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「私とキスする?」って女子中学生に言われたらどうする? 「からかい上手の高木さん」第10話の“からかいポイント”(1/2 ページ)

【ネタバレあり】相手の口から言わせたい、乙女心。

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(C)Soichiro Yamamoto / Shogakukan 2014-2018.

 話が進むにつれて、高木さんのからかいは「そっちから私に目を向けて」というムーブに変化してきました。押せ押せじゃなく、誘い受けな高木さん。アニメ10話で繰り出された高木さんのからかいポイントを振り返ってみましょう。

その1:今までで一番の至近距離「背比べ」

 高木さんと西片君は一緒にいることは多かったものの、やっぱり一線として「タッチする」というのはしないでいました。鈍感な西片君、8話では「高木さんをタッチする」「高木さんのわき腹をつつく」という誘いに対し、女の子であることを意識し、できませんでした(参考記事)。

 今回は高木さん、西片君の成長を見抜きます。身長を測るため、なぜか神社に寄り道。背中を合わせて背比べをし始めます。この展開には、さすがの西片君もぼうぜん。

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背中の温度を感じそう……(3巻P44)

 西片君「普通さ……一人ずつ壁にひっついて印をつけるんじゃ……」
 高木さん「二人で並んで比べたほうが確実だよ」

 高木さんは、スキンシップ願望の強い子。今回はちょっと珍しく、背比べという名目のもとに、自ら身体を近づけています。さすがに背中がくっつきそうな状態では、西片君も照れが入る。その次は、向かい合って背比べをするよう提案。友達・恋人同士とかでもまずやらなくない? やりすぎじゃない? 顔近すぎじゃない? 高木さんが「攻め」に転じました。

近い近い。そんな瞳で見つめないで(3巻P47)

 ここまで至近距離になったのははじめて。

 距離を詰めるには、やはり理由が必要。西片君は勝負的に煽ると乗ってくるので、くっつく理由づくりは簡単。とはいえ高木さんだって、さすがにそこまでベタベタして平然とできる子ではないとは思いますが……実は頑張っているのかナチュラルなのか、彼女の心の中は、今はまだ分かりません。

その2:たまにはそっちから言ってほしい「お誘い」

 「背比べ」回のように、当たり前のごとく一緒に登下校しているものだから、クラスの友人たちは、2人はデキている、と考えるのも当然のこと。

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 友人「なんで一緒に帰ってんだ?」
 西片君「い……いや誘われてるから」
 友人「それって付き合ってるからじゃないのか?」
 西片君「いや……違うと思う……」

 西片君は「高木さんはオレをからかいたいだけだと思う」と考え、付き合っているわけじゃない、という主張を崩しません。それはそれで、事実なんですが。

 「付き合う」という言葉はなかなか厄介な言葉でもあります。区切りとしては使いやすい。けれども人間関係って「友人」「恋人」とは簡単にわけられないはず。

 西片君と高木さんの関係は、確かに彼氏彼女にしか見えません。けれども高木さんも、そこは否定。2人は「高木さんと西片君という関係」で、それを現状維持しようとしています

 2人の独自な関係をそのままスライドさせて、「もうちょっと関係を変えたい」と考える高木さん。ここしばらくの高木さんの願いは「西片君から働きかけてくれること」。そこで彼女、策を講じます。

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「思われてるみたい」という巧みな言い回し(4巻P79)

 周囲には、高木さんが西片君を好き、だと思われている。それはいつも一緒に帰るよう誘っているのが高木さん側からだから。

 そういわれた西片君の反応は特殊。「オレから誘うって状況を作って……はずかしがるオレの反応を楽しむつもりだな」「平静をよそおうんだ」彼の中に、断るという選択肢がない! 高木さんはこういう西片君だから、好きなんでしょう。彼の下した決断は、こうです。

言ったーーー! (4巻P83)

 一応名目として「下校時に高木さんをからかいたい」という作戦があったから、西片君は誘ったのですが……西片君が高木さんを誘ったという関係は成立しました。「勇気を出して誘う」という点で、彼が自主的に行動しているのはものすごく大きな一歩です。

 高木さんは、よほどのことがないと顔色を変えません。しかし西片君から「一緒に帰らない?」といわれた時、多少誘導はあったものの、こんなにもうれしそうな顔をして、頬を赤らめている。

 「一緒に帰る」ということが少しだけ特別になった瞬間です。ただ、そのあとすぐ「どうしよっかなー」と返してしまうあたり、高木さんの悪いからかい癖が出ちゃってる。うーん純情。

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その3:そのクイズ、基本的にからかうためのものだぞ「二択クイズ」

 下校時、高木さんを困らせようと二択クイズを仕掛ける西片君。「めちゃくちゃおいしいけど熱が出るジュースと、めちゃくちゃまずいだけのジュース……どっちがいい?」

 二択クイズって往々にして、イヤな質問×2で相手を困らせて、答えられないようにするのが狙い。なので出した時点で「切り返せない」、または「返答を避けたことをいじる」のが確定する一方的な嫌がらせ。あんまりやると本当に嫌われるよ。

 しかし高木さんは、理にかなった切り返しをするという一回り上な反応をしてきました。

 逆に高木さんが出してきた二択クイズは、心理テストに近いものでした。

こっこれは……(5巻P78)

 「私がいなくなっちゃうのと、一生 私にからかわれ続けるのどっちがいい?」

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 ようするに「私の事どう思ってる?」という問いです。さすがにこれは西片君も後者を選びます。もちろんからかわれたいわけじゃなくて「いなくなるのはちょっとと……思って」。そう言ってくれるのって、分かってはいてもうれしいと思う。なお「一生からかわれ続ける」のは、後にかなうことになりますが、それはまた別のお話。

 そして二問目。「一生テストで0点しかとれないのと、私とキスするの、どっちがいい?」

 罠です。二択クイズの質問は「イヤなこと二択」にしがちですが、「イヤなものと、からかうためのもの」の二択にすると後者しか選べない、というテクニックです。

 からかうにしても、「私とキス」と言う言葉はかなり大胆。高木さんにしては思い切った発言です。

 まあ中学生だと「0点」を選ぶ男子もいると思うのですよ。抵抗しちゃう年頃だから。けれども西片君はそうじゃないのを理解した上で高木さんは言っています。

ふーん(ニヤニヤ(5巻P83)

 高木さん、もうニヤニヤ顔です。恥ずかしがらせるのって楽しいよね!

 恥ずかしいと思ってくれるのは、相手のことを恋愛対象として意識している証拠。高木さんとしてはそれが分かっただけでも十分。西片君に対する心理テストは、大体答えが出ました。

 春頃はじゃれるようなからかいが多かった高木さんも、秋口にかけてじわじわと女の子アピールをしはじめています。確実にラブコメの道を邁進中。でも踏み込みすぎない微妙なアクセル加減。これが「からかい上手」。

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