君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ
地球のみんなは、キーボードのあのキーにお困りのようです。
キーボードの「Insert」「Scroll Lock」といったキーは何の役に立つのか―― 先日、そんな記事を公開したところ、「なぜCapsLockを取り上げないのか」とのご意見をいただきました。
CapsLockとは、近くにあるShiftキーと一緒に押すとアルファベットが大文字で入力されるようになり、うっかり触れてしまった人間の心を狂わせる魔性のキー。CapsLock。ああ、CapsLock。お前は一体、人類をどれだけ「何もしていないのに、キーボードがおかしくなった」と惑わせれば気が済むのか……。
確かに前回の記事では扱いませんでしたが、ねとらぼ編集部は同キーのことを忘れていたわけではありません。いえ、忘れられるもんですか。だって、存在感が強烈過ぎるせいか、海外には「International Caps Lock Day(世界CapsLockの日)」なる記念日(?)が存在するくらいですから。しかも、その日は6月28日、10月22日と年に2回もやってくるのです。
CapsLockを全力でネタにした「世界CapsLockの日」
海外メディアによると、10月22日の方の世界CapsLockの日は、ソフトウェア開発者のDerek Arnold氏によって2000年に誕生。以前は“自称”公式サイトも公開されており、そこには妙にゴキゲンなGIF動画とともに、「私たちは毎年、CapsLockと愛し合っている」などの文章が並んでいました。意味はさっぱり分かりませんが、全て大文字になっており、CapsLockを使って書いていたものと思われます。
現在の同サイトには「no」の2文字(しかも小文字!)しか記載されておらず、かつてのお祭り騒ぎはどこへやら。しかし、Twitter上には現在も「#CAPSLOCKDAY」というハッシュタグが存在し、2017年も大文字だらけの文章が投稿されています。
なお、フォローのために言っておくと、世界CapsLockの日のWebサイト上では同キーを無効化する方法が紹介されており、CapsLockを礼賛しているわけではありません。おそらく、“うっとうしいだけの役立たずなキー”を斜め上の方向に祭り上げて、ネタにしているだけのようです。
同キーを邪魔だと思う気持ちは海を隔てても変わりませんが、「Worldwide Weird Holidays」によると、その理由は日本とはちょっと違うもよう。そもそも海外ネットユーザーのあいだでは「大文字で書かれた文章=叫んでいることの表現」と捉える向きがあるとのことで、言ってみれば、ポチッと押すと絶叫が止まらなくなる困った魔法のスイッチのようなものとして認識されているようです。
通販番組で人気を博した“CapsLockおじさん”
英語圏には「Billy Mays Button」というCapsLockを指すネットスラングがあります。Billy Mays氏は米国などの通販番組に出演していた人物で、やたらと大きな声で商品紹介をしていたことで有名。CapsLockを使って大文字だけで書いた文章には、大声でしゃべっているかのような雰囲気があり、同氏を連想させるから「Billy Mays Button」というわけです。
2009年に誕生したもう1つの世界CapsLockの日(6月28日)は、Mays氏の命日。同氏のファンだったというJohn Haller氏は「Billy Mays Caps Lock」というフリーソフトまで公開しています。
ちなみに、機能は「CapsLockを押しても大文字入力に切り替わらなくなる代わりに、Mays氏の大声が再生される」というもの。日本語配列のキーボードには対応していないのか、筆者のPCでは利用できなかったため推測になってしまうのですが、同ソフトを導入しても「多くの人にとっては役に立たない」というCapsLockらしさは変わらないのではないでしょうか。
だけど、CapsLockに助けられている人もいる
日本でも海外でも、不便でむしろ無い方がいいものとしてネタにされているCapsLock。しかし、世の中にはそれを必要としている人もいます。
例えば、金融系のシステム開発などによく使われているプログラミング言語「COBOL」では大文字で書かれるため、同キーを多用するとか(※)。キーボードにあるキーの1つ1つは、あなたがこれまでに出会ってきた人たちと一緒。たとえ、あなたにとっては役立たずで無価値だったとしても、別の誰かにとっては大切な存在なのです、きっと。
※ COBOLは大文字でコーディングする人が多いといわれているが、現在は小文字も利用できるようになっている。
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