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チア部はモテるって本当ですか『青高チア部はかわいくない!』高校デビュー目指す新入部員・安達杏の憂鬱あのキャラに花束を

「かわいい」ってなんだろう?

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 「かわいい」って言われていやな女子学生は、ほとんどいないと思う。でも「かわいい」って何を基準に言ってるのかわからないから困っちゃうよ。背が高いとかと違って、数値化できるものじゃない。

 高校の部活の中でも「かわいい」へのアプローチが大きいチア部を描いた『青高チア部はかわいくない!』pixivコミックで4話まで試し読み可能)から、迷走する新入部員・安達杏をご紹介。部活経験者なら、きっとなにかしら共感できちゃうキャラです。

高校デビューに命をかけて。

ジャパニーズ「KAWAII」の権化のような表紙。ポップ&キュート! こけてるのが安達杏
本日(9月12日)発売の「コミックビーム10月号」表紙。ポスターにして部屋に飾りたいなあー

 とってもポップでビビットな表紙が目印。作者のconixさんがイラストレーター出身なだけあって、全編に渡ってぷにっとまとめた、すっきりした線のセンスがいい。

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 作品自体は青高チア部を舞台とした群像劇です。読んでみると女子部独特のギスギスだったり毒があったり、かなりリアルな部分が盛り込まれた作品。絵柄で、絶妙に緩和されています。

 今の3年生部長・真泉舞(真ん中の金髪の子)は熱血馬鹿先代にひどい目にあわされたため、なんとか「モテ」をアピールできる、明るく楽しい部活を目指します。青春謳歌するぞ! と意気込みまくり。

 そこに入ってきた1年生は、3人。

ばらっばらだね(1巻72ページ)

 右から、野球大好きすぎるけど不器用でクビになった元野球部マネージャー・満田まり、モテるためならなんだってする安達杏、ぽっちゃり気味で背が大きくおどおどしたオタク・露木つぐみ。バラバラにもほどがある。

 つぐみとまりは、わりと目標が形として明解なので、成長ははやいです。ところが杏は、やる気はあるんだけど「かわいくなる」という漠然としたイメージで動いているため、なかなかうまくなりません。落ちこぼれ一直線。

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スパルタの価値観の差異

 卒業した先輩は、これまた横暴で正反対なやり方でした。

何言ってんだこの人……(1巻13ページ)

 先代は「我々の応援が野球部を甲子園に導く」とか「あんたの腕が真っ直ぐ伸びてないからアウトとられたんだよ」とか平気で言っちゃう人。ばかなの?

 ……まあそのくらいの気持ちで挑まないとだめだ、という気合入れなのでしょう。「自分をアピールしたい」になってしまっては、応援にならない。もっと全身全霊をかけないと、と考えればわか……わからないわ。いやだよこんな先輩。

 3年生の舞は「ああはなりたくない」という考えのもと、ゆるふわを目指しました。ところが自分たちが3年間で身体に染み付いた「チアの当たり前」と、1年生の中にあるチア以前の未熟な捉え方で、すぐに衝突してしまいます。

ゆるふわ目指していた先輩の指導とは思えないキツさ(1巻101ページ)

 1年生の中でも下手な杏。もうくそみそです。先輩の発言なにもかもがナイフのように刺さる。

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「つか他の1年ダシ抜いてかわいく目立とーとか思ってんなら鏡見ろよ?」

 図星。つらい。いじめではないです、「かわいくなりたいなら、まずは自分を見ろ」ってことです。ぶさいくだ、とは決して言っていません。

かわいいの在り方

「ちょっとかわいい」。難しい言葉だ(1巻4ページ)

 「『ちょっとかわいい』くらいしかとりえのない女子高生」。ここでいう「かわいさ」は、見た目だけじゃなく、もっと別な部分。

 この作品、容姿の良し悪しはそれほど問題にしていない。キャラ全員がかわいらしい絵柄で描かれているので、ほとんど差がつけられていない。

 じゃあどこでプラスアルファするか。補助するものの一つがチア服です。

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かわいい服着た時のゾクゾク感。男女憧れのチアですよ(1巻110ページ)

 まりは野球の録画を見て気持ちをあげる。つぐみは野球マンガや懐かしのアニメ曲を聞いてテンションを保つ。杏は……「かわいい」のモチベーションを保ちようがない。そこで、カンフル剤・チアユニフォームを借りて着ます。「やばいどうしようコレ今あたしめっちゃかわいいやばい」テンションあがりまくるよね。

 ユニフォームは心を補強し、普段と違う自分に切り替え、勇気を持つため背中を押すためのもの。杏の様子を見ていると、人に見せるためだけじゃない、自分のためなんだ、と感じさせられます。

かわいいの自信は、応援する力につながる

 先輩の舞たちは、かわいい。笑顔が、決めポーズがかわいらしい。ダンスを含めて自信を持っているからです。

 この作品での「かわいい」と「自信」は相互関係にあります。かわいければ自信が出る。自信があればさらにかわいくなる。つまり「かわいさ」のジャッジをするのは、他人ではなく「自分」です。

 実際の応援に行った時、ぽっちゃり気味の1年生つぐみは、おびえてトイレにこもってしまいます。彼女は自分の容姿に自信がない。

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きっかけは簡単。自分で気付きを得られるかどうか(1巻156ページ)

 先輩があっさりと「つぐみんちょーかわいいのに~」と何気なく言った一言で、つぐみの考え方はがらりと変わります。先輩に髪を上げメイクをしてもらい、違う自分に生まれ変わった時、彼女の中の恥じらいと恐怖は少しずつ消えていきました。「かわいい」が彼女の背中を、押したのです。

 すごく美人じゃなくていい。「ちょっとかわいい」で十分。自分のためのプラス思考が生まれれば、人前に立って声を出せるようになります。

 「かわいい」をモチベーションにしてきた杏。モテるとか忘れて、本番で闇雲に頑張っていました。そこに声をかけてきた野球部の子の感想が、これです。

やっぱ人に言われるのは、うれしいよねー(1巻171ページ)

 頑張っていたら、「かわいい」はついてくるよ! 必ず伝わるんだよ。その「かわいい」を胸に、自信を持ってさらに応援ができる。青春のステキなループだ。

 

 この作品では、いろいろな音楽にあわせたダンスを紹介しています。絵柄とのマッチもあって、心底キュート。もっともそれぞれのダンスへの感想がバラバラなのが面白い。

簡単でかわいいポパイ。これなら真似できそう(1巻25~26ページ)

 杏はまだまだ今のところ、下手度ナンバーワン。でも自信がたまっていけば、トップクラスのチアリーダーになれそう。どんどん本来の意味でかわいくなりそう。『青高チア部はかわいい』になるよ。

 でも多分どっかでなんだかんだあって、やっぱかわいくない! になるんだろうなあ、青春は傷ついてなんぼだぞ。全部乗り越えたらきっと「かっこいい」になるよ。

このあと「安達またずれてる!」とドヤされます(1巻97~98ページ)
(C)conix/KADOKAWA

たまごまご

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