スマホで「ピザ屋さんスクーター」借りられる(!!) このサービス何? 「HELLO SCOOTER」早速使ってみた【写真10枚】(3/3 ページ)
「原付スクーター」を分/時間単位で借りられるサービスが登場! でも……どんな人向けなの?
スクーターシェアのHELLO SCOOTER、「某出前サービスの配達パートナー」にピッタリ?
HELLO SCOOTERで借りられる原付スクーターは、ホンダの「ジャイロキャノピー」という50ccの屋根付き三輪スクーターです(取材時点)。
こちらは宅配ピザ店などで多く活用される「働くバイク」として街中でよく見かけるおなじみのスクーター。でも商用モデルなので、ピザ店などで働かない限り、乗ったことがある人まではあまりいなさそう。ちょっと珍しい体験ができます。(個人でも買えますが、結構いいお値段がします)。
筆者も今回、このジャイロキャノピーには初めて乗りました。カーブで車体を傾けても後ろの二輪は傾かないちょっと独特な運転感覚。でも、基本は普通のスクーターと同じように乗れて、かなり安定感があるという印象です。基本的に、2輪のスクーターよりも安心感があります。もう1つ、屋根があるのでちょっとの雨ならば心配なし! ワイパーまで付いています。
しかし一応、その構造上「三輪だから倒れない」わけではないことに注意です。パーキングロックをかけることで手を離しても自立しますが、それを忘れると倒れます(しかも、結構重いです)。
では、なぜ特殊でコストもそこそこ高額と思われる「ジャイロキャノピー」なのでしょう。
1つは、積載力と鍵付きボックスがあるので、貸し出し用システムを装備しやすいこと。そしてもう1つ。最近都市部でよく見かけるようになった某出前サービスの配達パートナー需要を想定しているのかもしれません(関連記事)。
実際、自転車シェアの競合サービスには配達パートナー向けの専用プランが既にあるほどで、この手のサービスにとっては無視できない存在になっています。コスト、速さ、利便性(駐輪、駐車など)など、どちらが適しているのかは配達先や天候などその時の状況によって変わるはずですが、移動が「体力的に楽」なのは大抵の場合、自転車よりもスクーターでしょう。「選択肢が増える」のは喜ばしいはずです。
使ってみた感想としては、片道の乗り捨て利用を何も考えずに選べるぐらいにまでステーションが増えれば、都心には意外と多い「電車で行っても、歩いて行ってもビミョーに遠い」スポットへの移動に使えそうです。ジャイロはスクーターながらも荷物もそこそこ詰めるので、ビジネス用途にもアリです。
しかし「数時間借りて用事を済ませてから元の場所に返して帰る」……という使い方だと、恐らくは電車やバス、自転車シェアサービスの方が安く、12時間パックや24時間パックで都心から外に出るくらいまで長距離を走るならば「ここまでカネを出すならば、もっと快適なカーシェアやレンタカーでしょう」と思います。使いどころがどうにも難しい印象を持ちました。
一方、アプリの使い勝手は自転車シェアで使い慣れたものと変わりなく、迷うことなく使えました。車両そのものも、少し乗り慣れれば安定感があって、コケる心配をしてしまいがちな普通のスクーターよりも安心して乗れます。
ちなみに2019年7月のサービス発表時のプレスリリースによると、ジャイロキャノピーの他に、屋根なし三輪の「ジャイロX」、商用二輪の「ベンリィ」も配備予定だそうです。いずれも商用車種ということで、かなり明確に配達需要を見込んでいることが伺えます。
ステーションと車両の数が「増えて」からが本番 125cc超クラスの配備にもちょっと期待
今後の課題はやはりステーションと貸し出し車両の数です。まだ少ないのは仕方ありませんかね。これが増えてきてからが本番でしょう。
ステーションは「もっと使いやすい場所にしてほしい」と感じました。都内では場所が限られていて難しいことは分かっていますが、今回利用したステーションは4車線一方通行の上り坂の「右側」という、重くて非力なジャイロキャノピーではなかなか苦しい場所にありました……。
最後に、これは課題というよりは期待することを。登録時に所有免許の種別を細かく入力するようになっていたり、免許審査が完了したさいに届いたメールに「ご登録の免許種別に応じた車両のご利用が可能となります」なんて意味深な一文があったりと、今後、50ccスクーター以外の車両が出てきそうな予感もしました。正直、都内の移動に50ccではツラい……ので、車両が125ccクラスにまで広がるといいなぁと思います。
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