ニュース
絶滅危惧種の植物「ガシャモク」、青森県で発見 国内の分布北限を大幅に更新
これまでは北関東での発見が国内の北限とされていました。
advertisement
環境省が定める「絶滅危惧IA類」に指定された植物「ガシャモク」が、青森県つがる市で発見されました。新潟大学・市民グループ津軽植物の会・弘前大学による合同チームの成果。これまで国内分布地域の北限とされていた場所(北関東の湖沼群)を、500キロ以上更新する新産地の発見となります。
ガシャモクはヒルムシロ科ヒルムシロ属の水生植物。古くは関東地方・琵琶湖・九州に分布し、特に関東では肥料に使われるほど多く生育していました。しかしここ100年間の水質汚濁により全国のほとんどで絶滅し、現存する自然集団は福岡県の一部のみとなっていました。
研究チームは、6月に青森県で行った野外調査で特徴的な切れ藻を発見。葉柄が非常に短く、葉脈が目立つ沈水葉を有していたことからガシャモクと同定しました。
advertisement
ガシャモクなどヒルムシロ属の植物は、よく他種との雑種を形成することが知られています。そこで雑種でないことを明らかにするため、葉緑体や核DNAの塩基配列が千葉県産や福岡県産のものと一致することや、正常な花粉を持つことが確認されました。これらの成果について、研究チームは現在論文を投稿中とのことです。
(沓澤真二)
関連記事
新種の巨大ネズミ「ウロミス・ヴィカ」、ソロモン諸島で発見 「ココナッツを割るネズミ」の伝承を追った成果
地元で「ヴィカ」と呼ばれるネズミと一致したことから命名されました。米大学、ミャンマーの琥珀から「1億年前の花びらがない花」発見 顕微鏡を使わないと研究できない極小サイズ
琥珀の中で、完全な状態のまま保存されていたとのこと。コスタリカで発見された新種の海ヘビが個性的 水面から逆さになって獲物を待ち伏せ
釣りをするように獲物を狩りますカナダで発見された白亜紀の新種恐竜、命名される 現代の生物にも見られる保護色でカモフラージュ
化石の保存状態の良さでも注目を集める「Borealopelta markmitchelli」。大きさ30センチ足らず、暗闇で発光する小さな新種のサメ発見
「カラスザメ」の仲間です。光合成しない「菌従属栄養植物」の新種、石垣島で見つかる 命名「オモトソウ」
光合成の代わりに、キノコやカビの菌糸を根に取り込んで消化し生育します。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.