レビュー

「ボロッボロ……大丈夫かこれ」 東武鉄道がいろいろすごい「2機目のSL」を復元する理由(1/3 ページ)

こ、この存在感、すごかった。復元前のSL 2号機の姿を写真でチェック【フォトレポート】

advertisement

 東武鉄道が名物の観光列車「SL大樹」に続く2機目の蒸気機関車(SL)を入手し、動態状態の営業を目的とする復元に着手します。11月14日、譲り受けた2機目が北海道から東武鉄道南栗橋車両管区内の南栗橋SL検修庫へ到着しました。


南栗橋SL検修庫へ到着した2機目のSL。かなり劣化した静態保存の状態から、動作・運用可能な動態保存の状態まで復元する

 うぉぉぉ何とすごい迫力、そして存在感……! しかし、何とも年月の経過を感じるボロボロ具合とすえたような匂い(香り)。ホントにこれを復元できるんだろうか……。ホントに動くようになるんだろうか……。

 今回は、東武鉄道が譲り受けた(正確には、日本鉄道保存協会より東武博物館が譲り受けた)2機目のSL「C11型蒸気機関車(江若鉄道C11の1号機/C11 1)」が東武鉄道南栗橋車両管区に到着し、南栗橋SL検修庫へ無事入庫するまでの様子を写真で紹介します。

advertisement

南栗橋SL検修庫のある東武鉄道 南栗橋車両管区

好評なSL大樹、東武鉄道の悲願「SL大樹を年間通して運行する」

 東武鉄道は2017年8月、東武鬼怒川線で約半世紀ぶりにSL運転を復活させました(関連記事)。「SL大樹」です。真っ黒でごつい車体、煙突から煙をモウモウ出しながらガシュガシュと動輪を回して力強く走る様子は、まるで巨大な生物のよう。SLはその姿を見るだけで人を魅了する力を持っています。


2017年8月10日に営業運転を開始したSL「大樹」(写真:東武鉄道)

 機関車はC11型蒸気機関車の207号機(C11 207)。休日を中心に東武鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間を約35分掛けて走ります。拠点駅の下今市駅を「昭和レトロ」に改装して当時の雰囲気を演出するほどまでに気合いを入れて運行しています。


「大樹」として運行するC11型蒸気機関車の207号機(写真:東武鉄道)

走行する「大樹」。この圧倒的な存在感がすごい(写真:東武鉄道)

 しかしSLは昭和時代初期に製造された古い車両。年に2カ月間は検査のために運行を停止します。意図しない故障や整備のために運休を余儀なくされることもあります。SLの運行は、乗客へ魅力的なサービスを提供する姿勢とともに、「鉄道産業文化遺産の保存」と沿線の観光地である「日光・鬼怒川エリアの観光活力を創生すること」が目的。1機体制ではどうしても運休期間があります。しかし2機体制ならば安定した運用ができ、稼働日数も拡大できます。

 「SL大樹を2機体制で運行し、年間を通して楽しめるようにする」「他線区でのイベント運転なども可能にする」。これが2機目を入手して復元を決めた東武鉄道の熱い思いです。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  4. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  5. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  7. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  8. 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  9. 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  10. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に