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祝・ツインスティックついに完成! マシーナリーとも子、タニタ本社で「バーチャロン」のプロデューサーに会うの巻マシーナリーともコラム

ついに完成した「バーチャロン」用ツインスティックを触りに、マシーナリーとも子とタニタ本社へ突撃してきました。

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 バーチャルYouTuber、マシーナリーとも子による不定期コラム第15回(連載一覧)。今回はついに完成し量産間近となった、タニタの「バーチャロン」用ツインスティック(正式名称:VCD-18-c 18式コントロールデバイス ツインスティック)を、板橋区のタニタ本社まで触りに行ってきました。マシーナリーとも子、そういえばクラウドファンディングにも出資してたな……(関連記事)。

 また、この日はタニタのYouTubeチャンネル用の動画を撮影するため、なんと「バーチャロン」シリーズのプロデューサーを務める、Dr.ワタリことセガゲームスの亙重郎さんも同席。完成したばかりのツインスティックを触りつつ、開発に関わったタニタの大場弘さん、三和電子の齊藤邦男さんとともに、撮影前の短い時間でしたが、いろいろとお話をうかがうことができました。ではどうぞ!

ジョイボール懐かしいな……

ライター:マシーナリーとも子

徳で動くバーチャルYouTuber(サイボーグ)。「アイドルマスター シンデレラガールズ」の池袋晶葉ちゃんのファンやプロデューサーを増やして投票してもらうために2018年4月に活動開始。前世はプラモ雑誌の編集をしていたとも言われているが定かではない。現在はBOOTHでグッズを売ったりLINEスタンプを売ったりしている。
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/barzam154
ポータルサイト:https://www.machinery-tomoko.com/

総額1億3639万2058円を集め、商品化が決まったツインスティック

 ターミナルにカードを挿入して内容を確認してください。マシーナリーとも子よ。

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 バーチャルYouTuber界でもっともバーチャロンを愛するVの一人であるこの私だが、このたびツインスティックがついに完成したよ~んとのことでタニタに突撃取材する機会を得てしまった。

 一応あらためて説明しておくと、体重計などで知られるタニタが(なぜか)セガと協力して「電脳戦機バーチャロン」シリーズの専用コントローラー「ツインスティック」を開発することが決定。商品化のためにクラウドファンディングを実施し、3498人のパトロンから1億3639万2058円の支援金を集めることに成功したんだよ(2回のクラウドファンディングの合計)。また、これに並行して「電脳戦機バーチャロン(以下、OMG)」「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム(以下、オラタン)」「電脳戦機バーチャロン フォース(以下、フォース)」のアーケード3作品のPS4への移植が決定。いま、チャロナーと呼ばれるバーチャロンファンたちはツインスティックとバーチャロン移植を一日千秋の思いで待っているというわけよ。そのへんは以前の私のコラムでも語ってるのでそっちも読んでみてくれよな。

 しかも今回のインタビュー、セガゲームスの亙さんも来るんだってよ。亙さんと言えば、Dr.ワタリの異名を持ち、作品のプロデュースにとどまらず世界設定やサイドストーリーもガシガシ書き上げかつては富野由悠季監督とモノすごい対談をしたこともあるバーチャロン開発のドン! これはいろいろ面白い話が聞けそうだぞということでバーチャロンポジティブを高めてタニタに侵攻してまいりました。

「禁書VO」に対応した新ボタン配置

インタビューに応じてくれたみなさん。奥よりタニタの久保彬子さん(プロジェクト担当、ツインスティックTwitterアカウント運用)と大場弘さん(開発・技術担当)、セガゲームスの亙重郎さん(バーチャロンシリーズプロデューサー)、三和電子の齊藤邦男さん(開発・技術担当)

とも子:シンギュラリティのサイボーグ、バーチャルYouTuberのマシーナリーとも子です。本日はよろしくお願いします。ツインスティックにも出資しました。バーチャロンが好きすぎるので……。

久保:存じ上げております。出資ありがとうございます。ダンボールにも、ほら……。

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とも子:アッッッッ!!!

