インタビュー

女性がかっこいいと思う女性になりたい ヒロインを演じた広瀬アリスが映画「モンスト」を通して見つけた理想像

10月5日の公開を前に、映画「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」で声優を務めた広瀬アリスさんを直撃!

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 累計利用者数4500万人を突破した人気スマートフォンアプリ「モンスターストライク」が2度目のアニメ映画化。完全オリジナルストーリーで贈る「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」が10月5日から全国で上映開始します。

 13年前に突如、空へと浮かび上がった“旧東京”と地上に残った“新東京”。2つの東京が存在する世界を舞台に、旧東京の地上落下を阻止するべく、空から降ってきた謎の少女・ソラ(CV:広瀬アリスさん)が普通の高校生・カナタ(CV:窪田正孝さん)を探しに地上へとやって来るところから物語は始まります。


広瀬アリスさん

 クールでありながら他人を思いやる熱い心も持ちあわせた少女・ソラを演じる広瀬さんは、同作がアニメ声優初チャレンジ。「パワーレンジャー」(2017年)、「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(2018年)と吹き替え経験はあるものの、アニメの声優、ましてや映像制作に先行して音声や歌を収録する「プレスコ」という収録形式は今回が初めて。映画上映を前に、制作の舞台裏を伺いました。

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窪田さんとの収録は淡々と、ソラとカナタのような空気感

―― 今作が広瀬さんのアニメ声優デビュー作ですね。プレスコという形式はなじみがないと思いますが、いかがでしたか?

広瀬アリス(以下、広瀬) 難しかったです。取材日の2、3日前に映像を見させていただいて、そこでやっと答え合わせができたと思います。ここってこういう背景なんだとか、こういう街並みで私は(敵から)逃げていたんだなとか、やっとそこで分かってっていう感じです。

―― テレビアニメ「宝石の国」で知られるアニメーション制作会社「オレンジ」がCG制作を手掛けたということもあり、特に戦闘シーンのキャラクターの動きには圧倒されました。演じる側としてはどういったことを意識しましたか?


左から広瀬さん演じるソラ、窪田さん演じるカナタ

広瀬 なるべく音が入らないように、体にグッと力を入れながら演技していました。でも自然と動いてしまうんですよね。声だけで全てを表現して、命を吹き込んでいるんだと感じました。

 それと戦闘シーンよりも日常会話の方が大変でした。間の取り方だったりテンションだったり。いつもの感覚でいかないように意識しながらやってのですが、「いまのセリフもうちょっと凜としてほしい」って言われて。監督から言われた言葉はなるべく体現できるようにしたいと思っているんですけど、最初のころはなかなか思ったようにいきませんでした。でも、声の仕事だからといって、声優っぽくやらなくていいよって言われたことで安心して臨めました。

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―― 収録は窪田さんと2人きりだったそうですね。

広瀬 あまり多くを語らない方だなっていうのが印象的でした。今回初共演だったんですが、2人きりでアフレコのブースに入って8時間~9時間ぐらい一緒にいて。すごく話し込んだっていうわけではないんですけど、横に居て一緒に録るというのがとても大きかったです。

―― 大きいというのは?

広瀬 これまでの作品の収録では1人でのアフレコだったんですけど、生の声が横で聞こえてちゃんとレスポンスがあるので、すごく安心してできました。収録は淡々とやることが多かったんですけど、でもそれがソラとカナタの空気感とも合っていて。遠すぎずでも近すぎずみたいな感じで居心地が良かったです。


物語が進むにつれ、2人の関係にも変化が

―― 広瀬さんが演じたソラはどんな少女なのでしょう。

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広瀬 勝ち気な部分もありつつ、凜としたしたかっこいい女性。その中にも弱い部分があったりとか、でも人を信じるだとか、ここだけは絶対に変えないっていうしっかりした芯を持っている女性という印象です。

―― 自分と似ているところはありますか?

広瀬 何にも……(自分は)ブレブレだし。でも、ソラを演じて、女性がかっこいいと思う女性になりたいなと思いましたね。

―― ソラといえばある人からもらった携帯ラジオを大切にしていますが、広瀬さんにも同じように大切にしているものはありますか?

