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艦これ艦娘“艦歴的”プロフィール「比叡」編“練習”戦艦から“実験”戦艦へ

え、なに、 なんか思いっきり容姿が変わってしまったって? さすが、近代技術。なんとなく、あの“大和型”に似ているかも! そうでないかも!

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たったひとりでいってしまったのね

 戦艦「比叡」は、金剛型2番艦にして1914年8月4日横須賀海軍工廠の生まれ。1914年とは大正3年のこと。進水は大正元年の11月21日で即位したばかりの大正天皇が臨席している。そして、建造開始は1911年、なんと明治44年までさかのぼる。竣工して第一艦隊第三戦隊に編入した直後に比叡は第一次世界大戦の作戦行動として出撃している。超ベテランの“老嬢”だ。

11月20日のアップデートで二段階目の改造が可能になった比叡。左がアップデート前、右がアップデート後の比叡・改二。「別人!?」とか言われてるけど、それにはちゃんと理由があった?

 第一次改装が始まったのは1929年。しかし、途中で“とある事情”から廃棄処分となったところを、練習戦艦として生きながらえることになった。第4砲塔を降ろして装甲板も外し、速度が18ノットしか出なくなった比叡。 しかし、「お召艦」となる工事も行い、観艦式や遠方行幸では昭和天皇が座乗して比叡のマストトップにひるがえる天皇旗に全艦隊が敬礼した。

 練習戦艦比叡は、1937年の第二次改装によってほかの金剛姉妹と同じ高速戦艦に生まれ変わった。日本の戦艦は最古参の金剛から最も新しかった長門、陸奥にいたるまで、近代化改装を行っているが、比叡はそのなかで最後に行っているため、ほかの戦艦とは変わった役割も果たしている。それが、当時設計を進めていた「大和型」で導入する新技術の「実験」だ。そういう意味で、比叡は大和型の「実験戦艦」でもあったといえる。

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 その実験の中で、最も重要な課題の1つが「新形式艦橋の実用検証」だった。新しい艦橋を開発する場合、その有効性や利便性は実際に使わないと分からないことが多かった。例えば巨大な艦橋を採用した高雄型では、実際に建造している船体に実物大の模型を組み立てて、実用性の検証をしているが、大和型は戦艦1隻を実験用として使ってしまったことになる。

 そのため、比叡の艦橋デザインと内部レイアウトは、後の大和型とほぼ同じとなり、比叡の主砲射撃装置と射撃盤(遠く離れた目標に向けて主砲の向きと仰角を計算する巨大な歯車式計算機)では、大和型で採用する予定の九八式方位盤照準装置と九八式射撃盤を搭載したほか、ほかの戦艦では別ユニットになっていた方位盤照準装置と測距儀では一緒に重ねるレイアウトを採用した。その実績は良好で、その機能と性能は大和型に次ぐものと連合艦隊司令部でも評価するほどだった。

 太平洋戦争中は、真珠湾攻撃から、ラバウル、ジャワ南方、インド洋、そして、ソロモンと、ミッドウェーを除くほとんどの作戦で正規空母を主力とする機動部隊と行動を共にする。比叡が空母を守った海戦ではすべて負けていない(ミッドウェー作戦は水上打撃部隊として参加)。そういう意味で、比叡は正規空母部隊における“勝利の女神”だったのかもしれない(俺提督以外にそういう妄言を言うものはいないが)。

 ソロモン海域で第二次ソロモン海戦、南太平洋海戦という2度にわたる激しい空母戦が終わった後、守るべき空母部隊は搭載機を消耗して後退し、比叡も水上打撃部隊として行動する。11月にはガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を砲撃すべく夜間に突入し、待ち構えていた米艦隊と夜間の乱戦となる。これが、第三次ソロモン海戦第1次戦闘だ。比叡は、飛行場を攻撃する直前に米艦隊を発見したため、基地攻撃に効果の高い“三式弾”をすでに準備していたが、そのまま“サーチライトを点灯して”全艦隊に目標を示しつつ戦闘を開始する。敵防空巡洋艦に有効な砲撃を行ったが、わずか2回撃っただけで、比叡のサーチライトを目標にした敵の集中砲火を浴びて艦橋を中心とする指揮系統に大損害を受けて戦闘能力を失ってしまう。

第三次ソロモン海戦第1次戦闘の戦況をボードウォーゲーム「アイアンボトムサウンド」で再現する。比叡は2351の砲撃開始から(写真=左)わずか10分で戦闘能力を失った(写真=中央)。主砲と機関室は健在だったのに、わずか1発の貫通弾(しかも不発)で舵が使えなくなって行動不能になった比叡は逃げることができないまま翌日の航空攻撃で沈没する(写真=右)

 主砲や機関室は無事だったが、運悪く船尾を貫通した不発弾が舵を動かす機械の入った部屋に浸水を起こして比叡は行動不能に陥る。そして、夜が明けると砲撃で破壊するはずだったヘンダーソン基地から襲ってくる航空機の攻撃によって、11月15日の夕方、見守る日本の軍艦もいない鉄底海峡に、ただひとりで沈んでいった。その最後を日本軍のだれも目撃しておらず、沈んだ時間は記録に残っていない。

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