とも子:ある~~~!!! 私の名前!!!! バーチャロンのオフィシャルグッズに!!!! 歴史に名を刻んだぞッッッ!!! 金を出したかいがあった……。

こちらが今回完成したタニタによる「VCD-18-c 18式コントロールデバイス ツインスティック」。命名は亙プロデューサー直々のもの。もともとはPS4の「とある魔術の電脳戦機(以下、禁書VO)」用に開発されたためPS4のパッドに対応した各種ボタンが天板に配されているほか、従来作より使用するボタンが増えた「禁書VO」に対応するため、ターボボタンの両脇に新たにボタンが設けられているのが特徴

とも子:ツインスティック完成、おめでとうございます。クラウドファンディング初期に出たCGとはターボボタンの配置が変わってるんスね。いろいろ試行錯誤があったと思いますが、具体的にどんなダメ出しやフィードバックが行われたんでしょか。

クラウドファンディング時にサンプルとして提示されていたツインスティックのCG。スティック上部に配されたターボボタンの配置が現在の形とも、既存のツインスティックとも異なっている
こちらはセガ製のドリームキャスト用ツインスティックと、HORI製のXbox 360用ツインスティックEX(マシーナリーとも子の私物)。ターボボタンはスティックの上部に1つずつ配されている。アーケード用も同様だった
タニタの大場弘さん(開発・技術担当)

大場:当初はアーケード版の「フォース」のスティックを3Dスキャンしたものをベースに、ボタンを追加したものを試作品として作ってみました。が、やはりレイアウト的にかなり操作しづらいという声が出てきまして、三和電子の齊藤さんに相談しました。その後、他のアーケードゲームでより実績のあるレイアウトを採用しようということになり、今回のようなレイアウトに決定しました。

タニタ製ツインスティックのアップ。なじみ深い位置にセットされたターボボタンの両脇に、2つずつグレーのボタンが設けられている。これをトリガーやターボと併用することで「禁書VO」独自のトランジションや近接、ガードなどに用いる

とも子:追加されたグレーのボタンは「禁書VO」独自の操作に対応しているんスね。

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亙:そうですね。「禁書VO」では近接ロックに専用のボタンが割り振られているので、それらに対応するかたちです。例えばトランジション(※)はターボでのダッシュ中に親指をスライドさせるようにグレーのボタンを押すことで発動します。あと、キーアサインの変更も可能にする予定です。

※トランジション:「禁書VO」で実装された新システム。ダッシュや空中ダッシュ中から膝をついて相手をロックオンしつつ高速でスライドし、さらにダッシュやジャンプに移行することも可能。ちなみにトランジションは“過渡期”の意だが、これは暗にバーチャロンシリーズのメカデザインを担当するカトキハジメ氏から来ていると思われ、もっと言うと「オラタン」で実装された「バーティカルターン」が「ワタリダッシュ」のあだ名で呼ばれたことから来る意趣返し、だとマシーナリーとも子は思っている

セガゲームスの亙重郎プロデューサー(バーチャロンシリーズプロデューサー)

とも子:なるほど。基本的には従来の「バーチャロン」同様に、スティック上のボタンを組み合わせて使うことで「禁書VO」独自の操作も全てできるようになるんですね。「禁書VO」はパッドに最適化させたことで使うボタンが増えたので、ツインスティックにするにしてもボタンが足りないんじゃないか……? 操作性が従来作と変わるんじゃないか……? と心配だったのでこのボタン配置はかなりいいあんばいに感じますねえ。

亙:やっぱりバーチャロイドを操作してるときにスティックを放したくないじゃないですか……。

とも子:さすが!!! その通りですわ。

亙:ただ、ブーストウェポンだけは中央のボタンで発動する形になります。

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とも子:なるほど。過去作でも核ミサイルとかの特殊攻撃やレスキューダッシュはスティック中央のスタートボタンでしたもんね。ちなみに従来作と「禁書VO」でもっとも操作が異なる部分がジャンプジャンプキャンセルだと思うんですがそこについては……。

亙:今後、「禁書VO」にてツインスティック向けのアップデートも行う予定なんですが、その際に「両スティックを外側に開いてジャンプ」も実装します。

とも子:ヤッターーーー!! さすがにツインスティック握った状態で「ボタン押してジャンプ」は頭で分かってても身体が反応してくれなさそう感がスゴいので従来作通りにジャンプできるのはうれしいッスね!

