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北海道コンビニ界の覇者セイコーマートに聞いた 北国を生き抜く秘訣

無理をせず、地域の特徴を最大限生かすこと。

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 北海道で圧倒的支持を得続けているローカルコンビニ「セイコーマート」をご存じでしょうか。北海道店舗数ナンバーワンなのはセブンでもファミマでもローソンでもなく、セイコーマートなのです。おまけに顧客満足度調査は全国1位。セイコーマートでは店内で調理されたお弁当や惣菜、あえて全店を24時間営業にはしないという経営方針など、他の地域のコンビニとはやや事情が異なる様子。北海道のコンビニはどうなっているのか、セイコーマートに話を聞いてみました。

※2016年度JCSI日本版顧客満足度調査コンビニエンスストア部門(2011年度~2014年度の調査でも1位)

北海道ではよく目にするこの看板

24時間営業よりも、1つ1つのお店を存続させ続けることが第一

―― 昨年はファミリーマートとサークルKサンクスの経営統合が発表されるなど、コンビニ業界では合併・統合の流れが加速している印象があります。そんな中、北海道でセイコーマートが店舗数シェアナンバーワンなのはなぜですか。

セコマ広報 セコマグループは地域の産品を大切に使い、地域と共に成長しようとする姿勢が特徴です。こうした考えに共感いただいて、弊社をご利用くださるお客さまが多いのではないでしょうか。そこは他のチェーンにはまねのできない点だと思います。また、北海道は日本の国土の約1/4の面積がありますが、人口は全体の4%程度。広い面積に人口が分散していると言えます。広域に商品を毎日届けるには高いコストが伴いますから、そもそも物流力がなければ出店できないという事情もあります。これは北海道に限ったことではなくて、大都市圏以外では大なり小なり抱えている課題でしょうね。

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―― セイコーマートは北海道での地域密着性を打ち出していますが、他の地域では埼玉県と茨城県にも出店されてますね。

セコマ広報 本州出店当初は、地域の企業とエリアフランチャイズ契約を結び、その地域の企業にまかせていました。現在は直轄になっており、北海道以外では埼玉県と茨城県で98店営業しています。北海道は食のブランド価値が高く、北海道のコンビニエンスストアとして、関東のお客さまにもご支持頂いています。今後については、やみくもに店舗を増やすのではなく、1店1店お客さまに支持される店舗づくりを目指すことを優先していきます。また、全国にお店がないことがかえって希少価値を高め、ブランド価値を高めることにもつながると考えています。

HOT CHEF実施店舗の検索画面。下には埼玉県と茨城県の出店欄も

―― 食のブランド価値という意味では、カツ丼などを店内で調理する「HOT CHEF(ホットシェフ)」はやはり目を引きますね。

セコマ広報 人口の少ない地域にはファストフードもレストランもありませんから、HOT CHEFが地域の食堂的な役割も担っています。できたてなので単純においしいですし、あたたかい数時間しか販売しませんから、食品添加物はできるだけ使用しないように努めています。おかげさまで1994年に登場して以来、長い間親しまれてきました。

できたてを食べられるHOT CHEFコーナー

ロングセラーの「カツ丼」

店内で焼き上げる「バタークロワッサン」

―― セイコーマートは24時間営業でない店舗が多いのも特徴ですね。この理由と、メリットなどをお伺いしたいです。

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セコマ広報 確かに、弊社では24時間営業にこだわっていません。ニーズが少ないのに深夜営業をした場合、お店の採算性が低下し、最悪そのお店が存続できなくなる可能性もあります。弊社ではお店が存続し続けることを重視していますし、そこはお客さまにとっても大切なことだろうと認識しています。


 24時間営業にはこだわらず、長所を最大限に生かすスタイルでシェアを伸ばしてきたセイコーマート。ほかほかのカツ丼やフライドチキン、店内で焼き上げるバタークロワッサンが目玉のHOT CHEFをはじめ、安くておいしいお惣菜、生鮮食品なども取り揃えており、北海道を訪れた際にはご当地グルメとしてぜひ味わってみたいところ。残念ながら他の地域への出店強化は予定していないとのことでしたが、埼玉県と茨城県にも店舗はあるため、北海道はちょっと遠いという人も、そちらに通りかかった際には立ち寄ってみると新たな発見があるかもしれません。


お店で粉付けして揚げているという「フライドチキン」

プライベートブランドの牛乳

ご当地アイスもずらり

安くておいしいお惣菜

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