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ニコ動とジブリは「サブカル界の正反対」 ドワンゴ川上会長、2足のわらじで見つめる未来(1/3 ページ)

ドワンゴ川上会長は昨年末からスタジオジブリのプロデューサー見習いをしている。ドワンゴに出社するのは週1回。ジブリ流をドワンゴに持ち込み、ニコ動の未来を模索する。

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 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、KDDIとタイアップした、映画「コクリコ坂から」のプロモーションキャンペーン発表会の壇上で、うれしそうに話していた。「(タイアップで)川上さんが大活躍してくれています。僕は幸福だな」と。

 “川上さん”とはドワンゴの川上量生会長のことだ。昨年末からジブリのプロデューサー見習いとして、ジブリで修行に励んでいる。ドワンゴに出社するのは週に1回だけ。だが「ドワンゴの仕事は増えてるんですよ」と川上会長は言う。

 「最近、テンションが高くて、やる気がありすぎる」――川上会長のTwitterのつぶやきからも、何だか楽しそうな雰囲気が伝わってくる。ドワンゴで、そしてジブリで一体何が起こっているのだろう。ニコニコ動画の今後とは。川上会長に聞いてみた。

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「言霊」を愛するドワンゴ

――ドワンゴに週1回しか出社していないというのは本当ですか。

 本当です。もともと(ドワンゴで)仕事してなくて暇だったので、ジブリに行く余裕があったということです。週1回でいけるかなーと思っていたら、何とかなりました。いかに仕事してなかったかっていうのが分かりました。

 でもドワンゴの仕事は増えているんです。会議も増えていて週2回くらいやってます。(社内では)皆が僕のことを避けるなかつかまえて、時々思いついたことを言うんです。

――なるほど……! ところで川上会長は今のニコ動をどんな風に見ていますか。


「基本あまのじゃくなのでユーザーがやって欲しいと思うことを一切やってあげたくないんですよ(笑)それは普通の社員が考えればいいこと」

 ニコ動は最近段々と一般化してきたと皆が思っていますが、実はニコ動で“普通の人”の割合が1番多かったのは、YouTubeに寄生してたβ版のころです。IDは必要なく、著作権を侵害した動画もいっぱいありました。ID制を導入し、著作権を侵害した動画を削除したことによって、ニコ動ユーザーはコアになっていったんです。今は普通に戻りつつある――というのが実情です。

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 コアな人たちは存在感がありますが、(コアな人たちの影に)隠れている人もいる訳なんです。それも決して少数派じゃない。だけど何となく「ニコ動ユーザー」って言い出しにくい――という人が、ニコ動をもっと身近に感じられるようにしたいですね。ニコ動に興味を持ってくれた人全員に居場所を提供することが大事だと思うんです。

 ニコニコ大会議は、ニコ動のコアなユーザーであるにも関わらず少数派として“迫害”されてきた人たちに、もっと表に出られる場所を――ということで作った企画です。7月にオープンするライブハウス「ニコファーレ」もその線上にあります。

――ニコファーレは、東京・原宿のニコニコ本社に続く2カ所目の拠点となるわけですが、なぜ六本木にライブハウスを?

 六本木にベルファーレがあったからですね(笑)「ベルファーレ ニコファーレ」って言うとすごく面白いなと思って。完全に出オチですよね。ドワンゴは言霊から入るんです。まぁ言霊を信じてるっていうと聞こえは良いですが、要はダジャレから入ってるんです。このダジャレを言うためにサービスを考えよう、この名前を堂々と言うためにどんなサービスが出来るだろう――って。

 (拠点を作ることで)色んなクラスタのユーザーを交流させて1つにつなげたいという思いもあります。ニコ動の象徴的な場所を、ニコ動と遠いと思われている原宿や六本木に作るのはアリだと思うんです。どんどんクロスさせていきたい。逆にリア充っぽいものを秋葉原に持ってくるのも面白いかもしれないですね。来年開催予定の「ニコニコ超会議」も色んなクラスタのユーザーを応援するための取り組みです。

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――様々なクラスタのユーザーをクロスさせると何が生まれるでしょうか。

 そこに争いが生まれるでしょうね。争ってほしくはないですが、ある程度は起こるでしょう。その後に何が生まれるか見てみたいです。

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