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広岡浅子は囲碁も強かった! 豪腕の女性経営者 VS. 日本囲碁界の母の対局再現が熱い

大隈重信とも打っていたのだとか。

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 NHKの連続テレビ小説「あさが来た」の主人公・白岡あさのモデルで、大同生命保険の創業者の一人である女性実業家・広岡浅子さん。豪腕の女性経営者、というイメージが強いですが、ドラマの中でもあさが祖父と碁を打つシーンがあるように、囲碁が好きだったようす。そんな彼女の実力が分かる囲碁対局再現企画が興味深いものとなっています。

 大同生命の特設サイトで公開されている「浅子の囲碁対決」。日本棋院協力の下、当時の貴重な資料から、現役の女流プロ棋士が実際に棋譜を再現。彼女の囲碁の実力や人柄を読み解こうとしています。


大同生命の特設サイトで公開されている「浅子の囲碁対決」

 この棋譜は、今から100年以上前の1908年(明治41)年、政財界の囲碁好きと当代を代表するプロ棋士が対局するという朝日新聞の紙面企画でのもの。広岡さんはこの企画の第6回に登場。対するは、明治から昭和にかけて囲碁界の第一線で活躍し、後に「日本囲碁界の母」と称される伝説の女流棋士・喜多文子さん。棋譜を再現しているのは、万波奈穂三段、長島梢恵二段の2人です。

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万波奈穂三段と長島梢恵二段。再現対局では万波三段が喜多文子さん役を、長島二段が広岡浅子さん役をそれぞれ務めた(画像は大同生命の特設サイトより)

 広岡さんが有利となる先手の黒での三子局(三子を置いた状態、地で言うと三十目のアドバンテージ)で始まったこの対局。序盤は手堅く、堅実に組み立てていく打ち筋は、現役の女流プロ棋士をして“非常に繊細”と言わしめるほど。

 序盤から中盤は、広岡さんがハンディを生かして優勢に対局を進めていきますが、それまで完ぺきな打ち回しだった広岡さんが見せた58手目、その後、戦いを挑んだ98手目、決め手を逃した116手目、あきらめない170手目などが着目すべきポイントだと解説されています。


58手目

98手

116手目

 しかし、相手は当代きっての女流囲碁棋士。広岡さんに致命的な悪手はないものの、棋力に勝る喜多さんがヨセ(陣地を確定していく局面)で細かい攻防を繰り広げながら少しずつ追い上げ、白の五目勝ちというわずかな差で終局(239手)しています。


終局。白の五目勝ち

 この一局を再現した2人は、「豪腕経営者というイメージとは異なり、堅実で努力家という印象」(万波三段)、「囲碁に性格が表れるとよく言いますので、浅子は繊細で優しい方だったんじゃないでしょうか?」(長島二段)と分析。広岡さんの実力を今の段位でいうと、「序盤はアマ五段くらい、トータルでみても三段くらいはある」と棋力を高く評価しました。

 また、喜多さんの直弟子に当たり、女流棋士における最多勝利記録保持者、いまも現役プロ棋士として活躍中の杉内壽子八段は、この棋譜を見て次のようなコメントを寄せています。

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形の良い堅実な碁です。当時女性で、これだけ打てる方がおられたことに驚きました。最後まで崩れることなく優勢に打ち進めており、冷静な方という印象を受けます。
結果、わずかな負けとなりましたが、名士のアマチュアとしては、当時の最強クラスではないでしょうか。

 この対局棋譜はオンラインでも公開されており、初手から終局まで一手ずつじっくりと見ることができるようになっています。

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