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カヤック、正社員・契約社員199人全員が人事部に配属 「人事部専属社員は違う役割を見出さないと仕事がなくなる」

カヤック人事部専属の柴田史郎氏に話を聞いた。

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 Webサービスの制作などを行う「カヤック」は2014年7月7日、人事異動通知書をWebサイトにて公開。正社員・契約社員199人全員が人事部に配属したことを発表した。

 これまでカヤックでは、人事部の仕事を100%やっている「人事部専属社員」が4人、面接など人事部の仕事を20%ほど兼任している「人事部兼任社員」が10人だった。しかし、今回の発表では社員全員が人事部兼任となり、名刺にも「企画部/人事部」と全社員に人事部の肩書きが入るようになる。

 これまでありそうでなかった「社員全員を人事部に所属させてしまう」というやり方。これにはどういった意図があるのだろうか。デメリットはないのだろうか? カヤック人事部専属の柴田史郎氏に話を聞いた。

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なぜ「全社員が人事部に所属」なのか

 カヤックにはもともと「兼任の文化」が根付いており、人事部専属社員であってもディレクターを兼任していたり元クリエイターが人事を担当していたりと、明確に分断されていない文化があった。今回の「全社員が人事部に所属」という制度も、言ってしまえばその文化の延長線上のものだ。

 しかし、今回の「ぜんいん人事部化計画」では、今まで人事部内でだけ共有されていた人員計画などの情報も全社員に公開されるようになった。社員の重大なミッションは、「社員が面白く働ける仕組みを考えること」。採用活動にももちろんかかわることになるが、それよりも「全社員で面白く働ける環境を作る」というところに重点が置かれている。

 「全社員が人事部に所属するメリットは、現場の社員が人事施策を考えることで、机上の空論ではない実現可能性が高い施策が出てくること。そして、人事部の仕事を通じて、会社のじぶんごと化が促進されること。一方、クリエイターがものづくり以外に時間を割く割合が多くなることがデメリットかもしれません。ただし、カヤックは組織戦略重視のため、デメリットと考えられる部分については問題ないとの判断がありました」と柴田氏は言う。

「人事部専属社員」の必要性

 「人事部専属社員がこの制度によっていなくなったり新たな他の業務と兼務になることは予定されていません。しかし、人事部専属社員の仕事はだんだん減ってくるだろう、というのが私の考えです。私は100%人事部所属の社員ですが、違う役割を見出さないと今後やることがなくなります。労務管理など、専門の社員がやった方がいいところは残りますが、採用や面白く働ける制度作りなどは現場社員がやった方が効果があることが多いのです」(柴田氏)。

 実はこの「ぜんいん人事部化計画」も人事部が考えたものではない。1年に2回、会社をより面白くするために1泊2日で行われているカヤックの社員合宿「ぜんいん社長合宿」で、今年の4月に現場社員が考えたアイデアだ。

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 「ぜんいん人事部化計画」が意味するところは、「人事部専属社員が必要ない」ということではない。「人事部に与えられたミッションを一部の社員だけで実行するよりも全社員で考えたほうがいい」というところにあるようだ。

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