「餃子、パリッとさせたくて」 大石昌良、「グリッドマン」MAD元ネタを「シャニマス流行語大賞」推薦に至るまでの1年を振り返る(1/2 ページ)
本人巡回済みどころか本人推薦。
ミュージシャンの大石昌良(オーイシマサヨシ)さんが11月20日、スマートフォン用ゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)」で実施中の「#シャニマス流行語大賞」に「餃子、パリッとさせたくて」という一言を投票しプレイヤーたちがざわついています。なぜそのせりふ……? というか大石さんシャニマスに楽曲提供してないよね……? という人も多いと思われますが、全てを理解するには話が1年前までさかのぼります。
25年の時を経て、グリッドマン見参!
2018年10月、「SSSS.GRIDMAN」というアニメが放送されました。これは1990年代に放送された円谷プロダクションの特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」を原作とした作品で、アニメ制作はTRIGGERが担当。記憶を失った少年の響裕太と、ハイパーエージェント・グリッドマンの活躍が描かれました。
そんな同作のオープニングテーマ「UNION」を制作したのが、大石さんです。サビの「目を覚ませ僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ」という今どきにしては珍しく直球な歌詞と軽快なメロディーが非常に耳に残る曲で、アニメ自体と人気と合わさりMAD動画なども大量に作られました。
2カ月の時を経て、パリッとマン見参!
12月に「SSSS.GRIDMAN」が最終話を迎えてから2カ月が経過した2019年2月5日。ニコニコ動画に、「シャニマス」を題材とした「SSSS.パリッとマン」なる「UNION」のMAD動画が投稿されました。
これは、「シャニマス」の登場キャラ「風野灯織」が餃子を“パリッと”焼くため調理に励むゲーム中のシーンから始まり、途中で「あ、餃子の底焦げてし『まーう』」の「まーう」のところから「UNION」の歌詞「約束まで消えてし『まーう』」がかぶさり曲が流れ出すというもの。グリッドマンや大石さんはシャニマスとも餃子とも特につながりがなく、なぜこの発想に至ったのかはあまりにも謎です。餃子をキメまくったとしか思えません。
が、そのカオスっぷりが「シャニマス」プレイヤーの間で人気となり、広く拡散されることに。その結果、2日後の2月7日に大石さん自身がとうとうTwitterで一言「SSSS.パリッとマン とは」と言及するに至りました。パリッとマンが、大石さん公認となった瞬間です。
よみがえるパリッとマン
「パリッとマン」が大石さんに公認された2月から、しばらくの間何事もなく時がたちます。春になり、桜は散り、夏が来て、葉は紅葉し、9カ月のときが経過した11月。その時はやってきました。「シャニマス」公式企画、「シャニマス流行語大賞2019」です。
これは、プロデューサー(「シャニマス」プレイヤー)の間で最も話題になった言葉を決めるもので、投票はハッシュタグを付けてTwitterに投稿して行われます。ノミネートされた言葉は、最終的に公式生放送の中で投票が行われ大賞を決定するとのこと。
そんな「シャニマス流行語大賞2019」に大石さんが投票した言葉が、「餃子、パリッとさせたくて」でした。自分が関わった訳ではないゲームの、9カ月も前に1ユーザーが作ったに過ぎないMAD動画のネタに票を投じたのです。なんというファンサービス。何という懐の広さ。大石さん……あなたの餃子、最高にパリッと仕上がってるよ……。
MAD動画を作ったユーザーも大石さんのツイートを補足しており、「なんだこの胸アツ展開…!!」と興奮気味な様子です。また、大石さん公認の力もあってか、「パリッとマン」は100万再生を達成しています。もうみんなパリッパリだよパリッパリ。
予想外の援護を受けた「餃子、パリッとさせたくて」は、本当に大賞を取ってしまうのか。パリパリに焼き上がった餃子を食べながら見守りたいところです。
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