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将棋とネットを結んだ人――米長永世棋聖、死去 公式サイトに「人生の投了」つづる

公式サイトには「最後の時」と題し、遺言のような言葉を残していた。

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今年1月、電王戦で敗れた直後の会見で撮影

 日本将棋連盟会長の米長邦雄さんが12月18日、前立腺がんのため亡くなった。69歳だった。

 「さわやか流」「泥沼流」などの棋風で知られ、1985年に十段・棋聖・棋王・王将の史上3人目となる四冠を達成し、93年には史上最年長で名人位を獲得した。2003年に引退し、05年から将棋連盟会長として活躍。今年の1月には、コンピュータ将棋との歴史的対局「将棋電王戦」を行うなど、挑戦的な姿勢を崩さなかった。ドワンゴによるとニコニコ生放送でタイトル戦のライブ配信が実現したのも米長会長の力添えが大きく、“将棋とネット”の結びつきを強くした人でもあった。

 自身のサイトTwitterアカウントも積極的に更新してきた。公式サイトのコンテンツの1つ「まじめな私」では、11月25日と12月2日に「最後の時」と題した文章を掲載。「人生は必ずいつか終わるもの。どのような形で投了するのか、あるいは投了させられるのか。最近はそんなことを考えるのが多いのも又事実です」と遺言のような言葉を記している。そこでも「死後の記者会見が出来ないものかどうか」など米長節は健在だ。

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 訃報に際して、ネット上では「早すぎる」「楽しいツイートがもう見られないのか」「ネットと将棋の結びつきを強くしてくれた」など、惜しむ声が多数上がっている。ニコニコ動画で公開されている第2回電王戦のプロモーションビデオには米長会長へのコメントが多数投稿され“追悼動画”といった趣きとなっている。

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 将棋連盟のサイトでは、生涯のライバル・中原誠十六世名人、専務理事・谷川浩司九段、羽生善治三冠のコメントを掲載している。

  • 中原誠十六世名人談

容体が良くないとは聞いていましたが、こんなに早く亡くなるとは驚きました。米長さんとはライバルといわれ、随分タイトル戦で戦いました。その頃のことを思い出しながら、哀悼の意を表したいと思います。

  • 谷川浩司九段・日本将棋連盟専務理事談

米長永世棋聖には、名人戦、棋聖戦のタイトル戦をはじめ、公式戦で六十局以上教わりました。中終盤での戦い方は大いに勉強になり、名著『米長の将棋』シリーズは十代の私のバイブルでした。役員としても一年半、御一緒させていただきましたが、その行動力と発想の柔軟さにはいつも感心させられました。もっといろいろなことを教わりたかった、と残念でなりません。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。また、米長会長の体調を御心配いただいた皆様に、心から御礼を申し上げます。

  • 羽生善治三冠談

相手にとって重要で自分にとって無関係な一局こそ全力を尽くすという米長哲学は、将棋界の要であり、礎でもあります。いつも周囲を明るくし、対局、連盟の運営に打ち込まれていました。その鬼気迫る姿からたくさんのことを教えていただきました。謹んで御冥福をお祈りいたします。


Twitterアカウント。軽妙なつぶやきが人気だった

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