ツインスティックについて解説する亙プロデューサー

大場:ターボボタンの脇のグレーのボタンは2つずつ設置されていますが、基本的には同じ用途のボタンになっています。例えば左スティックのグレーボタンにトランジションをアサインした場合、左スティックのどちらのグレーのボタンを押してもトランジションが発動するということですね。当初は親指が伸びる側、つまり内側に1つずつ付けようとしていたんですけど、それだと左右のスティックで別々のパーツを作らなければならなくなります。そうなるとコストが上がってしまうため、グレーのボタンは両脇に配置し、左右のスティックを共通の形状としています。また、今回は3Dプリンタでボタンの位置や押したときの角度などが異なるものを何パターンか作ってはセガさんに持っていきレビューをしていただきました。

亙:そういう、3Dプリントした試作品をガシガシ弄って試行錯誤するっていう期間が数カ月ありましたね。スティックの握り心地とか。指がかかる感じとかね。あとさっきも言ったように、ダッシュからトランジションに移る際に親指をスライドさせるんですが、指を滑らせやすいようにターボボタンの縁の角を落としてあるんですよ。こういう細かな調整もしてもらっています。いまは3Dプリンタがあるんでこういう試作を重ねてっていう作業は本当、やりやすくなりましたねえ……。

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大場:ええ……。毎週……出力されたツインスティックの試作品を背負ってセガさんに通うという生活を繰り返して……(遠い目)。

亙:(笑)

とも子:ツインスティック開発の苦労話、めちゃめちゃ「バーチャロン スキマティック(※)」っぽさあるな。

※バーチャロン スキマティック:1997年に発売された初代バーチャロンの副読本。関係者インタビューや関連製品紹介のほか、電脳歴の根幹に関わる、初代バーチャロンのバックストーリーが多くのページを割いて紹介されている。バーチャロイド開発陣がライデンをテキトーに開発したら死ぬほどコストが高騰してめちゃめちゃ怒られたり、ベルグドルをめちゃめちゃ安く開発しようとしたらクソ雑魚になってしまったりなど胃が痛くなるような面白エピソードが山程書かれたバーチャロン設定厨垂ぜんの一冊

ドルドレイ並に堅牢な耐久性

とも子:チャロナーがツインスティックについてもっとも気にしてるのって耐久性じゃないかと思うんだよね。めちゃめちゃガチャガチャして酷使するゲームだし。まわりのチャロナーに聞いてみると「ジャンプキャンセルや漕ぎをガシガシ入力しても大丈夫なのかが気になる」という声が多かったんですが、そういうテストとかってされてますか?

齊藤:そうですね……。実は弊社(三和電子)は業務用ゲームのジョイスティックを長く作ってるんですが、初代バーチャロンのスティックは弊社製なんですよ。

とも子:あ、そうなんですね。

三和電子の齊藤邦男さん(開発・技術担当)

齊藤:今回は生産の工程の関係上、ツインスティックの耐久性を都度都度テストを重ねたうえで高めていく……といったことはできなかったんですが、そこは弊社の持っている実績とノウハウを盛り込んで極力、耐久力が高い設計としています。

とも子:アーケード筐体基準の耐久性は確保されているということですね。

齊藤:そうですね。われわれはアーケード筐体のメーカーなので、部品はどうしても消耗していくものという考えも持っています。そのため、今回のツインスティックは消耗した部品をなるべく容易に取り換えて元の状態に回復できるようメンテナンス性も高めています。

とも子:ツインスティックを購入した人たちが、修理するためのパーツを購入できるような環境も今後できるってこと?

