種の紹介および倒したときの得点リストと、実際のステージで戦っているところの2種類のデモを交互に流すことで、画面を見た人に対してゲームの遊び方を教えてくれるようになっています。

画像画像 「スペースインベーダー」は実際のプレイ中の様子とは別に得点リストも表示するようになっていました
※プレイステーション2版「タイトーメモリーズ上巻」を使用
(C)TAITO CORP. 1979-2005

 このような仕組みは、インベ―ダーブームとほぼ同時期に登場した他のメーカーの作品でも見ることができます。

 以下の動画は、1979年にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)が発売した当時のヒット作「ギャラクシアン」のデモ画面ですが、本作でもやはり敵の種類ごとに得点リストが表示されることが分かります。ただ目の前にいる敵を撃つだけでなく、その種類によって得点が変わるという本作ならではの個性をアピールしているというわけですね。

※プレイステーション版「ナムコミュージアムVOL.3」を使用
(C)1996 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 さらに「ギャラクシアン」のデモ画面をよく見ると、一番上に表示される黄色い敵(ギャルボスといいます)の「CHARGER」(※)と書かれた側の得点が、点滅するごとに4種類の数字がローテーションで出てくるようになっていることに気がつきます。なぜ同じ敵なのに複数のスコアが存在するかというと、倒したときのシチュエーションによって加算される得点が変化するから。しかしこの表示だけでは、初めて見た人にとってはいったいどんな法則で得点が変わるのかが正直ピンときません。

※「CHARGER」:敵が画面上の集団を離れ、降下して攻撃中の状態を指します。なお、「CONVOY」は敵が待機中の得点です。

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