艦これ艦娘“作戦的”プロフィール「ミッドウェー海戦」編:南雲さんはあまり悪くないと思う
現場の視点で考えるならば、南雲さんばかりを責められないよねー。
「艦これ」で発動中の夏イベント「MI」(ミッドウェー島攻略作戦)/「AL」(アリューシャン列島攻略作戦)2正面作戦にちなんで、真珠湾作戦からミッドウェー海戦に至るまでの、空母が主役となる主要な作戦を「超ざっくり」と解説しよう。
情報の共有は大事ということで
1942年6月5日、日本海軍はミッドウェー島北方海域で航空母艦の「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」を失った。迎え撃ったのは米空母の「エンタープライズ」「ホーネット」、そして、日本海軍が1カ月前の珊瑚海海戦で沈めたと考えていた「ヨークタウン」、さらに、ミッドウェー島に配置した空母1隻分の航空機だった。
日本の空母機動部隊司令部は、米空母はミッドウェー島を占領してから出撃してくると考えていた。さらに、その考えを覆す情報を伝えられてもいなかった。そして、そのことを知らなかったのは、空母機動部隊だけだった(後方の大和に座乗していた連合艦隊司令部は把握していたが、情報を共有していなかった)。
だから、ミッドウェー島基地を攻撃した指揮官の友永丈市海軍大尉から「第2次攻撃の要あり」と報告が来たとき、艦船攻撃用に控えていた航空機の武装を陸上攻撃用に変更したのも当然といえば当然。それまで、ラバウル攻略のときもインド洋作戦のときも北オーストラリア空襲のときも米空母はいなかったのだから。
その後、空母機動部隊は米空母とミッドウェー基地から出撃した米航空部隊の攻撃を受けながら、重巡「利根」の索敵機が発見した敵空母を攻撃するため、いったん陸上攻撃に変更した武装を対艦攻撃用に再度変更する。さらに、それまでの戦闘ですべて出撃していた零式戦闘機と、ちょうどそのとき戻ってきたミッドウェー基地攻撃隊を収容する作業を行った。
このとき、第2航空戦隊司令の山口多聞海軍少将が(武装変更や帰還部隊の収容よりも)「攻撃隊即時出撃」するよう進言しているが、南雲忠一司令長官はそれを退けている。後世の作戦研究者はこの判断を強く非難するが、それまで、日本艦隊を攻撃していた米航空隊の多くが、護衛の戦闘機がないため零戦に撃墜されるのを見ていた司令部が、護衛の零戦の準備を優先したのも当然かもしれない。
しかし、この後、米急降下爆撃機の奇襲を受けて発艦直前の攻撃隊が誘爆し、赤城、加賀、蒼龍が戦闘不能になる。最初に沈んだのは最も多くの爆弾が命中した加賀。次いで、蒼龍が沈んだ。加賀は米潜水艦「ノーチラス」の雷撃も受けている。そして、なかなか沈まず、一時は敵艦隊方面に疾走し始めた「赤城」は、「嵐」「舞風」「萩風」「野分」による雷撃処分で沈んでいった。
発艦運動で一人離れていた飛龍は、米空母に単独で反撃を開始する。第1次攻撃と第2次攻撃で“すべての”米空母に損害を与えたと思ったそのとき、艦上偵察機として試験的に搭載していた「二式艦上偵察機」が第3の空母を発見する。2回の攻撃で大きな損害受け、わずかに残った航空機で昼間の攻撃は効果がないと判断し、夕暮れまで出撃を待ってしまう。その隙をついて、米急降下爆撃機の攻撃を受けて飛龍も炎上し、空母部隊は全滅した。
飛龍は総員退艦ののち、「巻雲」が雷撃処分を行った……が、飛龍はその後しばらく沈まず、状況確認のため飛来した「鳳翔」搭載機が飛行甲板に機関科生存者を発見、駆逐艦「谷風」が救助に向かったが、飛龍を発見できなかった。
飛龍が2隻の空母を攻撃したと思ったのは、すべて「ヨークタウン」だった。ヨークタウンは大きな損害を受けたが航行可能で、今回も生還できるかと思ったときに、伊168の雷撃を受けて沈没する。
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