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映画「無限の住人」、木村拓哉の殺陣に福士蒼汰「すごい」 市原隼人は“ハイエナの捕食映像”を見て役作り

実写映画「無限の住人」の完成報告会見が行われ、木村拓哉さんをはじめとするメインキャストらと三池崇史監督が映画の見どころを語りました。

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 沙村広明さんの漫画を原作とした実写映画「無限の住人」の完成報告会見が2月15日、都内で開かれました。会見には、主人公・万次役の木村拓哉さんをはじめ、ヒロイン・浅野凜役の杉咲花さん、天津影久役の福士蒼汰さん、尸良役の市原隼人さん、乙橘槇絵役の戸田恵梨香さん、監督を務めた三池崇史さんが登壇。撮影を振り返りつつ、映画の見どころを語りました。


左から、三池崇史監督、戸田恵梨香さん、福士蒼汰さん、杉咲花さん、市原隼人さん

 同作は、1993年から2012年の19年にわたって講談社「月刊アフタヌーン」で連載された沙村さんのデビュー作。江戸時代の日本を舞台に、「血仙蟲(けっせんちゅう)」と呼ばれる生命体を体内に移植されたことにより、不死の肉体を得ることになった隻眼の剣士・万次の波乱の人生を描いた作品です。

 会見冒頭のあいさつで、「三池組の一員として皆さんの前に登壇することができてうれしい」と話した木村さん。キャストはもちろんスタッフのモチベーションも高く、「やる気と情熱と、絶対面白いものを作る」という思いに満ちた現場だったといいます。

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 一方で、その熱意があまりにも高かったためか、撮影中に三池監督が足を骨折してしまうトラブルも。自分で「これはいったな(折れたな)」と足の状態を把握した三池監督ですが、残る2カットの撮影のため病院へ行くのは後回しに。翌日は朝6時からというケガ人にとってはかなりのハードスケジュールだったそうですが、普段と変わらず現場に顔を出したと、過酷な撮影現場だったことを告白しました。


三池監督「それ(骨折)はね、老化現象ですね」

 当時の様子を振り返った木村さんによると、三池監督は現場で、ローリング・ストーンズのステッカーがたくさん貼られた松葉づえをつきながら指示を送っていたそうで、自分が移動する際にスタッフにぶつからないよう、つえには自転車のベルが取り付けていたのだとか。監督のユーモアたっぷりなエピソードに会場では笑い声が沸き起こっていました。

 今回、自身初の悪役である天津影久を演じた福士さん。MCから役作りをする上での苦労を聞かれると、「天津影久を主人公として見たときには、僕は悪だと思っていなくて」と、独自の解釈を展開。「変に悪を演じようとはせずに、自分(天津影久)にとっての善を極めていこうと」と、影久を演じる上で意識したことを語りました。


いつもは柔和な人物を演じているイメージのある福士さん。今回はラスボス役を熱演しています

 映画の注目ポイントとしてあげられるのが、「“ぶった斬り”エンタテイメント」のキャッチコピーの通り、ド派手なアクションシーン。2014年公開の映画「イン・ザ・ヒーロー」で見事な殺陣を披露した福士さんですが、影久の使う独特な形をした斧(おの)の扱いには相当苦労したそうで、原作通りさまざまな武器を扱う万次役の木村さんに対しては「すごい」と尊敬。武器の扱い方に悩んだという戸田さんも、「こうやったらもっとかっこよくなるよ」と木村さんにアドバイスしてもらったといいます。


「こんなに本格的なアクションは初めて。どこまでできるんだろうと不安に思っていた」と話す戸田さん

 共演者からの人望も厚い木村さんですが、そんな木村さんが「いい意味でクソ真面目」と絶賛したのが、役作りに対して人一倍ストイックに打ち込むことで知られている市原隼人さん。当初、役作りに悩んでいたという市原さんですが、「一匹狼でありながらハイエナのような残虐」な尸良を演じるべく、毎日のようにハイエナの捕食映像や、会場では言えないような残虐な映像を見て、「これが自分(尸良)の全てなんだ、ここに快楽を求める人間なんだ」と自分に言い聞かせていたんだとか。そのあまりのストイックさに、会場では一時どよめきが起こりました。

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市原さんも木村さんに対して「自分もこういう男になりたい」とべた褒め。疲れて首が回らなくなったカメラマンにマッサージを施すなど、現場のスタッフにも気を配る木村さんの姿に感化されたようです

 そんな市原さんですが、木村さんとのLINEでうっかりなミスも。撮影時に連絡先を交換したという2人。木村さんは、CMなどで市原さんを見かけるたびにうれしくなってLINEしていたそうなのですが、なぜか市原さんは“未読スルー”。実は、市原さんが使っていた携帯はその後ぐちゃぐちゃに壊れてしまったそうで、新機種に交換していたのでした。「さっき無事に交換しました」とうれしそうに報告する木村さんに、「すみませんでした!」と平謝りな市原さんでした。

 会見終盤には、原作者の沙村さんから寄せられたコメントをMCが代読。

沙村広明さんのコメント

今まで何度か映像化の話はいただいていたのですが実現せず、今回三池崇史監督・木村拓哉さん主演という豪華すぎる布陣で映画化が実現し感無量です。私のライフワークとなっていた連載19年・30巻の「無限の住人」を、一本の映画にまとめていただき、極上のエンターテイメントに仕上げていただいたことをとても感謝しています。思っていた以上に剣術のシーンも多く、アクションシーンの迫力はすごいです。これ以上無いというほどに格好良く万次を体現していだいた木村拓哉さん、芯がしっかりしていて復讐心を秘めた力強い凜を演じてくれた杉咲花さん、凛々しい姿が次第に悲壮感に満ちあふれていく天津を力強く、かつ繊細に演じていただいた福士蒼汰さんをはじめとした俳優の皆さんの熱演には頭が下がるばかりです。原作者としてこれ以上のものが無いと言い切れる映画に仕上がっています。大きなスクリーンで楽しんでください。

 沙村さんのコメントを受け、「いくら映画がヒットしても、原作者に不満を持たれてはいけない。まずはそこ。第1段階クリアーかな」と、胸をなでおろした三池監督。自身も以前から「無限の住人」のファンだったというだけに、映画化の難しさを痛感していたとのこと。「皆いきいきと無限の住人をやっている。それぞれに解釈して、演じることを楽しんでいるという、そういうことも伝わったんだと思います」と分析していました。

 映画は4月29日に全国公開予定です。

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