レビュー

東京発・浜松工場直行 超レアな東海道新幹線「浜工新幹線」に乗ってきた 次期新幹線「N700S」も目の前に!月刊乗り鉄話題(2018年9月版)(2/3 ページ)

あの「浜工新幹線」に乗って、東海道新幹線で1つだけのアレとかワクワクなコレを見物してきました。【写真31枚】

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お待たせしました「新幹線なるほど発見デー」 次期主力車両「N700S」や「ドクターイエロー」が目の前に!!

 浜工新幹線の旅は工場の建物内で停車してひとまず終わりですが、これだけではありません。浜工新幹線は「新幹線なるほど発見デー」が始まる朝10時より早く工場に到着したので、広い工場内を散歩できました。空いている状態で新幹線を撮影できること、そして整理券が必要なイベントで早めに行列に並べることが浜工新幹線の旅の利点でもあります。


工場建屋内に到着。この車両は夕方に折り返し東京行きになるが、それまでの間は休憩スペースとして使われる。こういった心配りが行き届いているなと感じる

 浜松工場は2018年9月現在、2012年から2019年3月まで予定しているリニューアル工事の最終段階にあります。ほとんどの施設が新しくなっており、工場の建物内は明るく清潔な印象でした。また、敷地の中央には広い芝生広場があります。立ち入りは禁止されていましたが、なんとも目に優しい風景。イベント当日は晴天で気温も上がりましたが、心地よい風が吹き抜けていました。

 今回の注目は新型車両「N700S」の展示と記念撮影コーナーです。

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東海道新幹線の次期新型車両「N700S」。短編成化に対応し、輸出なども見据えた戦略的車両である

 N700Sは東海道新幹線の次期主力車両で、2020年から営業運転を開始する予定です(関連記事)。2018年3月に報道公開され、現在は試運転中。2018年9月現在はまだ試験車両の16両1編成しかないという希少な車両です。デュアルスプリームウィング形と呼ばれる特徴的な先頭車には、チョビ髭のようなアクセントラインが入っています。標識灯(ヘッドライト)がLEDになって、日中も鋭い光を放っていました。

 N700Sの一般公開は今日が初めてです。駅の停車中や試験走行中の様子を見かけたことがある人はいるかもしれませんが、2018年の新幹線なるほど発見デーではじっくりと眺められました。


進行方向を示す標識灯はLEDユニット。左右に2つずつ、クルマのヘッドライトに当たる位置にあるが、前方を照らすというよりは「進行方向を示す」「駅などで列車の進入・接近を知らせる」という役割である

「N700S」の車体側面ロゴ。Sは「Supreme」の頭文字で、最高・至高の意味

 さらには、子どもたちに大人気の車両「ドクターイエロー」もいました。先頭車撮影会、そして2カ所の車内見学は整理券を求める人で長蛇の列。私は諦めて、いや、潔く子どもたちに譲ることにして(笑)、芝生の向かい側から編成美をじっくり眺めました。


見たら幸せになれるとうわさの「ドクターイエロー」。これがいたから、来場者は全員幸せだったはず

ちょっと遠くからドクターイエローの編成美を眺めてみた

 その代わりに、車両をスライド移動する装置「トラバーサー」には2回も乗りました。1度に約80人も乗れるので体験しやすいイベントでした。これも車両基地、車両工場でしか体験できないでしょう。


車両を隣の検査場に移すための機械「トラバーサー」。内部に線路があり、車両を1両ずつ収容できる
浜松工場で体験した「トラバーサー」の様子

JR東海と現場のスタッフの皆さんに感謝 次回は浜工新幹線の逆方向「浜松工場発東京行き」に乗りたい

 鉄道会社が車両基地や整備工場を一般公開するイベントは意外と多く、ほとんどの鉄道会社が10月14日の鉄道の日にからめて実施しています。鉄道施設公開イベントは、その鉄道会社の鉄道ファンや、沿線に住む家族などを対象とし、皆さんにその業務を理解してもらうための広報活動の一環です。電車の基地や整備工場は、電車を好きな人にとってそのもの全てにまず興味があります。また、付近に住む人にとっても「あの広い敷地の中で、どんなことをしているんだろう」と気になりますよね。

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 東海道新幹線は日本を代表する高速列車です。ファンは全国にいます。その背景として浜工新幹線のツアーは複数の旅行会社が実施してしていましたし、イベントへ泊まりがけで訪れる人もとても多いようです。新幹線なるほど体験デーへのツアーバスは何と46台が集まっていたそうです。

 新幹線なるほど発見デーは2017年まで7月下旬から8月上旬の土日、複数日に渡って開催されていました。しかし2018年は日曜日1日のみの開催となり、2日分の来場者が1日に集まったために大混雑でした。私は新幹線の運転台見学イベントに参加しましたが、比較的空いているとされる渋めなものにもかかわらず3時間待ちだったほどです。真夏のピークを過ぎた日だったとはいえ、強い日差しの下で子どもたちはつらかったかもしれません。浜工新幹線の来場者を指して「会場前から中に入っているなんてズルいよー」なんていう声も何度か聞こえました。

 こうした状況はJR東海も把握したようで、JR東海はイベント開催2日後の9月18日に「お詫び文」を掲載しています。しかし、炎天下でスタッフの皆さんは常に笑顔で対応していましたし、子どもたちには努めてフレンドリーに対応するなど健闘していました。お子様に迷子札を配布するなど、細かい配慮も行き届いていました(*)。いち参加者としては、彼らと営業施設のさまざまな段取りを経て、課題を解消して浜松工場を見学させてくれたJR東海に感謝したいです。

*:この迷子札を2018年11月30日までの期間に「リニア・鉄道館」(愛知県名古屋市)に持参すると、先着1500人でオリジナルキーホルダーがもらえる(関連リンク)

 とはいえ今回の大混雑の反省から、次回の新幹線なるほど発見デーは開催期間を複数日に戻すか、他の鉄道会社が採用しているような「事前応募・抽選制」になるかもしれません。いずれにしてもファンや子どもたちが毎回楽しみにしているイベントです。今後とも継続してほしいです。私は次回、浜工新幹線の逆方向「浜松工場発東京行き」に乗りたいのです!!

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