明石市長の抗議で配信停止になった「東播磨」の自虐CM 配信を再開 「市町域を超えたある広域性も重要」
ネットでは「動画を見てみたい」という声があがっていました。
3月末に兵庫県東播磨県民局が公開した、「東播磨地域」の存在感の薄さをアイドルグループの地味なメンバーに置き換えて自虐した観光PR動画。明石市からの「明石はそんなにマイナーではない」という苦情を受けて4月末にWeb配信を停止していましたが、5月2日に配信を再開しました。
東播磨は、加古川市・明石市・高砂市・稲美町・播磨町の3市2町からなる地域。県民局では東播磨が両隣の神戸と姫路に比べて観光地としてのインパクトに欠けているとして、そのことを逆手にとってPRしようという観光動画を制作しました。架空のアイドルグループ「HYOGO」でスター級の神戸ちゃんと姫路ちゃんに挟まれ、控えめで目立っていなかった東播磨ちゃんが、周囲の励ましを受けながら自信を付けて輝いてく成長ストーリーとなっています。
動画はYouTubeで公開されていましたが、配信開始から1カ月ほどたった頃、全5話が配信停止に。県民局は「一部の人から内容が不快だという意見を受けた」「不快感を催す方がおられる以上、強引に配信を続けることは好ましくなく、さまざまな方々からのご意見を踏まえた上で今後について検討したいと判断した」と説明しています。
神戸新聞は停止について、明石市の泉房穂市長が「明石はそんなマイナーではない」と猛抗議したのが理由であり、その言動に加古川市の岡田康裕市長が「『明石を他の市町と一緒にするな』と言っているように受け取れる」と不快感を示したことを報じました。報道を受けネットでは明石市の姿勢を批判する声が続出。「これがダメならどんな表現も出来ない」「大人げない」と厳しい声や、「東播磨ちゃんかわいい」「動画を見てみたい」と配信再開を求める声が相次ぎました。
県民局は動画をオリジナルのままで再び配信。兵庫県公式サイトで四海達也局長は、「インターネットなどの普及により、『個』の情報発信力や拡散力が爆発的に大きくなった今の時代において、作り手の意図を万人に理解いただける情報発信の難しさを改めて思い知らされ、大変良い勉強をさせていただく機会となった」「観光PRというのは、個々のスポット紹介などで注目を集める手法もさることながら、市町域を超えたある程度の広域性を持って地域の魅力を発信することも非常に重要だと思っています」と述べています。
(黒木貴啓)
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