コラム

【マンガ】ビクターのロゴの犬は「死んだ飼い主の声を聞いている」って本当?

元になった絵の誕生経緯がちょっと複雑。

advertisement

 誰もが一度は目にしたことがある、ビクターのロゴマーク。蓄音機に耳を傾ける犬の姿が描かれているのですが、一体、何を聞いているのかご存じですか?

解説

 ビクターのロゴマークには元になった絵画があり、その誕生経緯としてこんなエピソードが知られています。

 イギリスの画家フランシス・バラウドには「ニッパー(Nipper)」という犬を飼う兄がおり、その兄の死後、彼はニッパーを引き取ることに。あるとき、生前に録音していた兄の声を蓄音機から流すと、ニッパーはその音声に聞き入ったのだそうです。

advertisement

 1889年、フランシスはその様子を描き、完成した絵画には「His Master's Voice」というタイトルが付けられたといいます。つまり、あのロゴマークの犬が耳を傾けているのは「(今は亡き)彼の主人の声」ということになります。

 ただ、この絵の成立過程にはちょっと複雑なところがあり、「本当に主人の声を聞いている様子といえるのか」という指摘も。名古屋学院大学教授・増田喜治氏によれば、「His Master's Voice」は売却までのあいだに描き直されている箇所があり、例えば、蓄音機は個人録音が可能なものから、スタジオ録音以外が困難なものに替わってしまっているのだとか。それでは「録音した飼い主の声を聞く」というストーリーが、絵から読み取れないというわけです。

 実はこの絵が世に出るまでの道のりは平たんではなく、「犬が何をしているのか分からない」などの理由でなかなか受け入れられなかったといいます。現在ほど再生機器が身近ではなかった当時の人々にとって「犬が蓄音機を使う」というシチュエーションは、理解しがたいものだったのかもしれません。

左:当初の絵、右:蓄音機などが修正されたもの

主要参考文献

おまけマンガ

advertisement

他にもある! こんな雑学

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 同情せざるを得ない衝撃の光景に「私でも笑ってしまう」「こんなん見たら仕事できない」
  2. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  3. 【今日の計算】「2+7×9−3」を計算せよ
  4. 【今日の難読漢字】「鱸」←何と読む?
  5. IKEAの新作カーテンが「家中これにしたい」ほどすてき!→どうやって付けているの? 垢抜けインテリア術に視線集中「すっごいかわいい」「色味が最高」
  6. なんでそうなった? のこのしまアイランドパーク園内看板の名称が「俺は間に合わなかったがトイレはあっちだ君」に決定
  7. 80代一人暮らし女性の“その都度が大事”なキッチンお掃除術 毎日少しずつ……の習慣に「尊敬しかない」「すごくやる気をもらえます」と称賛の声
  8. 解体進む“動くガンダム”、いよいよ骨組のみに それでも「ガンプラのフレームみたい」とファン注目
  9. 7歳息子「誕生日は家が欲しいっ!」→母がリビングに秘密基地をDIY 目を疑う最高傑作に「これは凄すぎるよ」「めっちゃ中入りたい!」
  10. “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声