吉本興業「ミキ」が1ツイート25万円でPR表記なしの宣伝ツイート 依頼した京都市は「誤認させる投稿ではない」とステマ認めず(1/2 ページ)
【追記】吉本興業のコメントを追記しました。
京都市がお笑いコンビ「ミキ」の昴生さんと亜生さんに有償でのプロモーションツイートを依頼した際、ツイートに「PR」などの表記が含まれていなかったことを巡り、ネット上では「ステマ(ステルスマーケティング)ではないか」との声があがっています。依頼元の京都市を取材しました。
物議をかもしているのは「ミキ」の2人が2018年に行ったツイートで、10月10日には兄の昴生さんが、「大好きな京都の町並み!!京都を愛する人なら誰でも,京都市を応援できるんやって!詳しくはここから!」とハッシュタグ「#京都市盛り上げ隊」「#京都国際映画祭2018」「#京都市ふるさと納税」を付けて、京都市のふるさと納税のページのURLを投稿しました。
また同日には弟の亜生さんが「京都最高ー みんなで京都を盛り上げましょう!!京都を愛する人なら誰でも,京都市を応援できるんです!詳しくはここから!」としたうえで、「#京都市盛り上げ隊」「#京都国際映画祭2018」「#京都市ふるさと納税」を付けて、京都市のふるさと納税のページのURLを投稿。2人のツイートはそれぞれ100件程度RTされたほか、昴生さんが1400件程度、亜生さんが2200件程度の“いいね”を獲得していました。
ところが約1年後の2019年10月になってこの投稿が京都市からの依頼で行われたことが発覚。京都新聞が「漫才コンビのツイート1回に50万円 京都市が吉本とPR契約 識者『驚く額、誤解与える手法』」と報じると、ネット上では「意図は分からなくもありませんが契約ありきの呟きと私的の呟きは受け手の受け取り方が異なると思います」「金額うんぬんより、ステマ広告ということが問題では?」と批判の声があがっています。
(※)ステマとは……ステルスマーケティングの略称。消費者に宣伝と気づかれないように宣伝を行うことを指す。2012年ごろには多くの芸能人がステマに加担していたとして謝罪する騒動もあった(関連記事)。
京都市「何かを誤認させる投稿ではなかった」
PR表記のないPRツイートは何故行われたのか。ねとらぼ編集部は京都市市長公室に取材を申し入れました。
――京都新聞の報道を見ました。ミキの2人に有償でツイートを依頼したのは事実でしょうか。
京都市:京都市ではこれまで、市政を知っていただく活動の一環として吉本興業さんと一緒にPR行っており、その中の1つに「ミキのお二人にツイートをお願いする」ということがありました。
――ツイート1回につき50万円を支払ったと報じられていますが、間違いなかったでしょうか。また京都新聞が示している吉本クリエイティブ・エージェンシーからの請求書について、出所を教えて下さい。
京都市:京都新聞さんの報道では「ツイート1回50万円」となっていましたが、実際には昴生さんが1ツイートで25万円、亜生さんが1ツイート25万円という形でお支払いしていましたので、ツイート1回につき25万円というのが正しい表現になります。2018年10月10日の「京都国際映画祭2018」に関連するツイートのほか、2018年3月1日にも「伝統産業の日」に関連したツイートを同額でお願いしました。請求書については、一般市民の方などから開示請求があればお出ししているものです。
――伝統産業の日に関しては「京都出身ということで、僕たちが京都市の伝統産業の日のPRをさせてもらうことになりました!」とツイート自体がPRである可能性について、触れられていましたが、京都国際映画祭2018の方はPR表記が一切ありません。これはステルスマーケティングではないのでしょうか。また京都市から「PR表記を入れる」などの要望はなかったのでしょうか。
京都市:ミキのお二人にSNSで情報を発信していただく、というお話の中であえて「PR表記を入れてほしい」という話が出たかどうかは覚えていませんが、ステルスマーケティングというのは「主旨が何かを誤認させるもの」というものだと捉えています。そうした観点で考えると、一番の趣旨に立ち返ったときに何かを誤認させる投稿ではなかったと考えています。
――Twitterを見た人の側に立つと、ミキの2人が「京都を愛しているからツイートした」というのと、「お金をもらっていたから京都愛をツイートした」というのでは意味合いが違ってくるように思います。これは誤認に当たらないのでしょうか。
京都市:難しいところではあるのですが、ミキのお二人が生まれ育った京都を大切に思ってくださっているという気持ちは偽りのないものです。その一方で何かをやっていただくことに対価が発生することも当然のことです。今回、ミキのお二人に対価をお支払いしたのは事実ですが、お二人が京都を大切に思ってくださっているという部分については事実なので、その思いまで誤解されてしまうのは切ないなと思います。
プライベートなつぶやきとお仕事のつぶやきが混在してしまうのがSNSでもあるので、PR表記のことも含めて、今後は誤解のないやり方で進めていきたいと考えています。
――先ほど1ツイート25万円というお話も出ましたが、この金額というのは妥当だとお考えでしょうか。
京都市:誤解されているかもしれないのですが、ミキのお二人に「ツイートのみ」をしてもらうために契約を結んだのではありません。京都市はこれまでにも市政をPRするために吉本興業と組んで、吉本芸人さんにポスターに出演していただいたり、京都市内の地下鉄構内で流れる「歩きスマホ防止」のアナウンスを行っていただいたりしており、今回話題となっているツイートはそういった大きな契約のうちの1つです。金額についてはインフルエンサーマーケティングという観点からすると格安ではないかと考えています。
――色々な芸人さんがいる中で、ミキにツイートをお願いしたのはなぜでしょうか。また他にもSNSを使ったPRを行ってきた実績はありますか。
京都市:京都にゆかりがあり、若い世代の方々に市政を理解していただきたいという思いでミキのお二人にお願いしました。当課以外にもPRをお願いしているところはあるかと思います。当課としては現状、他の方に有償でSNS発信していただくという企画はしておりません。
――今回の京都市とミキの対応をめぐってさまざまな意見が出ていることについてどう感じていますか。
京都市:京都市が潤沢ではない財政の中でPRツイートをお願いしたことについて、それが正しいのかどうなのかという意見はあるかと思います。繰り返しにはなりますが、京都市としては市政に興味を持っていただきたい、市政を知っていただきたいという思いでお願いしたものです。京都への熱い思いを持ってくださっているミキに対して、その思いを踏みにじるようなことになってしまうのは本当に悲しいことだと思っています。
ねとらぼ編集部では京都市への取材と並行して吉本興業側を取材すべく、担当者に連絡を取っています。取材ができ次第、本記事に追記する予定です。
SNSとPRを巡ってはこれまでに多くの議論がされており、例えばWOMJガイドライン(※)では金銭の提供を受けて投稿する場合、「情報発信者に関係性明示を義務付けなければならない」としています。
(※)WOM(Word of Mouth、口コミ)をマーケティング活動に活用する法人などによって2009年に結成された団体。
【2019月10月28日追記:吉本興業に取材しました】
本件について吉本興業に問い合わせたところ、担当者は「市の事業なので判断する立場ではなく、金額については十分に見合うものと考えています」と回答しました。また「PR表記を入れない形での宣伝ツイートに対して『ステマではないか』との声があるがこれについてどう感じているか」「契約当時、京都市からPR表記についてどう扱うべきかという相談があったか」についても質問したものの、こちらについては回答は得られませんでした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
-
「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
-
“ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
-
高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
-
「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
-
「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
-
「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
-
“歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
-
黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
-
走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた