やしろあずきの調査―― ネット上で女性を演じる「ネカマ」って何なの!? 昔自分をだましたネカマと直接対決してみた(前編)(2/4 ページ)
ほんとつらい。
調査開始
さて、前置きが長くなってしまいましたが早速調査開始です!
以前書いた若者とSNSの記事(成人編、女子高生編)のようにTwitter上でネカマを募ってみるとしましょう!
前回とは違って今回はネカマという割と言いだしづらいテーマなので、そんなに来ないかなぁと思っていたのですが……。
めっちゃくちゃ来ました。
しかも内容もかなりガチめのものが多くて、現在進行形でネカマをしていて、男性に(ネトゲ内の)アイテムを貢がせている人や、~~~(自粛)な人など……。
何だよこれ、インターネット怖すぎだろ。と恐怖を覚えながら応募のDMに目を通していたのですが……。
ん?
んんん???
「いやいやいやいや~~~~~~! さすがにない! さすがに! 『Cecilia』(名前の前後に「短剣符」。十字架みたいなやつです)って名前のネカマは確かに僕が中学時代にネトゲ内で初めて恋をして、それはもう死ぬほどだまされてだまされてだまされまくって僕の人格形成に多大なる影響を与えるまでになったネカマの名前なので一瞬マジで焦ったのですが、割と漫画でそのこと自体はネタにしまくってるのでフォロワーからのタチの悪いいたずらで違いないでしょう」
「でも怖いから一応確認してみよう……」
……なんということでしょう。ネカマを募集していたらまさか、
中学時代に僕がハマっていたネトゲ内で僕をだました宿敵のネカマ
が引っ掛かってしまいました。信じられん。
……しかしこの後も数回DMでやりとりをしたのですが、当時の僕しか知らないことや僕が当時ネトゲ内部で「自分はフランス人とのハーフで名字はグレイトシャンパーニュだ」というクソみたいなウソをついていたということを始め、Cecilia本人しか知らないようなことをたくさん知っていたので、本人だと認めざるを得ませんでした。
こうなったら仕方がありません。
急きょ企画を変更し「僕を過去にだましたネカマを徹底的に問い詰める」ことにします。
まあ、問い詰めるついでにネカマがなぜネカマをするかなどもヒアリングしていく予定なので、元の企画通りといえば企画通りなのですが……。他のDMをくれた方々も絶対別の企画で声をかけさせていただきますのでお待ちください……。
というわけで!! だましていたネカマとネカマにだまされていた人という地獄のような組み合わせの対談の様子をお送りします。
これほど相手に殺意をもって対談に臨んだことは初めてです。
対談開始! 中学時代ぶりの邂逅(かいこう)!!!
4月某日、都内某所。
「うーーーん……まさかこんなことになるとは……」
「中学時代、女子大に通う女子大生だと自称していたCeciliaとこんな形で再開を果たすハメになるとは……。と言ってもリアルで会うのは初めてなんだけど……」
「『年下が好きで君のことにも興味がある』、とか『地方に住んでいるから東京に来たらぜひ会おう』とかいろいろ言われて……。あのときは学校にもいかず1日ネトゲ三昧だったけど本当に毎日がバラ色だったな……。携帯番号を教えてもらおうとしたらネカマだってカミングアウトされて本当に死にたくなったけど、いまだに脳内では彼女……いや、彼のことを女性だと認識している気がして自分が怖いわ……」
「ハァ……でも俺ももう今年で28、いい大人だ。過去の苦い思い出なんか笑い話に変えてきっと仲良く話せるはず……ん?」
「どうも、Ceciliaです」
「……え? 誰って……?」
「Ceciliaです」
「じょ……女子大生のはずじゃ……」
「ええ!? ちょっと……何でまだ女性だって信じてるんですか!? ネカマ募集に応募してきたのに……」
「あ……うん……」
「それに昔、ネカマだってカミングアウトしましたよね!? なぜかその後ログインしてこなくなっちゃいましたけど、刹那さん」
「なぜかじゃねえよ……落ち込んでたんだよお前……あと当時のハンドルネームで呼ぶのはマジでやめて」
「あ……ごめんなさい。取りあえず今日はよろしくお願いします。刹那神兵団長さん」
「本当に殴るぞお前」
自己紹介
「ハァ……もうすごく、すごく帰りたいけど自己紹介のほうを取りあえずお願いします」
「あ、はい。Ceciliaと申します。今は刹……やしろさんと同じく別のハンドルネームで活動していますが……ネカマ歴は11年。やしろさんとは学生時代にラグナロクオンラインというネットゲームで出会いました」
「出会いたくなかった。というか今もネカマしてるの……?」
「あっ、注文きたきた」
「女子なの?」
「あ、ネカマですね、してます。もうやめられないんです。一度はやめようと思ったけど……」
「薬物依存者の言い訳みたいなこと言うなよ……。まあ、今回は連絡してきてくれてありがとうございます……というか、何で俺のこと分かったの? 当時とハンドルネーム違うし……」
「や、結構僕のこと漫画のネタにしてるじゃないですか。ネカマが題材の漫画とかにCeciliaってキャラ出したり……」
「あーーーーーー出してるわ……」
「それを見て、んん……? これ僕のことかなってなって……まあ確証に変わったのは漫画じゃないんですけどね。やしろさんネットに自分の中学時代の写真アップしてるじゃないですか。ネタで。」
「え……ああ、中二病時代のね。うん」
「あれ、当時(中学時代)僕にも送ってきましたよね。メールで」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「ゲーム外でもメールでやりとりしてて、そしたらいきなり『俺、ちょっと人と違う服装なんだよね? 見る?』って送ってきて」
「んあああああああああああああああああああああああああああ……オェェッ……」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思う……? いや、思い出したわ……それで君、すごい格好良い! 黒騎士みたい! 的な返信してきたよね……うれしかったけど、実際あれどう思った?」
「究極的にダサいと思いました。別に服のセンスは人それぞれでいいのですが、あのやしろさんは服に着られているというか……無理して着ている感がすごくて」
「具体的に批判するのはやめて」
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