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4月2日、Google+終了。月間ユーザー5億人、大統領やAKBも活用した「巨大SNS」の夢はなぜ破れたのか?(2/2 ページ)

Google+が失ったものと、残したもの。

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Google+使用の強制化に不満噴出

 2012年以降、Googleはやや強引な手法に打って出ます。例えばGmailを開設するときにGoogle+アカウント取得を強制したり、YouTubeのコメントにGoogle+アカウントを必須にしたりなど、Googleのサービスを使うためにはGoogle+のアカウントを使う必要があるように仕向けたのです。

 それは複数のサービスを垣根なく利用しやすくなるメリットもありましたが、この強引ともいえる手法にはユーザーから不満も集まり、YouTubeでGoogle+を非難する曲が400万回近い再生数を集めるほどに。

Google+のやり方を非難する歌

 さらに2014年4月には、Google+生みの親であるヴィック・ガンドトラ氏がGoogleを退社。ここから迷走が深まったといわれ、景気のいいニュースはなかなか聞かれなくなります。

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 2015年1月には、当時22億人を数えたユーザーの中で、YouTubeにコメントする人を除けば約400~600万人ほど、つまりわずか0.2~0.3%ほどしかGoogle+を使っていなかったという報告まで上がってきます。

Androidのプリインストール義務付けアプリから外れる

 2014年7月にはこだわってきた実名ポリシーを撤廃し、そのために参加してこなかった人たちへの理解を求めます。

 2015年5月には、Google+が生んだ最大のプロダクトともいえるGoogle+フォトが、Googleフォトとして分離。2016年9月にはハングアウトオンエアがYouTubeライブに移行し、事実上の終了を迎えます。


GoogleフォトはもともとGoogle+のプロダクトだった

 また2015年7月にはGoogleのほかのサービスへのGoogle+アカウントとの連携強制をやめることを発表し、8月にはAndroid端末へのプリインストール義務付けアプリからも外れたことが分かります。プリインストールされたアプリは、ユーザーが削除したくても削除できないもので、ここから外れたことは大きかったと思われます。

 これらの結果、Google+はなかなか人の目にふれることもなくなります。

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Google+、とうとう終了に

 そして2018年10月には、とうとう「2019年8月」での一般ユーザー向けGoogle+サービス終了が発表されました。調査によりGoogle+の利用が少ないことが明確になったとのこと。同時に公開設定でないプロフィールにアプリがアクセスできるバグが見つかったことも発表され、最大で50万件のアカウントに影響した可能性があったと明かしました。(関連記事)


Google+終了のアナウンス

 さらに同年12月には約5250万人の個人情報流出のおそれがあることを公表。不具合は1週間以内に修正されたというものの、これにより終了時期は「2019年4月」に前倒しとなりました。(関連記事)

死にゆくGoogle+と、生き続けるもの

 Googleの消えたサービスを弔う「The Google Cemetery」には、既にGoogle+の名前がありました。一般ユーザーの利用を終了したGoogle+は今後企業向けとして、ひっそりと生き残っていきます。

 鳴り物入りで登場したGoogle+は、

  • 先進的な機能への他社の追随
  • 実名制への固執でユーザー離反
  • Googleサービスへの強制的な紐付け

 などの理由で推進力を失っていきました。

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 しかしGoogle+が提示した革新的なアイデアを各社が取り入れたことで、これからも既存のSNSの中で生き続けていきます。

 そして記事後編では、独自性のあるコミュニティと運営サイドの取り組みの功罪が、「最後までGoogle+を愛したユーザーたち」によって語られます。

辰井裕紀

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