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子ども視点で「虐待をVR体験する動画」がつらい 横浜で起きた幼児虐待をリアルに再現し、被害の早期発見目指す

最後まで見るのは本当につらい。

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 子どもの視点で虐待をVR体験し、「児童虐待対策につなげよう」というプロジェクトがスタートし、YouTubeでパイロット版が公開されました。リアルな児童虐待を想起させることで、惨事の「早期発見」を促す狙い。

 「“世の中の負”を引き上げる」ことを意義として設立されたWESTE & Co.が発表したのは「児童虐待体験VR」。ヘッドマウントディスプレイを着用した状態でYouTubeアプリを使用すると、6分54秒のVR動画を子どもの主観でリアルに体験することができます。

 動画で描かれるのは2018年に横浜市で発生した幼児虐待事件を再現したもの。以下、動画の内容についての記述がありますので、苦手な方はご注意ください。

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 主人公は幼稚園に通う児童で、若い母親と、同居している若い父親が登場します。冒頭「とりあえず幼稚園に行かなきゃいけないから」と母親が電子レンジであたためたできあいのお弁当と箸、ミネラルウォーターなどを主人公の児童の前を差し出してきますが、お弁当の内容は魚のフライの入ったのり弁で、幼稚園児が食べるにはハードルが高そうです。

「児童虐待体験VR」の冒頭

 そんな中、父親は「俺の飯はどこなの? 早く持ってこいっつってんの飯を!」と机をたたき、「マジクソだなお前ら……」とスマホ片手に悪態をついています。その後は父親に追い詰められた母親がいらだった様子で「早く食べて。ね? ね? 良いから早く食べなさいよ!」と激高。児童が泣き始めると「なんで泣くの!? あたしが悪いみたいじゃないのよ!」と大声を出し、「外に立ってなさいよ!」と叫びます。

父親に追い詰められて激高する母親

 その様子を見ていた父親はさらにいらだった様子で「お前らマジうぜぇ!」と理不尽な怒りを爆発させ、児童には「お前もう一回外出ろ!」と怒鳴り、母親には「お前ちょっとこっち来い」と母親を別室に連れて行きます。母親はこの後の展開を予期し、「やめて! やめてよ!」と抵抗を試みますが、父親の力には及ばず、絶叫。父親の「マジ殺すぞ!」という声が響くのでした。

 その後はベランダに出された児童のもとにタバコを吸いに来た父親が現れ、「お前さぁ母ちゃんのこと好き? 嫌いだろ? 俺がそのうち殺してやっから」とニヤニヤ。「二人だけの約束な、ナイショだぞ。手貸して」と、笑顔で複数回たばこを押し付けたうえ、「そういう目で俺をみんなをマジで」「お前さぁ口で言っても分かんねぇよな。母ちゃんと一緒にマジ殺すぞ」とこぶしを振り下ろし、ベランダに児童を放置する様子が描かれます。

児童にタバコを押し当てる父親

 最後は泣いている母親に父親が「俺が悪かったよ……」と話しかけているところを、児童が見つめているという場面で、「前みたいに仲良くやろう」と父親が呼びかけると、「前は良かったんだもんね……なんであいつがいるの……」と児童をにらみつける母親。精神が不安定になっている母親は「これでさ、アイツきれいにしようよ」と洗剤のボトルを持ち出し、母親と父親が2人がかりで「いいにおいだよ。おいしいよ」「きれいになろうね」「きれいになるよ」「いい子だ」と優しい声を掛けながら児童に笑顔で洗剤を飲ませるという展開に。「児童相談所への虐待通告は10万件以上(平成27年度) 悲劇は今この瞬間も起こっている」というテロップが出て動画は終了します。

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児童に洗剤を飲ませる母親と父親

 リアルな体験をすることで感じられる虐待の恐怖や理不尽な仕打ち。虐待被害の早期発見や虐待してしまっている側の意識の変化が望まれます。

画像:児童虐待体験VR パイロット版より

(Kikka)

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