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WOMマーケティング協議会、「アナ雪2」などのステマ騒動受け「なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました」

それがステマであろうとなかろうと、「消費者が保護されていないようであれば『WOMJガイドライン』の精神に反している」との考えも示しました。

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 ディズニー映画「アナと雪の女王2」のステルスマーケティング疑惑(関連記事)をきっかけに、Web上で再び「ステマ」に関する議論が活発化しています。一連の騒動を受け、いわゆる「ステマ防止ガイドライン」を定めているWOMマーケティング協議会(WOMJ)に対応を聞いたところ、「一連の騒動を受けまして、なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました」との回答を得ました。

ご質問の件につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。
このたびの一連の騒動を受けまして、WOMマーケティング協議会では、なんらかの声明を発表するべく検討を開始いたしました。
そのほか、調査活動やガイドラインの改訂に向けた議論などは常設の委員会にて検討を続けております。

もともと「WOMJガイドライン」ではステマ(ステルスマーケティング)という言葉の定義については言及しておりません。
この背景には様々な理由がありますが、その中の大きなもののひとつに、避けられるべきは「情報受信者たる消費者の、正しく情報を知る権利の毀損」および「情報発信者たる消費者が正しく情報を発信しないことによる社会的信頼の失墜」であるという考え方があります。
あるマーケティング・コミュニケーションにおいて、消費者の権利が保護されないものはそれがステマであろうとなかろうと排除されるべきであるという考え方です。

そのため、あるマーケティング・コミュニケーションにおいて、その関係者が仮に「ステマではない」としても、「WOMJガイドライン」に照らして不適切であるとする場合は大いにありえますし、このたびの騒動でも、いくら関係者が「ステマではない」と表明したところで、消費者が保護されていないようであれば「WOMJガイドライン」の精神に反していると判断をさせていただいております。

 WOMJによれば、もともと同団体では「ステマ」という言葉について明確に定義しているわけではないとしつつも、根底にある考え方として「消費者の権利が保護されないものはそれがステマであろうとなかろうと排除されるべき」であると説明。仮に関係者が「ステマではない」と表明していても、実態として「消費者が保護されていないようであれば『WOMJガイドライン』の精神に反している」との見方を示しました。

 WOMJはネット上の「口コミマーケティング」市場の健全な育成と発展を目的として、2009年に設立された団体。2010年に定められた「WOMJガイドライン」では、口コミを使った宣伝を行う際には広告主と発信者の「関係性」を必ず明示するよう定めており、いわゆる「ステマ防止ガイドライン」として、Web広告業界では広く参照されています。

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WOMJが「関係性明示」のために定めているハッシュタグ(WOMJガイドラインより)

 問題となっていた「アナと雪の女王2」では、7人の漫画家が一斉に「アナ雪2」の感想漫画をTwitterに投稿しましたが、当初はPRであるという説明がなく、ネット上では「ステマではないか」と非難を浴びていました。なお、ウォルト・ディズニー・ジャパン側は後に公式サイトで「PRと明記してもらう予定だったが抜け落ちてしまっていた」と公式に謝罪したものの、あくまで伝達ミスでありステマという認識はなかったと編集部の取材に答えています。

 SNSを使った「ステマ」を巡っては10月にも、吉本興業「ミキ」の京都市応援ツイートがPR表記を入れておらず「ステマではないか」と物議をかもしましたが、このときは「京都市盛り上げ隊」などのハッシュタグをつけていたことから、吉本興業側は「プロモーションだと世間一般にご理解いただける」「ステマではない」との見解を示していました(関連記事)。

 なお、ディズニーについては「アナと雪の女王2」以外にも、過去「アベンジャーズ/エンドゲーム」や「キャプテン・マーベル」などの作品でも同様のマーケティングを行っていた可能性が指摘されており、現在ウォルト・ディズニー・ジャパンに事実確認を行っているところです。

WOMJの会員一覧。電通や博報堂、UUUM、サイバーエージェントなどの名前も(公式サイトより)

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