広瀬 ワンちゃん! 自分の命に替えてでも絶対に守るって思っています。ソラにとってはラジオってすごく自分の助けになっているんですけど、私もワンコたち(チワワのぱーぷーと、ぷーぴー)が癒やしになっていて。でも、今日はソファで寝ちゃったんですけど、一晩中私のお腹の上でケンカするのはやめてほしいです。「(ケンカするまねをしながら)やめて!」って。

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―― でも、そういうのも含めてかわいいんですよね(笑)。

広瀬 そうなんです(笑)。えへへへ(笑)。

歌を聞かれるのは苦手

―― ソラといえば、劇中では歌唱シーンもありました。

広瀬 そこ聞くんですか!? やだー!

―― 露骨に嫌な顔しないでください(笑)。ウィスパーな歌声が印象的でしたが、歌について何かリクエストはあったんですか?

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広瀬 収録ではリテイクを重ねちゃったんですけど、OKが出た後に、1回だけささやく感じで歌ってほしい言われて。そうしたらそれが使われたんです。完全にリラックスして鼻歌みたいな感じで歌ったのが良かったかもしれないです。気合いが入りすぎていたので(笑)。

―― レッスン期間はどのくらいでしたか?

広瀬 1日です。1日のうちに練習して、何度も録ってみたいな感じで。

―― これを機に今後、歌手活動を始めたりは……。

広瀬 いやいやいや、とんでもないです。人前で歌えないんです。他人にあまり聞かれたくないですし、カラオケも1人で行ったりします。

―― ヒトカラするんですね。普段はどういった音楽を聞くんですか?

広瀬 毎日いろんな曲を聞いていて、ジャンルがないんです。でも、誰が好きかと言われたら「凜として時雨」さんです。歌詞の世界観とかPVの感じとかもすごくすてきですし。幻想を見ている感覚になります。


歌について恥ずかしがりながらも答えてくれた広瀬さん

好きな漫画が実写化されるとしたら

―― アニメや漫画好きでも知られる広瀬さんですが、声優をやってみたいと思ったことはありますか?

広瀬 恐れ多くて。ただ、今回経験としてすごくすてきな時間を過ごせたと思います。

―― 最近注目している漫画やアニメは?

広瀬 『バイオレンスアクション』が面白いです(小学館のWebコミックサイト「やわらかスピリッツ」で連載中の漫画。原作:沢田新さん 作画:浅井蓮次さん)。でも、「このマンガがすごい」に載っちゃったんで、あまり触れないようにしているんです。

―― それはなぜ?

広瀬 あまり有名なのは言いたくないんです。私、マイナーな出始めたばかりの面白い作品を探すのが好きで、『亜人』(桜井画門さん)も1巻が出たときから買って読んでいますし、『累 -かさね-』(松浦だるまさん)もそうだったんです。結構実写化になる作品も多いので、それはそれですごく、「あ、成長したな」って思うんですけど、なるべく「何それ」って言われるような漫画を探して自慢したいんです。

―― 例えば、好きな漫画が実写化したとして、自分で演じてみたいと思ったりしますか?

広瀬 やるんだったら私がやりたいです。絶対、人一倍読み込んでいる自信があるので!

―― 今後、こうなりたいっていう目指すべき女優像のようなものは持っていますか?

広瀬 ないです。ただ、楽しいことをずっと続けていけたらいいなと思います。こういう風になりたいって思ってしまうと、少しのミスも許せなくなるんです。例えば、昨日食べすぎたから今日は何も食べないっていう日を作ったとして、でも何かほしくなってちょっと食べちゃったってなると、自分にとってとても大きなミスみたいになっちゃって。そういうことにならないように、いまは自分の引き出しというか、いろんな役を演じて、経験できたらいいなって思っています。

―― では最後に、今回の映画の注目ポイントを教えてください。

広瀬 ソラとカナタの友情のお話が軸ですが、トウヤとユウナの兄弟愛、そしてマナとカナタなど、人と人とのつながりというのをすごくしっかりと描かれた作品です。「戦って勝った、いえーい」ってだけではなくて、しっかりみんなの闇の部分がストーリーの中で出ていたりするのも面白いです。子ども向けだけじゃない、というところが私はすごく見どころだと思います。

―― ありがとうございました。歌手活動にも期待しています。

広瀬 ほんっとに無理です(笑)。


終始笑いの絶えないインタビューとなりました
(C)XFLAG


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