東京地裁、Cloudflareに対する漫画村運営者情報の開示請求を棄却 米国企業ながら裁判の管轄は東京地裁と明らかに
運営者全員が逮捕されたことにより、運営者の特定が終わっているため。
漫画家のたまきちひろさん(著書に『人生リセット留学。』、ドラマ化された『Walkin' Butterfly』など)が、「漫画村」へサーバ提供を行っていた米Cloudflareに対し、運営者情報などの開示を求めた裁判が1月22日に判決を迎え、東京地方裁判所は「原告の請求を棄却する」との判断を下しました。なおこの判決により、Cloudflareに対しては東京地裁での管轄が認められることが明らかとなりました。
たまきさんは、自身の作品が漫画村に無断で掲載されていたことから、2018年4月16日に、プロバイダ責任制限法に基づき、発信者(漫画村運営者)の情報開示を求めてCloudflareを提訴(関連記事)。
Cloudflare側は2018年8月16日に「漫画村に関するアクセスログ」を、たまきさんの代理人である、東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士に対して開示した他、東京地裁で行われている訴訟には出席せず、争わない姿勢を示してきました。ところが2018年10月下旬になってCloudflareから「全面的に争う」との答弁書が提出されたことにより、東京地裁は判決日前日に弁論の再開を決定。極めて異例ともいえる判決延期の判断が下り、物議を醸していました(関連記事)。
今回の訴訟について佐藤達文裁判長は、「原告の請求を棄却する」「訴訟費用は原告の負担」と判決。
判決文では「運営者全員が逮捕されたことにより運営者の特定が終わっており、現時点でも損害賠償請求ができる」と判断の理由が明かされました。また今回の判決では、Cloudflareに対しては東京地裁での管轄が認められることが明らかになったため、竹書房がCloudflareに対して起こしている著作権侵害ページの削除および損害賠償を求める民事訴訟についても東京地裁管轄が認められる模様です。
なお、今回の訴訟を巡っては、提訴に至るまでの経緯についてたまきさんが漫画化するなどユニークな対抗策でも話題に。ねとらぼ編集部では判決を迎えた直後のたまきさん、中島弁護士に、あらためて今回の裁判の争点を伺い、今後の展開などについても詳しく記事化する予定です。
たまきちひろ先生作「漫画村漫画」
(Kikka)
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著作権法違反の疑いで逮捕されたと報じられています。
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