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山の中から何かがバスを見ている 女子大生とバスの運転手が怪異に出会う漫画「山姫」が怖さと切なさをかき立てる(1/2 ページ)

怖さと切なさと優しさのあるお話。

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 山道を通るバスを、山の中から何かが見ている――不思議で怖いお話「山姫」がTwitterで人気を集めています。作者は漫画家の紺野アキラ(conno_33)さん。

 女子大生、みどりは“悪い気”のたまった山で育ったことから、霊や妖を見ることができます。彼女は怖がりのバスの運転手、田辺に頼まれ、大学までのバス代をタダにしてもらう代わりに厄介事を解決しています。


何かが見ている……

 ある日2人が目撃したのは、山の中からバスを見ている、人らしき姿をした何か。霊感のない田辺にもその姿は見えていました。“何か”の出現が続き、田辺があまりにおびえるので、みどりは山を探索することに。山中で、人間の女性のような姿をした化け物に遭遇します。けたたましい声を上げ、恐ろしい形相で襲いかかってくる化け物。ピンチに陥った彼女を助けたのは、勇気を振り絞って助けにきた田辺でした。どうにか難を逃れた2人は、化け物が山に住む妖怪「山姫」であることを知ります。

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襲いかかってきた「山姫」

 山姫は、山に迷い込んだ人間が正体という説もある――山姫の姿は、ニュースで見た行方不明者にそっくりでした。山姫になってしまった行方不明者はもう山からは出られない。それを聞いた田辺は顔を曇らせます。

 後日、山姫がいつも立っている場所にコンビニ弁当が置かれているのを目にしたみどり。山姫は山から出たかったからバスを見ていたのではないか――そう思った田辺が、彼女のためにと供えたものでした。完全に妖化して田辺からは見えなくなった山姫ですが、みどりには彼女が微笑んでいるのが見えたのでした。

 みどりに襲いかかったときは恐ろしい形相をしていた山姫が、最後には穏やかな表情を見せたのは田辺の優しい思いが伝わったからでしょうか。ハラハラする山姫との対決から、その正体を知る切ない展開、そして優しい結末へと、悲しいながらも温かい余韻が残る流れが秀逸です。

 同作は以前に「サンデーうぇぶりゲッサンルーキーズ」に読み切りとして掲載されたもの。読者からは「怖かった」「泣きました」「しんみりしました」といった感想や、みどりと田辺のお話を「シリーズ化してほしい」といった声が寄せられています。2人が怖い事件を解決していくシリーズ、見てみたいですね。

 紺野さんは他にもTwitterで読み切り作品を公開しており、noteにもちょっと不思議な漫画を投稿しています。

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読み切り作品「菌活!!」

「山姫」

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