海賊版サイト遮断でNTTコム提訴へ 原告は弁護士
今回の海賊版サイトブロッキング問題で、訴訟が明らかになるのは初めて。
海賊版3サイトへブロッキングを実施すると決めたNTTコミュニケーションズに対し、埼玉県の弁護士・中澤佑一氏(戸田総合法律事務所)が民事訴訟を起こすことがわかりました。同社の顧客という立場から、閲覧要求のブロッキングは契約に反し、電気通信事業法が禁じる「通信の秘密」を侵害するものだとして、4月26日中に東京地裁に訴状を提出します。
NTTコミュニケーションズは「OCN」を運営するインターネットサービスプロバイダー事業者。23日、NTTグループ3社(日本電信電話、NTTドコモ、NTTぷらら)と連名で、海賊版3サイトに対し「制度が整備されるまでの短期的な緊急措置」として準備が整い次第ブロッキングを実施すると発表していました(関連記事)。
中澤弁護士は同社が提供するインターネット接続サービスを2011年から契約しており、その際に締結したインターネットサービス契約(ISP契約)には、同社が予告したブロッキング措置の根拠となる規定はどこにも存在していないと指摘。また同社には契約に付随して「通信の秘密」を保護する義務があるにもかかわらず、ブロッキングする場合は技術的な仕様上、顧客の通信内容を不可避的に把握することになるので、義務に違反する上に顧客の「通信の秘密」を侵害すると訴えています。
これらを理由に、「漫画村」「Anitube」「Miomio」3サイトのURLを宛先とする通信を妨害してはならないと求める訴状を提出する予定。海賊版サイトへのブロッキング措置については、13日に政府が民間のプロバイダー事業者に促していく方針を発表。「通信の秘密」に抵触するおそれがあるブロッキングを性急に進める姿勢を巡って賛否両論を呼んでいました。今回の問題で提訴が明らかになるのは初めてのことです。
(黒木貴啓)
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JAIPA会員のNTT、そしてブロッキング反対派のJAIPA。
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