齊藤:そうですね。まだ具体的にどういう形でパーツをご提供するかは検討中なんですが、何らかのかたちで補修部品の対応をしていきます。

亙:僕が開発中に三和電子さんから聞いてきた話としては、三和電子さんは長い間業務用ゲームのお仕事をしているので、いわばジョイスティックの「弱点」みたいなものもつかんでいると。以前から「ここは壊れやすいぞ」といわれてきたポイントについては改善したものが出来上がってます。

初代OMGスティック(三和電子製)の弱点を克服した、最強のツインスティックになったとのこと

とも子:いうなれば過去最強のツインスティックになっているというわけですね。

齊藤:ツインスティックには大きく分けて、弊社が開発した初代アーケード仕様のものと、セガさんが開発したセガサターン用ツインスティック以降のものの2つがあります。それで弊社が開発したものは操作性があまり良くない、レバー操作の入力が入りづらい場合があると言われてたんですね。また、セガさんの開発したスティックでは、特に「捻り」に対する耐久度が低いという声もあって、そうした意見を踏まえて、操作性についてはレバーの操作角を改善したり、「捻り」に対する強度も高めていったりしています。

亙:過去のツインスティックは回転させることでどうしても1番底の軸受けのところに負荷がかかってしまっていたんです。

とも子:ああ……そうですねえ……。よく「砕けちゃう」って話がありましたわ。

亙:ええ。ですのでそのへんは特に今回は強化してますね。

大場:ちなみにツインスティックのスティック部って、サターン版、ドリームキャスト版、それからアーケードだと「オラタン」「フォース」は全部基本的に同じものなんですよ。

とも子:あ、そうなんだ。なんかドリキャススティックよりアーケード版のがカタい感じのイメージあったけど。

大場:成形品や仕組みは同じということですね。で、トリガーのところを開けてみると分かるんですけど、トリガーって奥にスイッチを押すためのバネのようなパーツがついているんです。あれがよく折れるという話があったんですね。

とも子:ア! なんかそうだった! 言われて思い出したけどドリキャス版のツインスティック分解してみたことある……。「へぇ~トリガーの奥ってこんなんなってるんだ」って思った記憶ある……!

大場:分解する際にも基板とつなげるための端子があって、それを外さないと軸が穴を抜けられなくて、スティック部と本体を分けられなかったんですよ。だからメンテナンス性が悪かった。今回は出資者の方々から、そうした細かい不満点をヒアリングしていたんですが……。じつは齊藤さんがそうした改善点をお伝えする前に全部直してしまっていたんですよ。

とも子:先読み能力がハンパねえ。さっき亙さんが仰ってた「弱点を知ってる」ってのはそういうことだったんですね……。

大場:そういう部分でも三和電子さんはさすがだなって感じですね。

亙:あと、以前のツインスティックは基部のユニバーサルジョイントのつくりが甘かったんですよね。そこを全部見直してカッチリとさせたので……前よりは持つんじゃないかな~。

大場:ジョイント部分はPOM……ジュラコン製になっているのでかなり丈夫になっています。以前のもののように割れるってことはほぼなくなったと思います。また、もう一つ耐久性について補足させていただくと、今回のツインスティックはスティック部の成形品の材質にポリカーボネイトを使ってるんですよ。これまでのツインスティックはABS製です。だから成形段階での強度も比べものにならないほど上がっています。耐衝撃性も強いですし、握っていただくとこれまでのツインスティックに比べて硬い感じというか、強度感を覚えると思いますよ。

亙:ボタンもこれまでの基板を直接たたくような形から、全てマイクロスイッチ化しましたので、以前に比べてめちゃくちゃ耐久性はありますよ。

とも子:ホントだ。スイッチの感触なのか、これまでのツインスティックのトリガーのクニュっとした感じからカチカチ感が増してますね。これは使う人の好みもあるかもしれないけど私は「ボタン押してる感」が増して好きかも。

齊藤:ボタンを押すときの手応えがあると思うんですよね。

亙:ちなみに今回のツインスティック本体の大きさは「アストロシティ(※)」筐体のコンパネと同じ大きさに作ってあるんですよ。

※アストロシティ:90年代にゲームセンターで大活躍したセガ製のアーケードゲーム筐体。「OMG」「オラタン」はコックピットを模したデラックス筐体のほか、通常のアーケードゲーム同様、アストロシティにツインスティックを取り付けた形のものも運用されていた。あと後継機の「ブラストシティ」もよく使われていた

とも子:ア! なんか親しみあるサイズだと思ったらそういうことだったのか!

