就活の「お祈りメール」っていつから存在してるの? 学生から人事担当者まで徹底調査してきた(4/4 ページ)
「祈られすぎて神になりそう」
「なんで、みんな祈ってるの?」人事に聞いてみた
どうして、各企業とも判を押したような「お祈りメール」を送っているのでしょうか。
どこの会社もなかなか口が重い傾向がある人事部の人たち。なんとか、アイティメディアの人事部に口を開いてもらいました。
「他社がどんな不採用通知をしているかは、あまり参考にしていません。『たとえ不合格だったとしても、数ある会社の中で当社に関心を寄せてくれたことに感謝すべし』という採用方針があるので、前年のものを参考にしつつ、不合格理由を1人1人カスタマイズして送ることが多いです。特に新卒は経験で判断しない分、人格を否定されたと受け取られてしまうことがあるので、そうではなくて、あくまでも合う合わないの話だよと伝わるようにしています」という話でした。
また、もし各企業が似たような文面になっているのだとしたら、求人媒体や人材紹介会社を利用すると、不採用通知のテンプレートを用意しているので、それで同じような文面になっているのではとのこと。
テンプレートも祈っていた!
そこで、大手就職情報サイト2社にテンプレートについて聞きました。
その結果、2社とも不採用通知のテンプレートを用意していて、最後はお祈りする文面で終わっているそうです。そもそも、お祈り文は一般的なビジネスマナーにのっとったものだと2社とも強調していました。
テンプレートは用意されているものの、どう利用するかは企業次第。テンプレートを用意しているのは、「企業として学生に対して丁寧に応じてほしい」という理由や、「採用できなかった応募者が自社の顧客になることもあるし、不採用通知がネット上で共有されている状況もあるため、イメージを損なわないように」と、企業が努力した結果の文面だと思うと話していました。
実際に、中には「お祈りメール」で励まされたという受験者の声もあるそうです。不採用通知なので、どう書いても受け取った人の気分は良くないでしょうが、それでも読み終えた後の気持ちには影響を与えることでしょう。
ネット就活が一般化してから、これまで十数年に渡って送信され続けてきた「お祈りメール」。あの文面は、もしかすると受験者が思っている以上に、人事担当者の「いい仕事見つけてね!」という本気の“お祈り”がこもった文章なのかもしれません。
(高橋ホイコ)
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