「闇堕ち」の対義語は「光堕ち」？　プリキュアで使われている謎の言葉：サラリーマン、プリキュアを語る（2/3 ページ）

光堕ち……って何？

　さて、今回ピカリオが「光堕ち」した、といわれています（正確には、ピカリオは一度「闇堕ち」してからの「光堕ち」なので「光出戻り」なのでしょうけど……）。

　この「光堕ち」（光落ち）という言葉。

　いわゆる「闇堕ち」の対義語にあたる言葉で、あるキャラクターが悪の側から、正義の側になることを指すようです（それならば、「光堕ち」ではなく「光昇り」になるのでは……と思わなくもないですけど……）。

　「光側に堕ちる」というのは、日本語的にもなかなか面白い言葉ですよね。

　「光堕ち」というのはできた言葉らしく、少なくとも自分はネットを眺めていて初めて知った言葉でした（はっきりとした定義もまだないようです）。

　プリキュア界隈（かいわい）でも、自分のような古い人間にはなじみが薄かったのですけど、最近はキュアパッション、キュアビート、キュアスカーレットのように元敵側からプリキュアになると「光堕ちキュア」みたいな感じで使われ出しているようです。

　「悪側だったキャラクターが善側へ」という概念自体は物語の王道で昔からあるものですよね。

　当時は「白化」「漂白」「浄化」「改心」みたいに言われていた言葉が「光堕ち」という言葉に変わってきたのでしょうか（自分の知る限り、「フレッシュプリキュア！」の敵幹部ウエスター、サウラーがプリキュア側に付いたときは「白化」といわれていました。アレは服が驚くほど真っ白になったからだと思いますけど……）。

「光堕ち」という言葉は浸透しているのか？

　さて、「光堕ち」という言葉がどれくらい浸透しているのか気になったので、自分のTwitterでアンケートをとったところ、

• 最近知った：7％
• 昔から知っている：30％
• 何となく意味は分かる：30％
• 知らない：33％

（n=244）

という結果でした。

　自分のフォロワーさんを起点としたアンケートなので、プリキュア界隈の人が多いのですが、それでも知らない人が33％で、知っている人、意味が分かる人が計67％もいるのは個人的には意外と多い、と思います。

　「光堕ち」。

　プリキュア界隈では浸透している言葉のようです。

　そもそも、この「光堕ち」という言葉。

　一体、いつごろから使われだした言葉なのでしょうか？

　主にプリキュア界隈でいつごろから使われ出したのか、2つの観点から調べてみました。

　その結果、

　「光堕ち」「光落ち」という単語は、

2004年　なし
2005年　なし
2006年　なし（満薫のときには使われず）
2007年　なし
2008年　なし（映画ダークドリームのときにも使われず）
2009年　なし（キュアパッションのときには使われず）
2010年　なし
2011年　なし（キュアビートのときには使われず）
2012年　なし
2013年　個人ブログで数件ヒット
2014年　まとめブログおよび個人ブログで数件のヒット
2015年　ピクシブのタグに登録され、ピクシブ大百科に登録
　　　　（キュアスカーレットのときには使われている）
2016年　チクルンのときに一部で使われている
2017年　ビブリー、ジュリオらのときに使われている

　といった感じでした。

　プリキュアで「光堕ち」という単語が使われだしたのは2013年ごろ。

　2015年キュアスカーレット誕生の際に一般化され、それ以後「光堕ちキュア」などの言葉が一部で使われ出したようです（それ以前は「浄化」「白化」「漂白」「味方化」「改心」などが使われていました）。

　自分のような古い頭しか持ち合わせていないと「光堕ち」という言葉には違和感を覚えなくもないですが、「光」に「堕ちる」って表現は、すてきだと思いますし、「白化」よりは意味が通りやすいと思うので、今後も使われていくものと思われます。

　キラキラ☆プリキュアアラモードでは、元敵幹部ビブリーや、今回のピカリオなど「光堕ち」したキャラクターが多数出てきているのも特徴です。

　悪側から善側へ「光堕ち」したキャラクターというのは、基本とっても強いので、子どもにも人気が出るみたいですよね。

　プリキュア界隈ではちょくちょく聞くようになってきた、この「光堕ち」という表現。

　自分の観測範囲ではプリキュア以外ではあまり使われていないような気もしますが、どうなのでしょう？

　普通に使いますか？

　ああ、でもやっぱり自分は、「光堕ち」という言葉には少しだけ抵抗があるなあ……。