亙:HORIさんとXbox 360用に作った「ツインスティックEX」のときも本当はアストロ筐体サイズで作りたかったんですよね。そのときは無理だったんですが今回はスティック同士の間隔も含めて再現できました。

齊藤:実はアストロシティ対応のバーチャロン筐体のパネル図面が社内にあったんですよ。それを元に、まったく同じくなるように再現しました。

亙:実際のアストロシティ筐体にもハマるサイズになっているので、家で楽しむだけでなく、各地のゲームセンターに残っている「バーチャロン」の延命にも使えます

とも子:各地で稼働しているバーチャロン筐体はさすがにかなり傷みが来てて、スティックのメンテナンスが大きな課題でしたからね……。ここでキレイなツインスティックが現れるのはウレシイ。

ゲーセンに通い詰めていたオタクなら「言われてみれば……」と幅を測ってしまうこと請け合いのサイズ。幅広なので安定性もかなり高い

亙:ちなみに、ツインスティックって前後に動かすものなので、これでもまだ安定性が十分かというとそうでもないんです。やはり少し浮いちゃうんですね。だから最初は奥行きが倍ある化け物みたいなものも試作していました。

大場:これですね……。

試作のみされた奥行き倍サイズのツインスティック。家庭用ゲーム機のコントローラーに許されるサイズではない

とも子:デカッッッッ!!! さすがにこれはヤバいですね……。

大場:なので、製品版は奥行きを抑えつつ安定した操作ができるよう吸盤をつけました。これでテーブルなどに固定すれば「漕ぎ」もできると思いますよ。

製品版の裏にはテーブルに固定するための吸盤が用意されている。内側に設けられた穴は、小さな机でもツインスティックを扱えるようにするための吸盤取付部。それぞれの遊び方のスタイルによって二通りの位置から選択できるというわけだ。さらに小さい穴はいっそテーブルにネジ止めしてしまいたい人用のネジ穴とのこと

バーチャロンシリーズの今後

とも子:せっかくなんで、ツインスティックから少し離れて「バーチャロン」自体についてもお伺いしたいと思います。せっかく亙さんとお話できる機会だし……。

亙:どうぞどうぞ。

とも子:今回のクラウドファンディングの成功にも大きく関わってることだと思いますが、「OMG」「オラタン」「フォース」の過去3作品のPS4移植が決定していますよね。今回の移植にあたっては、何かプラスアルファの要素はあるんでしょか? 例えば「禁書VO」では「オラタン」の機体を、まるでハイエンドCGのようなグラフィックで動かせることにとても感動しました。今回の移植でも、例えば「禁書VO」のような形でグラフィックがアップデートされることはないのでしょうか。

「オラタン」のキャラクター選択画面(テムジン)
こちらは「禁書VO」のテムジン。登場バーチャロイドは同じながら、後者はグラフィックの質が大幅に向上。宣材として使われたハイエンドCGに近い質感となっていた

亙:グラフィック面でいうと、「禁書VO」レベルのアップデートというのはないですね。むしろグラフィック面よりも「どう遊んでもらうか」という面で工夫ができればと思っています。

とも子:ほう! 例えばネットワーク対戦のロビーがXbox 360版よりも強化されているとか……?

亙:まだ思いっきり開発中ですので、ちょっと具体的に言えるのはもうちょっと先になってしまうんですが(笑)、単純に対戦環境の整備というだけでなく「あんなこともできたらいいな、こんなこともできたらいいな」という案をスタッフ間で出し合っているところです。もうちょっと遊び方のプラスアルファができたらなと。

とも子:Xbox 360版のベタ移植というわけではなく、また違った形になるということですね。

亙:まあ……もしかすると!(笑)

