北野武監督「西田さんのアドリブには困りました」 映画「アウトレイジ 最終章」ジャパンプレミア
次回作に向けた展望も。
北野武監督18作目となる最新作「アウトレイジ 最終章」が10月7日に全国公開されることに先立ち、9月25日に都内でジャパンプレミアが開催。北野武監督をはじめ、西田敏行さん、大森南朋さん、ピエール瀧さん、松重豊さん、大杉漣さん、塩見三省さん、白竜さん、名高達男さん、光石研さん、池内博之さん、金田時男さん、岸部一徳さんの豪華キャスト陣が登壇しました。
「アウトレイジ」シリーズは、裏社会の男たちの抗争を描いたバイオレンス・エンターテインメント。2010年に「アウトレイジ」、2012年に「アウトレイジ ビヨンド」が公開され、累計興行収入22億円超を記録した人気シリーズです。5年ぶりとなる今作でついにファイナルを迎えます。
先日のベネチア国際映画祭では、クロージング作品として世界最速上映された同作品。北野武監督は「ヨーロッパに行くと『たけしはバイオレンス映画に全然興味はないのか』といわれるんだけど興味は全然ある。次は純愛映画を描いたらまぐれで当たって、もう1回挑戦したら、そのあとバイオレンス映画に戻ろうかと画策しております」と先日発表したビートたけし名義の純愛小説『アナログ』を引き合いにして心中を吐露。「ありがたいことに僕の映画はみんな出演をOKしてくれて、台本を渡せば勝手に進行してくれる。ただ西田さんがアドリブには困りましたけど」と西田さんとの撮影秘話を暴露し苦笑いする一幕もありました。
花菱会若頭、西野役の西田敏行さんは「今日は感慨無量。この映画は頸椎を亜脱臼して4カ月間の入院と手術をして、退院した直後にお話をいただいた。撮影初日には、塩見三省くんもちょうど脳出血でお互いリハビリしながらの撮影になりました。監督に支えられてお気遣いいただいた」と北野監督に感謝を伝えつつも、「(映画で)振り向くときは首がほとんど回りません。顔ごと回っているのでその辺りも楽しんでもらえれば」と自虐を交えて会場の笑いを誘いました。
北野組初出演となるピエール瀧さんは「僕もまだ1回しか見てないのに、もうみなさんに追い付かれるのかと思うと『いいな、コノヤロウ!』」と劇中のセリフを用いて会場を沸かすと「顔面にはそこそこ自信があったんですが、諸先輩のみなさんと比較するとまだまだ」と語りました。
北野作品5作目となる白竜さんは「28年前に北野監督と『その男、凶暴につき』をやらせていただきました。あるとき(北野監督が)ベネチアで金獅子賞を獲られて、そのパーティのときに『北野組やってきてよかったね』て仰ってくださったんですね。それがすごくうれしかったです」と思わず言葉を詰まらせる場面も
市川役の大森南朋さんは「僕は北野監督のファン。アウトレイジシリーズが始まると聞いて、チャンスはないかと伺ってたら加瀬亮くんが出てて、第2作の『アウトレイジ ビヨンド』も引っ掛からず、劇場で見たら桐谷健太くんと新井浩文くんが出てて、嫉妬、恨みつらみたいなものがありました。そして最終章で作品に出ることができて、夢がかないました。最高の感情を持って現場にいられました」と今作に対する並々ならぬ思い入れがあったことを明かしました。
日韓に強大な影響力をもつフィクサーの張会長を演じる金田時男さんは役者ではなく、北野監督とは友人関係の実業家。北野監督は、「息子さんが社長で仲がいいのですけど、相談があるって言われて、前作のビヨンドのときに僕は地位と名誉と金は残したが、映像としての僕は残してないから僕を映画に使ってくれと言われたときにはどうしようと思いました」と金田さんを作品に起用した裏話を披露。
続けて「前作は台本渡してから地震の影響で1年半、毎日『大変だったなあ、大友』と言うセリフを奥さん相手にけいこして奥さんがノイローゼになった。やっと解決したと思ったら今度は最終章になってセリフが増えて、奥さんが本当に大変だったと言ってました。でも実際に撮影が始まれば、プロの役者さんに引けをとらない見事な演技をしてくれた」と金田さんを絶賛しました。
最後に北野監督は「これは区切りとなってますが、また何年かたったら日本の役者オールスターズでとんでもない映画を撮ってみせようと思ってます」と今後の展望を語りました。
映画「アウトレイジ 最終章」は10月7日から全国公開予定です。
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