Twitterユーザーの呼びかけで正体判明! 謎の巨大観音像写真から始まった歴史ミステリーに「鳥肌立った」「集合知の勝利」(3/3 ページ)
歴史の空白がリアルタイムで解き明かされていく感動。
そして最初の投稿から約1週間後の12月6日。つるまさんは“謎の観音像”について分かったことをあらためてTwitterで報告しました。青島の地域おこしプロジェクト「青島◯」(@aoshima_1000nen)に直接問い合わせた結果、担当者から「ほぼ間違いなく青島の子安観音」との回答があったそうです。
「青島◯」の担当者によれば、つるまさんの予想通り、この観音像は昭和9年(1934年)に福崎日精の師・志佐鳳州によって建立されたとのこと。大戦前という時勢柄、佐世保軍港の裏門である伊万里湾を守護する意味を込め、片手に子供、片手に槍(鉾)を持つ姿となり、「護国観世音」と命名されました。しかし残念ながら昭和60年(1985年)の台風で損壊、撤去され、その後現在の「子安観音」へと建て替えられたとのこと。担当者が写真を印刷して島民に見せると、写っていた人を指さして「これ、たぶん爺ちゃんだわ」と言った人もいたそうです。
「青島からの情報をもらった時はさすがに感動しました。判明のツイートは実は涙ながらでした」とつるまさん。
詳細を聞くと、写真を見つけたのは滋賀県長浜市にある平安山良畴寺とのこと。もともと戦前のコンクリート大仏に興味があり、やはり福崎日精が建てた「長浜びわこ大仏」の謎を追っていく中で、住職に見せてもらったアルバムの中に1枚だけ、この写真が挟まっていたといいます。また大淵寺の護国観音と聞いてすぐにピンと来たのは、よく見ていた「珍寺大道場」というサイトに福崎日精と大淵寺の観音像についての記述があり、最初から何か関係があるのではとにらんでいたからだそうです。
また、青島◯の担当者にも話を聞くと、つるまさんから問い合わせを受けた時は、まず「ネットの力」に驚かされたといいます。青島は現在、深刻な過疎化のさなかにあり、写真が撮影された当時は1000人以上いた島民が、現在はわずか213人に。そんな中、つるまさんの写真を見た島民たちは本当にうれしそうで、青島や観音像が島民にとって本当に大切な存在だったことをあらためて実感したそうです。
つるまさんの努力とTwitterの集合知が結び付き、こうして謎の巨大観音像の正体は解明されました。Twitterではつるまさんや、解明に協力した“考察班”たちに対し「お見事な解明でした!」「ネットの素晴らしさをまた感じました」など、惜しみない称賛が寄せられていました。
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