歴代プリキュア55人+αが勢ぞろい HUGプリ第37話「奇跡のBパート」で何が起きたのか:サラリーマン、プリキュアを語る(1/3 ページ)
僕はその日、確かに「奇跡」を見たのです。
2018年10月21日「プリキュアの奇跡」
2018年10月21日はプリキュアファンにとってまさに「お祭りの日」となりました。
10月14日放送第36話「フレフレ!伝説のプリキュア大集合!!」、10月21日放送の第37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」で2週にわたり「HUGっと!プリキュア」テレビ放送本編に、過去作のプリキュアオールスターズ55人+αが勢ぞろいしました。
TwitterなどSNSでの盛り上がりもすさまじく、日曜日朝のTwitterトレンドをプリキュア関連が独占しました。
また10月21日には、横浜でプリキュア55人が集結するパレードが行われたり、秋映画の先行上映会も開催されるなど、まさにこの1年で「プリキュアが最も盛り上がった日」と言っても過言ではないと思います。
特に「HUGっと!プリキュア」第37話「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」は、過去のプリキュアオールスターズ55人が共演し、子どもたちに向け、そしてずっとプリキュアを応援してきたファンに向けた、まさにプリキュア15周年にふさわしい歴史に残る回でした。
プリキュアが15年間ずっとつないできた大切な思いの、その先端に「HUGっと!プリキュア」がある。そんなことを思わずにはいられない、プリキュア製作スタッフの愛情がたっぷりと詰まったお話だったのです。
いちプリキュアファンとしては製作してくれたスタッフに感謝しかありません。本当にありがとうございます。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
オールスターズがテレビで集結する、という意味
SNSなどネット界隈(かいわい)を見てみると、一部には不評もあるようです。
「ただでさえ2018年の秋映画でもプリキュアオールスターズが出てくるのだから、わざわざテレビ本編にもプリキュアオールスターズを出して、『HUGっと!プリキュア』本編の描写を少なくするのはどうなのか?」といった意見です。
確かに映画の販促とはいえ、2週にも渡り「ほぼお祭り状態で本編のストーリーがほとんど進行しない」のは、内容がぎっしり詰まり、まだ伏線の回収もままならない「HUGっと!プリキュア」という作品においてどうなのか? という疑問は分かります。
しかし僕は思うのです。「プリキュア」という作品が「子どもたちのために存在している」という点から見ても、映画だけではなく「テレビ放送でオールスターズが集合する」というのは圧倒的に良いことなのではないか、と。
家庭の事情で映画を見に行けない子どもたちや、映画には恥ずかしくて行けない(と思い込んでいる)プリキュア好きの男の子だってたくさんいます。そんな子どもたちにもプリキュアオールスターズの楽しさを知ってもらうことができるのです。プリキュア大集合って、やっぱりワクワクするじゃないですか。
子どもたちって過去のプリキュアを意外と(?)良く知っているのですよね。『たのしい幼稚園』などの幼児誌でも過去のプリキュアと共演していたり、子ども向けの『プリキュアオールスターズスペシャル大ずかん』なども売れているようです。
もちろんこのテレビ放送をきっかけに映画を見に行く子どもも多いでしょうし、保護者にもプリキュアが認知されるでしょう。テレビ放送で話題になることで過去にプリキュアを見ていた子どもたちも映画館に帰ってくるかもしれません。
この先「プリキュア」というコンテンツがずっと続いていくにあたって、このオールスターズ出演のテレビ放送は「良いこと」しかないと思います。
(製作者側も、ここで2話削られることを考慮して全体の話を作っているでしょうから、おそらく「HUGっと!プリキュア」全体のストーリー上に影響は無いものと思われます)。
また、(映画はともかく)テレビ放送では「各作品間の関係性をボヤかしてきた」プリキュアにとって、このプリキュアオールスターズのテレビ放送により各シリーズ間のつながりを明確にしたのは、製作陣のこの先のプリキュアに対する覚悟であり、ずっとプリキュアが続いていくことの証明でもあるのだと思います。
テレビ版オールスターズ感想
今回の36話、37話で展開された「オールスターズテレビ放送」は、それぞれの特徴を生かした個性的な戦い、各所に見られるファンサービス、プリキュアからプリキュアへつながれる多彩な攻撃、各キャラクターの魅力がギュっとつまった演出、それでいて昔のプリキュアを知らなくても十分に楽しめる構成がものすごくしっかりとしていて、ノンストレスでとにかく画面に集中でき、楽しく見ることができました。
また、「過去作を知らない子供たちへの配慮」も行き届いていてすてきでした。
「魔法つかいプリキュア!」シリーズ構成の村山功さんが脚本を手掛け、「Go!プリンセスプリキュア」の監督、田中裕太さんの演出は、とにかく子どもたちを、そしてファンを楽しませよう! という気概に満ちていたように感じます。
初代「ふたりはプリキュア」の決めぜりふを最新作「HUGっと!プリキュア」が受け継いで新しい言葉で継承していく、という流れはまさに15周年にふさわしい仕上がりだったと思います。
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