切らなければ「没収試合」 黒人レスリング選手がドレッドヘアを切る動画が拡散、批判の声上がる
「人種差別」と批判の声が上がっています。
米ニュージャージー州の高校のレスリング選手が、審判に没収試合になると言われドレッドヘアを切ったことに対し、批判の声が集まっています。
ブエナ・リージョナル・ハイ・スクールの黒人選手が対校試合に出場した際、試合直前に審判から「髪の長さとヘッドギアが規則違反」「規則に従わなければ没収試合になる」と言われました。選手がチームメイトにドレッドヘアを切ってもらう動画を地元メディアの記者が撮影してSNSに投稿したところ、審判が白人であったこともあり「理不尽」「文化を尊重していない」「人種差別」と批判の声が上がりました。
米国自由人権協会ニュージャージー州支部では「髪ではなく人種の問題」とコメントし、五輪出場経験のあるレスリングのジョーダン・ブローシュ選手は「レスリングを25年やっているが、選手が試合中に髪を切らなければならない場面は見たことがない。ナンセンスだ」と自身のTwitterで憤りを示しています。州知事も「生徒にアイデンティティーかスポーツかの選択をさせるべきではない」とコメントしています。
ブエナ・リージョナル学区はこの件について、審判は学区の職員ではないこと、ニュージャージー州高校体育協会(NJSIAA)の認可を受けた審判であったこと、また髪を切る決断は選手本人によるものだということを説明。校長やコーチが選手の保護者に連絡を取っていること、審判のルールの解釈についてNJSIAAに問い合わせていることも明らかにしています。
NJSIAAは、この件についての調査が終わるまでは当該の審判は試合を担当しないとコメント。海外の報道では、この審判は過去にレスリング関係者の会合で黒人の審判に対して人種差別的な発言をしたと報じられています。
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