とも子:期待してます! ところで亙さん、「禁書VO」より以前に「ワンマンレスキュー(※)」のリブート企画をされていましたけど……。

亙:ワハハハ(笑)。

ワンマンレスキュー:1999年から2000年にかけて『月刊ホビージャパン』で連載されていた、「OMG」と「オラタン」のあいだの外伝エピソード。「MARZ」などにも登場したエリート部隊S.H.B.V.D.と、活動を開始したばかりのRNAとの戦いを描く。2012年よりリブート企画がスタートし、各種イベントや通信販売にて書籍がVol.3まで発売されていたが、現在停滞中

とも子:「ワンマンレスキュー」に限らず亙さんが手掛けてきた「スキマティック」なり「真実の璧(※)」なり、あるいはプラモデルの説明書に書かれているものだったりといった、バーチャロンの世界設定に関する文章がめちゃめちゃ好きだったんですけど、今後「ワンマンレスキュー」リブートの続きであったり、また別の形でバーチャロンの世界観を補強するような文章を書かれたりしないのでしょうか。

※真実の璧:「オラタン」に登場するVR、及び世界設定について書かれた書籍。書かれている世界設定やゲームで描かれなかったバックストーリーもさることながら、美麗なVRのハイエンドCGが死ぬほど見れるのがうれしい「オラタン」ファンのバイブル

亙:実はそういったデータが入ってたハードディスクがクラッシュしちゃったんですよね……。

とも子:え゛ッッッッッ!!!!

亙:いまゼロから再構築中なのでめちゃめちゃ時間がかかってるんですよ……。公にしてない話も含めて全部なくしちゃって……。

とも子:ウワーッ……。でも再構築中ということはそれが終われば、あるいは続きが……ということですかね。

亙:場合によっては……! ですね。

とも子:なるほど……。バーチャロンの世界設定と言えば、セガをモチーフにした会社(※)が登場したり、開発されてるときの環境などを文芸設定に取り入れたりとメタ的なネタも取り入れてくるのが特徴ですが、例えば今後、バーチャロンの世界に何らかの形でタニタさんが登場したりすることもあり得るんでしょうか。

※セガをモチーフにした会社:バーチャロイドの戦闘用であるM.S.B.S.は開発をSE社(Sentinel Erectronics Inc.)、供給をGA社(General Aerodine Inc.)が担当しているという設定。だからバーチャロイドは背中にセガサターンやドリームキャストを背負っているんですね

亙:へっへっへっへっへ(笑)。どうなんすかね……まだ具体的には考えてないです(笑)。

とも子:場合によってはあり得るということですね! いやはや、ワタリ文の復活楽しみにしております。今日はありがとうございました!

と、言いつつツインスティックの天板にはタニタモチーフのロゴが刻まれているのだった。これはバーチャロンのグラフィック担当の森氏がエイヤと作ってしまったとのこと。カッチョいい~!
その後のYouTube用動画の撮影の様子(この記事が掲載されるころには動画も公開されているはず)

 と、いうわけでいよいよ出資者への発送に向けて量産間近なタニタ製ツインスティックのインタビューでした。現在、タニタ公式YouTubeでは本インタビューに前後して収録された関係者座談会の動画が公開中! こっちも見てくれよな。じゃ、「オラタン」「フォース」が移植されたらマシーナリーとも子と一緒に遊ぼうな(OMG苦手なんだよ)! ほんじゃな。

タニタ社長よりツインスティック支援者のみなさんに向けてメッセージ

私も支援者の一人なのですが、役得でひと足早く完成品に触れさせていただきました。正直、「一生もの」の名に恥じないツインスティックに仕上がっています。支援者の皆さん、ご期待いただいて大丈夫です! 商品が届くのを楽しみにしていてください。また、引っ越しなどで住所が変わられている方は、CAMPFIREのマイページから設定変更を忘れずに行ってください。よろしくお願いします(タニタ代表取締役社長 谷田千里)

追記:動画公開されました!

 ツインスティック・プロジェクトの公式サイトが更新され、YouTube動画が公開になりました。併せて、完成版ツインスティックの詳細な仕様なども解説されています。

「ツインスティック開発担当者座談会」の動画を公開しました!(ツインスティック・プロジェクト公式サイト)

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