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歩くラッキースケベな先輩は、本当はひとりぼっち 「手品先輩」の喜劇と悲運

明るく楽しくちょいエロな日々と、やりきれない一面。

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(C)アズ・講談社/手品先輩製作委員会

 すっごく元気でめちゃくちゃおバカ。テレビアニメ放送中の「手品先輩」(原作アニメは、失敗率が限りなく100%に近いポンコツ手品コメディ。いろいろあやういハプニングとめげなさすぎる先輩との楽しくて厄介な日々、これもまた青春。

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 手品先輩と、後輩の助手を中心とした、ちょっとえっち……というかはしたないこの作品。歩くポンコツである先輩のしっちゃかめっちゃかさが人気のひとつではありますが、彼女のもうちょっと深いホントのところが、読んでいてうっすら感じさせられるから惹かれる部分、あると思います。

歩く丸出し女子、手品先輩

 確かに先輩は美人で恵まれボディ、非常にセクシーな存在ですが、どうにも彼女に起きるハプニングはエロというより、お下品寄り。ラブコメ作品に出てくるお色気要員と比べると、どうにも「見えすぎて引く」感が強いです。

狙ってできないぞ(3巻)

 ちょっと動けばぱんつが丸出しになる。スカートの中から鳩が出る。胸が全開むき出しに。視聴者として見てる分には「やったぜ」という感じですが、目の前で毎日のように先輩がそんな状態になったとしたら、反応に困るというもの。ありがたみも薄れるというもの。

 後輩という立場だとフォローで隠さないといけないのはちょっと大変。部室(正確にはちょっと違う)で2人きりの時ならまだいいものの、校内や外でおっぴろげてしまうとなると、人に見せるわけにゃいかない。騎士として守るというよりは、ひっくり返って見えてしまった子どものおむつを隠すかのようにも見えます。やっぱりこういうラッキースケベは、第三者的立場で見るからよいものなんだ。

2人きりだとおいしい(1巻)

 先輩、一応露出に対して、恥じらいはある様子。だから、2人きりだと結構おいしい。豊満ボディと羞恥をガン見できます。

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 先輩は割と、地雷原を裸足で歩いてしまうような無防備すぎるタイプ。自らハプニングに突っ込んでいくようなポンコツであるのが、この作品最大の楽しいポイントでもあります。本人が暴走するおバカなだけで、誰かにひどい目にあわされるわけではないから、安心して見ていられる

ハイスペック女子、手品先輩

 こうしてみるとスキがでかすぎるダメっ子のようですが、実は先輩はかなりハイスペック。作中では、失敗の様子を助手から見る視点なので、普段の様子は明確には描かれませんが、先輩は多方向にバランスが取れている万能タイプです。

 そもそも、彼女は奇術の腕はまあまあ高い。

できんじゃん!(4巻)

 極まれに、1人で手品の練習をするシーンが出てきます。その時はかなりビシッと決まっており、ほぼ成功もしているようです

 もともと彼女は好きなことにはのめり込む性格。努力を努力だと思わず、延々と特訓し続けられるタイプ。奇術用の鳩が欲しくてバイトに勤しもうとしたこともあります。手品の勉強も欠かさず行っているようで、著名な手品師など歴史にものすごく詳しい。ちらっとしか出てきませんが、学校の勉強もそこそこできるようです。

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 カードスプリングも、何も考えずやればお手の物。彼女のスケジュール表が丸一日奇術練習で埋まっていたこともあります。身体に染み付いているほどストイックに訓練を重ねているようです。

隠れすぎた才能(4巻)

 先輩実はものすごく足が速い。逃げようとした助手を追いかける場面が何度かありますが、大体追いついています。一度は陸上部にスカウトされ、その身体能力の高さを見せました。

 ほかにも、見ながらであれば絵も結構うまい、など平均的にスペックが高い。極端な話、手品をしなければいろんな方面で才能が開花しそうな人物です。

 もちろんそんな「もしも」はいらないわけで。好きだから手品をやっているのだから、どんなに失敗しようとも彼女の日々は間違っていない。陸上部生徒のように、もったいない、と思う人はいるかもしれないけれども。

極度のあがり症、手品先輩

 彼女のあらゆる才能や頑張りを無駄にしているのは、極度のあがり症な部分です。とにかく人の目がダメ。手品は人に見せるためのものだから、そこがダメなら何もかもダメです。

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技術はあるっぽい(2巻)

 アニメ1話でも描かれていた通り、大勢の人の前に出ると手品以前の問題でろくにしゃべることもできません。

 手品自体はできるのです。セミの前では成功させています。大したものです。

 でも人間の前では全くできない。ずっと一緒にいる助手の前、しかも目隠しをしていても失敗する。「悲運の天才奇術師」なんて大げさな自画自賛をしてはいますが、あながち間違っていないかもしれない。だって手品はできるんだもの。能力はあるんだもの。

泣ける手品先輩(2巻)

 友達は、いないようです。時間をかけたら人と仲良くなれるようなので、レベル高めな「人見知り」という感じ。にしてもこれはつらい。派手に大騒ぎしながらぱんつ丸出しな手品先輩が、1人だと超絶地味なぼっちに。

 もし助手に出会えていなかったら、彼女の高校時代はどうなっていたんだろう。

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この感覚はなんだろう?(3巻)

 本当に、本当に極まれですが、手品先輩が助手に対して静かな視線を見せることがあります。基本この作品は「ラブコメ」というほどはラブのない、ドタバタギャグ。けれども、手品先輩と助手の双方に、言葉にできない感情はゆっくり芽生えていきます。超絶人見知りあがり症の先輩は、なぜこんなにも助手にだけは心を許しているんだろう。

 夢中になれるものがあって、ときめくというほどでもない不思議な感情は抱いている。手品先輩は、思いっきり青春しています。

たまごまご

(C)アズ/講談社

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